戸隠へ 飯綱山に参拝 その4(久山館に泊まる) | 「小屋」へ行ってきます

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『秩父曼荼羅小屋』の管理人。大峯山龍泉寺大先達(修験道)。

戸隠の旅でお宿にさせていただきました
戸隠神社旧本坊勧修院 久山館 です。
http://hisayamakan.com/

もちろんそば処です。
美しいお蕎麦の写真などありますのでぜひホームページをご覧あれ~


戸隠は元は修験道の場所なので元はお寺のところばかり。
久山館も元はお寺でした。

中社の目の前に入口があり、ほぼほぼ昔は中社の敷地内なのでしょう。
入ると正面にある白い建物がお蕎麦屋さん(宿泊も可)
右手にある、寝殿造りの本館で宿泊させていただきました。

※食事だけでも入れますが、宿泊のお客様の状況により
営業していないこともあります。

寝殿造りの障子扉を開けると真正面、すぐに本殿があります。


戸隠神社のご祭神がおまつりされておりますが
九頭竜弁財天を拝見できればと・・・それが目的です。

※撮影の許可をいただいています。

こちらにも記事があります。
飯縄権現と九頭龍辨財天の旅 其の四

明治の廃仏毀釈の際に、急ぎ隠された弁財天です。
隠されなければ、この世から失われていたものです。

戸隠神社の神官も務められている久山館の当主の話によりますと
やく15年ほど前に発見されたそうです。
4代前の当主が廃仏毀釈のあおりをもろに受け
壊されるのが忍びないと・・・お隠しになった。

今は神仏分離のおとがめがある時代ではなくなったので・・・

とお話しくださいました。

修復されているのでピカピカです。

他にも戸隠全体的に、屋根裏からこんなものが見つかった、とか
当時、急ぎ隠されたものが見つかってきているそうです。

隠し場所は書物にも、口伝でも残せず
ただただ、見つかる時を待っていた・・・
おそらく誰にも知られずに失われていったものもある・・・
目にすることのできる奇跡に感謝です。


もう一つ、どうしても語りたい物語があります。

本殿に入って驚いたのがこちら。
左から「龍珠観音」と「大日如来」です。


現在の神道の考え方では本来は置かれない仏象です。
しかも大きなお寺の本尊クラス。163㎝の私が立って見上げる位。

何故に・・・

もともとは、どこかの工場に祀られていたと。
それがだんだん居場所がなくなり、最終的には「いらない」と。

当主から話を聞いたとたんに、涙が出てしまい止まらなくなりました。
私が泣いてるんじゃない。
観音様が泣いてる・・・

当主が、それならば、とお引き受けになったそうです。
安置された当初はずいぶん険しいお顔をされていたけど
最近は少し良くなったと、おっしゃいました。

ちなみに、弁財天が発見された時とほぼ同じ時期に
安置されたそうです。


朝のお勤めに参加しました。

廃仏毀釈によってその当時の僧侶たちが
仏像を壊され、燃やされ、信仰さえも強制的に向きを変えられて
ある日突然、祈るもの奪われ
どれほど戸惑い、どんなに心を痛めただろう・・・

当主が祝詞をあげる後姿にこみ上げるものがありました。
深い深い悲しみを背負いつつも
当主のお勤めは、穏やかであたたかいものでした。


戸隠も本来の祀られたものを戻そうをしています。

当主はおっしゃいまいた。
「善光寺とも仲良くして、協力してやっていかなければならない」と。

神仏分離から、神仏習合へと変化の途中です。
生きてその流れを感じられることに感謝です。


つぎはやっと飯縄山ですよー