終演
すべてが終わった。
ひとつの物語の終わり。
開放感、刹那さ、悲しみ、淋しさ…
様々な感情が去来する。
彼女と別れたあと、終わった~っと誰もいない通りで独り言を繰り返し、目に涙を浮かべてた。
半年以上も続いた片想い。
でも、もう終わり。
明日からニュートラルな自分になる。
とにかく前へ。
愛してた。
久しぶりに本気で。
ありがとう。
そして、さようなら。
明日からはただの同僚。
特別な感情はもうなくなる。
不自然なかかわりから、自然なかかわりへ。
迷惑掛けたね、ごめんね。
でも、もう終わったんだ。
ほんとにありがとう。
大好きだったよ。
最後の雨
雨は上がり、最後の夜がやってくる。
彼女は『焼肉』を楽しみにしてるらしい。
2日連続の雨で今日の夜以外の予定はすべて流れてしまったみたい。
連休最後の夜を楽しませてあげられれば。
珍しく書いてあった日記には『会社の方』って表記。
『方』なんて使われるような人間じゃないよ、オレは。
彼女が何を考え、彼氏がいるのにオレと2人で食事に行くのか。
わからないまま終わるこの想い。
もう立ち止まらない。
泣けるほど愛したけど、うれしい涙は流せなかった。
最後くらいは、オレは天に勝った。
でも、あなたの心には勝てなかった。
最後の晩餐を楽しみましょう。
精一杯、最後の想いをあなたにささげる。