本日は旧暦八月十八日。居待または居待月(いまちづき)です。

 「居」とは「畳の上に居る=坐っている」の意味です。立って待つには月の出が遅く、坐って出るのを待つことから、居待月といいます。坐待でも「いまち」と読みます。

 月見の宴もはや六日目。

 そろそろ、お酒に飽きてきました?(笑)

 そうそう、居待は18歳のことも意味するそうで、「はや稲舟の年の程は、立ち待ち居待も過ぎたれども(柳亭種彦著『田舎源氏』文政十二~十三年刊行)」と使われています。

 

 今日の和歌の軸は

 

われのみぞ ねられざりける かるもかく

ゐまちの月の ほどはへぬれど

            藤原家良

 

 で如何でしょう?

 毎日変えるなら、短冊で変えたいところですね~。

 

 

 

 今宵は十七夜。待宵月(十四夜)に対して立待月と言います。


 この言葉は「忽ち」の語源になったと言われ「立って待つ間に上ってくる月」という意味です。

 今年は残念ながら雨月(雨が降った中秋の月のこと)が多かったようですが、今宵は立待月を眺めることができそうでしょうか♪

 今夜の軸は

 我門を さしわづらひて ねるをのこ
 さぞ立待の 月もみるらん
         藤原家良『新撰六帖題和歌』

 という和歌でも如何でしょう?

 

 

 

 今日は旧暦八月十七日、寒露です。


 露が朝晩の冷気によって凍りそうになる頃だそうです。雁などの冬鳥が渡ってきて、菊が咲き始め、蟋蟀(こおろぎ)などが鳴き止むころとされています。『暦便覧』によれば、「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」とのこと。

 寒露というのは、晩夏から初秋にかけて野草に宿る冷たい露のことともされますが、これはいかにも季節感が合いません。露が寒気に触れて、霜に変わる直前で、紅葉が濃くなりはじめ、夏鳥が冬鳥と交代する時期になります。

 秋晴れの日が多くなり、空気が澄んで、月が美しく輝く日が多くなるとか。今年は丁度十五夜にあたりますので、空を見上げて月見としゃれ込むのもよいかもしれません。

 和服では、褝(ひとえ)の最後の季節で、人によっては寒さを感じるようになるので、羽織を一段厚手の物に変えたりします。昼間は暑い日もまだあるので、着脱ぎできるものが重宝されるようになります。
 新暦合わせの方は既に袷になっていらっしゃるようですが、暑くないですかね?<昼間は
 汗っかきな私は、袷なんてとてもとても(笑)

 晩秋の季節となりますし、次の節気である霜降は初袷(はつあわせ)とも言われる袷を着る時期になりますので、衣更えの準備をしはじめるよい頃合いかもしれません。 


 本日は旧暦八月十六日。「既望」です。

 日本では十六夜(いざよい)と呼んで、中秋の名月とならんで月見をする日です。

 十五夜が望月(もちづき)ですので、既に過ぎている望月という意味で「既望」といいます。


 いざよいは「ためらう」という意味の「いざよう」の連用形が名詞化した言葉です。
 陰暦十六日の月は十五夜の満月に比べて、月の出がやや遅いことから、まるで月が出てくるのをためらっているように見立てたものと言われています。


 十三夜からはじまった月見の宴は既に四日目。

 町方では十四夜・十五夜・十六夜の三日間が一般的だったとか。

 今では月見の宴もあまり開かれていませんが、ゆったりと心を落ち着けて、酒盃をかわしたいものですね。

 

 こうした日にかける軸は

 

君や来む われや行かむの いさよひに
真木の板戸も ささず寝にけり

             詠人不知

 

 という古今和歌集の歌でも如何でしょうか?

 

 

 

 今日は中秋。
 十五夜です♪

 旧暦八月十五日の月のことを「中秋の名月」といいます。


 時折「仲秋の名月」なんて表記を見ますが、これは間違いですので気を付けましょう♪^^

 中秋の夜に雲などで月が隠れて見えないことを「無月(むげつ)」、中秋の晩に雨が降ることを「雨月(うげつ)」と呼び、月が見えないながらもなんとなくほの明るい風情を賞するものとされるそうですから、月が見えずとも、無月か雨月として、月見を愉しまれると良いのではないでしょうか?^^

 名月には後の名月(名残の名月)とする九月十三夜、三の名月とされる十月十夜もあります。


 しばらくは月に因んだ御道具が活躍できますね♪

 お団子片手に、引盃で一献……茶会の後に酒宴を開くのもまた一興でしょうか^^
 
 月のお軸といえば「清風拂明月」「明月拂清風」でしょうか。「掬水月在手」もいいのですが、個人的にこれはとっておきたいなぁ~という感じです。なので「秋月揚明輝」とかいいかな?と思います。「雲外月光漏」というのもこないだ見かけていいな~と思いました。