デザートが来る頃には彼女の様子は幾分普通に見えるようになっていた。

僕にはとても名前なんて分かりっこない洋菓子。

そうこれ、ここにはデザート食べに来てるようなものなの。

僕は女の子とデザートなんて食べてたことなんてなかった。デザートは本当に人を幸せにする、なんて、安っぽい宣伝とばかり思っていた。

なるほど、こういうことか。

そんな納得の表情を、彼女はアンテナだけで感じ取り、感情までは伝わらなかったようで、彼女は目線で僕に問う。

いや、甘いものが好きなんだね。

そう好きよ。あなたは辛い物が好きなようだね。

イタズラっぽく微笑む。

特にからいもは好きではないが。

おや、なんでわかったんだい。

簡単な推理よ。

あれ、今日の料理で、辛いもの好きなんて推理できたかい?

いいえ。でも、あなたが辛いものが好きなら、私はあなたのデザートを食べてあげることになるわ。

なるほど、とても名推理だよ。

さあ、僕の分も食べておくれ。

ええいいわ。

なるほど、甘いものは人を幸せにするなんて安っぽい宣伝は、実はとても価値があって、とても貴重なのだと、

彼女の、甘いものをほおばる笑顔が、僕の心に与えた何かで、

少し理解した、そんな気がした。