お祭りの時期に咲く花は
なにも金木犀だけではない
酒臭い花やナマ臭い花だって咲くのだ。
しかしなによりこれが咲かないと
祭りができない。
今回はそんな頭の痛くなる花について。
故郷の地元、西条の秋祭りは
昭和の50年代ごろから祭礼の屋台の台数、
つまり新規で屋台を奉納する町内が増えつづけ、
いまや実に80台前後もの規模、
調べてみると日本一の台数の屋台が
この地元の秋祭りのために奉納されている(※)。
まあ
そこまでは確かによかったのだ、
祭りが年々大規模になり、
盛大であるという一点においては
はずだった。
だが氏子にとって
祭りの規模の大きさゆえに
毎年のことだけに頭の痛い問題がある。
「お花」。
(解説については以下に譲ることにする)
※( Wikipedia : お花 )
祭礼の屋台が増えたということは、
つまり秋祭りのたびに
この「お花」を徴収する町内も
爆発的に増加したということで。
それはつまり
いまや西条の秋祭りで奉納される屋台は
80数台にもおよび、
それと同数の町内が毎年の祭りのたびに
奉納に必要な費用を
酒、または現金で徴収に来る、
ということでもある。
これはちょっと計算してみれば、
地元の氏子は祭りのたびに
毎年数万円~
付き合いによっては、
十数万円以上のまとまった出費を
お花のために余儀なくされる、
まあたしかに
これは必ずしも強制のものではないので
バツが悪くとも
断ってはいけなくはないのだが。
しかし
県や市からは助成も補助金も
出ていない祭りである、
どこも氏子の自腹でやりくりして
奉納しているので
自分だけ出さないわけにもいかない。
とくに年に一度の祭りを楽しみに
生きる者にとっては
とりわけこの全国的にだらだら続く不況、
近年などは特に財布の具合も芳しくない昨今。
しかも只でさえ全国比でも
所得の低い地方である。
市税高くても市民が文句言っていないうちに
ぼちぼち毎年の各町内の
屋台の蝋燭代ぐらいは
最後に野暮な詮索だが
最終的にあの「お花」は
どこへ流れていくのか。
気になるところなのもまた人情。
毎年すごい金額が動いているはずなのだが
最後はどこへ消えているのかね。
せめて地元で回っていればいいのだが。