埼玉県・八幡神社 | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2022年6月26日 埼玉県吉川市土場の八幡神社に参拝しました。

 

由緒

創建は不詳ですが、尾が団扇状に立った江戸中の狛犬に1809年(文化6)、鳥居には1812年(文化9)建立の刻が有る事から江戸時代後期に建てられた古社と思われます。

 

鳥居

 

拝殿

 

覆屋

 

本殿

 

右面の胴羽目:養老の滝
元正天皇の時、美濃国に貧しい父子が住んでいた。老父はことのほか酒を愛し、しきりに欲しがった。ある時、
孝子が山で足をふみはずし、谷底へ転がり落ちてしまいました。体を起こしてあたりを見ると、岩かげから水の
音が聞こえてきます。孝子がかけよると、そこには見上げるばかりの滝が流れ落ちていました。孝子が水をすく
って飲むと、ただの水ではなく、これまで飲んだ事もないような、かぐわしいお酒でした。孝子はそれを汲み、
老父に飲ませたところ、大変喜び、すっかり若々しくなりました。このことは、都にも伝えられ、この話を聞い
た天皇は当地に行幸され、孝心にめでて孝子を美濃守に任じ、養老の滝と命名し、年号を養老と改めました。

 

背面の胴羽目:梅妻鶴子
林和靖は、中国北宋の詩人で、生涯官に仕えず、西湖のほとり孤山に庵を編んで自適の生活を送った人物として
知られる。妻のかわりに梅の木を、子のかわりに鶴を愛でていたという。

 

左面の胴羽目:黄石公と張良
漢の高祖に仕える張良は夢の中で老翁と出会い、兵法を伝授してもらう約束をする。夢の中で約束した五日後に
橋のほとりに行くと、老翁は既に来ており、「人に物を教えて貰おうというのに、先生より遅く来るとは何事だ
」と咎め、また五日後に来いと言い去っていく。五日後、張良は正装をし早暁に行くと威儀を正した老翁が馬に
乗って現れた。そして自らを黄石公と名乗り、履いていた沓を川へ落とした。張良は急いで川に飛び込んだが、
大蛇が現れ威嚇し沓を取られる。張良はすばやく剣を抜き立ち向かい大蛇から沓を奪い返した。黄石公は張良の
働きを認め、兵法の奥義を伝授しました。

 

右面の脇障子:不明

 

左面の脇障子:不明