Threadsで、卒業式に訪問着で出席した方が盛大に叩かれていた。

 

 それはなんと「主役より目立つな」という論調。

 

 いや、ちょっとまて。

 

 主役より目立つから訪問着が駄目なんて理窟、おかしいって思わないのか?と、年の離れた友人とLINEで話をした。

 

 これ、叩いた方も叩かれた方も間違っていて、本当は「式典の参列者は原則平服」となる。

 

 平服とは、英語でいえばインフォーマル。日本の規定では「小礼服」というカテゴリである。

 

 詳しくは以下の記事を呼んでほしい。

 

 小礼服は一つ紋になるので、紋が付いていれば(紋の付けられる着物であれば)、何を着ても批難されるものではない。無紋では訪問着でもアウトである。

 

 このよく分からない「主役より目立つな」的な論調は振袖にも向けられて、結婚披露宴に振袖を着てくるな!的なことを言い出す人も居る。

 

 いわゆる、変なオリジナルマナーなんだが、そういう論調でギャーギャー言う人に限って「着物には格があって」ということが多い。

 

 いや、まて。

 

 着物自体に格はない。

 

 あるのは「入れられる紋の数の違い」である。

 

 黒留袖・色留袖は三つ紋または五つ紋

 訪問着は一つ紋または三つ紋

 

 ちなみに本物の辻が花は総柄で紋が入れられないので、訪問着になっている辻が花はあくまで「辻が花風」でしかないのもここで述べておく。

 

 色無地 一つ紋~五つ紋

 

 実は色無地というのは最も格を高くすることができる着物だったりする。ちなみに縮緬や一越などが該当。武家ではお召も含める。

 

 附下 本来は無紋。戦時下で奢侈禁止令により一つ紋を入れて訪問着の代用品とした。

 

 紬 男性のみ無地に一つ紋を入れる

 麻(苧麻) 男性のみ無地に一つ紋を入れる(小千谷縮など)

 麻(大麻) 無紋

 絣 無紋

 小紋 無紋(紋を入れるところがない)

 江戸小紋(定め小紋) 無紋(ただし、一つ紋扱い)

 江戸小紋(五役) 一つ紋(縫い紋)

 江戸小紋(いわれ小紋) 無紋

 地紋 本来小紋であったので、無紋。近年は色無地扱いとして縫い紋を入れることもある(本来ではない)。

 

 こうして書いていると分かってきた人もいるかもしれないが、着物の格と言われるのは値段ではなく、紋が入れられる数に応じて格と言われるものが決まっている。

 

 つまり、着物の仕立てや生地で決まるのではなく、紋の数が着物の格であることが分かる。

 

 無紋は普段着(定め小紋を除く)。

 

 それだけのことなのに、何を騒ぎ立てるのか不思議である。