2018年9月18日が誕生日だったはずのあさみちゃん。
あさみちゃんはママのお腹の中で7ヶ月間パパとママとお兄ちゃんに愛され、
そのまま天国へと旅立ちました、今では家族を見守っていてくれています。
あさみちゃんは僕の愛弟子のカメラマンの娘さんです。
昨年娘さんが他界されてすぐに「写真展をやりたいんです」と話してくれました。
「つらい気持ちを写真にするのではなく、娘が生まれてきたことを写真という形にしたい、それはフォトグラファーである僕にしか出来ない事だから」
パパはあさみちゃんが声なくして生まれたときに、
つらい気持ちを抑えながらたくさんシャッターを押しました。
ママとあさみちゃん、そして涙ながらにシャッターを押しているパパ。
とても表現できないその気持ち、1枚の写真にはたくさんの心がこもっています。
天国に旅立ってから約1年、
今月6月17日月曜日から30日日曜日まで下記日程で写真展を行います。
よろしければ皆様に足を運んで頂ければ幸いです、私も伺います。
○写真展を行うにあたって(あさみちゃんパパより)
今回、写真展を開催するにあたり
何のために写真展を行うのか? 本当に開催して良いのか?
見に来てくださる方に悲しい思いをさせるのではないか?
娘の生命をなんだと思ってるんだ! という誹謗中傷もあるのではないかなど、
マイナス思考が優先してしまい1年間悩みに悩みました。
けれど私たち家族の思いを皆様に見て頂きたいと感じ、開催をする運びとなりました。
開催する写真展のタイトル「あさの光」には、
あさは娘のあさみの「あさ」光は息子、光冴(こうが)の「光」
子供たちの名前を合わせて「あさの光」としました。
あたたかな光は「太陽」から届きます。
太陽が生きる生命を吹き込み、そして、優しく世界を包んでくれる。
そんな存在が母だという意味も込めました。
また命を授かり、妻のお腹の中で元気に成長していたあさみ。
生きていたという事実を写真を通して残すこと。
それはフォトグラファーである父親である自分だからこそできる、娘への感謝かなと思っています。
感謝というぬくもりが伝われば良いなと思っています。
7ヶ月というあさみの生命をお腹の中で大切に育み、産声のない普通分娩に堪えてくれた妻への感謝。
当時、2歳半の光冴が言った「赤ちゃん笑ってる」のたった一言が、
妻と私を深い悲しみの中から救ってくれた息子への感謝。
そして我が家の一員となってくれた娘へ、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
そんな思いで家族としての写真展を開催させていただきます、よろしければご覧いただければ幸いです。
また写真展を行うにあたり、パパとママに天国のあさみちゃんへのメッセージを書いていただきました。
●パパからあさみへ
出来るのであれば、元気な産ぶ声を聞きたかった。温かいぬくもりをこの手で感じたかった。
成長する姿をたくさん写真に残したかった。
その願いは叶わなかった。
でも、あさみから生命の大切さ、写真の本質、そして家族への愛を心の底から教えてもらいました。
これから先、悔いのない人生をあさみと共に、家族全員で頑張って行くからね。
あさちゃん、お父さんとお母さんの娘になってくれて、そして光冴の妹になってくれて、本当にありがとう。
●お母さんからあさみへ
あさちゃんが亡くなって産まれて、あっという間に1年が経ちました。
お母さんにはあさちゃんが亡くなった意味がまだ分かりません。
また同じ思いをするのではないかと
次に妊娠する事も一歩踏み出せずにいます。
だけど、あさちゃんのおかげで
お兄ちゃんのアレルギーはへっちゃらになりました。
元気に生きててくれる事が幸せな事なんだと気付きました。
あさちゃんのおかげで
同じ経験をされた人に少しでも寄り添えるお母さんになれました。
あさちゃんのおかげで
たくさんの人と出逢う事ができました。
あさちゃんのおかげで
改めて支えてくれている家族の有難さ、大切さに気付きました。
あさちゃんが亡くなって産まれた
紫陽花の季節。悲しくて辛い気持ちにもなるけど、あさちゃんが微笑んでくれてたから、あたたかな気持ちになれます。
あさちゃん ありがとう
お母さんより
今を生きていることは当たり前と思いがちですが、
この世に誕生して、今こうして生きていること自体が奇跡だと僕は思います。
生きていることに感謝して、この写真展を感じたいなと思っています。