千葉県・香取神社 | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2022年6月26日 千葉県柏市布施の香取神社に参拝しました。

 

布施香取神社の創建年代等は不詳ながら、隣接する善照寺が鎌倉時代末期の創建であることから、当社も古くか
らの鎮座と考えられます。明治31年天神社・第六天・八坂神社・日枝社を合祀したといいます。

拝殿・覆屋

 

本殿

 

右面の胴羽目:司馬温公の甕割り
温公は司馬光といい、北宋の政治家。「資治通鑑」を書いた学者としても知られています。子供の頃、大きな水瓶に落ちた友達を助けるために、石で瓶を割りました。大切な瓶を割ったので叱られることを覚悟していましたが、父親は温公をほめて、改めて命の大切さを教えたと言います。

 

背面の胴羽目:黄石公と張良
漢の高祖に仕える張良は夢の中で老翁と出会い、兵法を伝授してもらう約束をする。夢の中で約束した五日後に橋のほとりに行くと、老翁は既に来ており、「人に物を教えて貰おうというのに、先生より遅く来るとは何事だ」と咎め、また五日後に来いと言い去っていく。五日後、張良は正装をし早暁に行くと威儀を正した老翁が馬に乗って現れた。そして自らを黄石公と名乗り、履いていた沓を川へ落とした。張良は急いで川に飛び込んだが、大蛇が現れ威嚇し沓を取られる。張良はすばやく剣を抜き立ち向かい大蛇から沓を奪い返した。黄石公は張良の働きを認め、兵法の奥義を伝授しました。

 

左面の胴羽目:加藤清正の虎退治
豊臣秀吉の朝鮮出兵に時に、虎が加藤清正軍の陣へやってきて軍馬をさらっていった。さらに、清正の小姓・上月左膳まで虎に噛み殺されてしまう。激怒した清正は、翌朝に家臣たちと共にへ虎狩りへ行き、虎を見つけると小姓の仇を自ら討つとして、家臣たちを制止させ、清正自ら鉄砲で仕留めたという。この話が、「刀」で討ち取った話や、清正は十文字の槍を愛用していたことから「槍」で、虎と戦いその槍の片方の刃を折られてしまったという話に変わったという。

 

獅子の子落とし
父がおそろしく深い谷に子を蹴り落とす。子獅子は一度は登ってくるが、また突き落とされると、折からの嵐に爪が立てられず、木陰でしばし休んでしまう。子がなかなか登ってこないのは怖気づいたのだろうか、育てた甲斐がなかったのかと危ぶむ父。深い谷間を覗くと、水面にその影が映り…、親と子がそれぞれの存在に気付く。父の姿を見るや子は勇み立ち、高い岩をものともせず一気に駆け上がっていく。

 

右面の脇障子:父の獅子が谷間を覗き、子獅子が上を見上げている

 

左面の脇障子:父の獅子が子獅子を落とした場面

 

中備:龍  扉両脇:昇龍・降龍

 

コメント:素晴らしい彫刻でした。

 

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