最近テレビなどで話題の不食(者)のご紹介。
不食~何も食べずに生きる人々~
人間の3大欲求、性欲・睡眠欲・そして食欲。
これらを満たすことは人間の基本条件であり
人間はそのために生きていると言っても過言では
ない。なかでも食欲は、人間がエネルギーを得て
活動を行うための必要条件であり、人間、あらゆる
生物を問わず、生きていくために不可欠なものである。
しかし近年、これらの人間の根本を、苦も無く克服
する人々が急増しているという。それら欲求を満たす
ことはまるで数千年におよぶ人類の誤解であった、
とでもいうように、人間存在の条件を根底から覆す
存在、「不食者」と呼ばれ、最近巷、科学者の間
でも注目を集めている。
「不食者の身体は20歳程度の若さ、胃を除く
全ての器官は正常に機能している」 という。
65年間食べていない男
インドや中国では古くから絶食して生きている
聖者の逸話が存在するが、インドに暮らすプララド・
ジャニ(写真上)という男性は、6才の時に水と食料を絶ち
現在にいたるまでなんと65年におよび、何も口に
していないと言う。
3年前、この男性は完全に監視された室内実験で
長期不食を成功させ、立ち会った科学者達の度肝
を抜いた。
実験で、男性は科学者が用意した部屋に入り、水や
食料を摂取せず、更には排尿、排泄さえも行わずに
そこで長期間暮らしたが、男性の身体は至って健康の
ままだったのである。
また調査で、氏の体内では不食にも関わらず尿が生成
されていることが明らかになったが、排尿はされず、
膀胱に吸収されていることが明らかになったと言う。
氏は自身のメカニズムについて、
「空気中から水を得て、口蓋の孔からエネルギーを
摂取している」
とだけ語っている。
インドにおける不食者として最も有名なのが、
太陽を食べる男、「ヒラ・ラタン・マネク」である。
マネクは1992年より断続的な不食を開始し、1995年
ヒマラヤ巡礼中に山中で齢400歳を超えるという聖者
に会い、永続的不食の可能性に目覚めたという。
以降、マネクはジャニ同様、医師らが立ち会う公開
不食実験を幾度となく成功させ、2001年には彼の能力
に興味を示したNASAの科学者の立会いのもと、130日
に及ぶ不食行を成功させたのである。
そして現在、彼が世界中の注目を集めているのは、その
独自の不食メソッドを大胆にも「NEW SCIENCE」(新た
なる科学)であると語る点にある。
科学の根本は再現性にある。つまり、不食は限られた
者のみに許された奇跡ではなく、定められた方法に
従えば、誰にでも出来ることだと主張しているのである。
ただし、その手法は至ってシンプルで、毎日、食事を
摂る代わりに少量の水を飲み、朝夕に山や海岸に出かけ
ただ太陽を凝視する。
コレを最低1年から3年繰り返すうち、まるで植物が
太陽と水で光合成を行うように、食物に因らない完全な
自給自足型体質に変化することが出来るのだという。
マネクは、この方法を「サン・ゲイジング(太陽の凝視)」
と呼び、現在では、米国や欧州をはじめ、彼の理論
に従って3000人以上の人々が既に完全な、あるいは
部分的な不食を実践していると言う。
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~不食の科学者~
太陽からエネルギーを得る不食者はドイツにもいる。
ガン研究者のミハイル・ヴェルナーである。
彼もまたマネク同様、ここ4年、主に太陽と
水からエネルギーを得ていると語る。
彼は毎朝、少しばかりの水、もしくはフルーツ
ジュースを飲み、日光浴をするのである。
彼自身、科学者でありながら自ら科学法則に
反する自分の身体に困惑しつつ、その気持ちを
次のように語っている。
「科学的なレベルでは、私の身体に起こっている
ことが一体何なのか、私自身説明が出来ない。
ただ多分、この不食に必要なのはちょっとした
意思を持つこと、それだけではないのだろうか」
このように、現在ではまだ数少ないが、何も
食べず、何も飲まずに生きている人間は確か
に存在しているのである。しかし、人間の
存在を根本から覆す彼らの身体にいかなる
システムが機能しているのか、現在の科学では
まだ計り知ることは出来ない。
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~腸~
人間の腸がビタミンを合成する
こんな研究もある。
もともと人体に必須とされるビタミンB12は、
動物性食物の中のみ存在していることで
知られている。
従って、その点から考えれば、近年先進国
を中心に流行している「菜食主義」は、
人間にとって本来は不適切な状態だと言える。
しかし、最近の研究によれば、菜食主義を
実践している人々の身体に十分なビタミンB12
が存在していることが確認され、それらビタミン
が腸内のマイクロフローラ(常在細菌郡)に
よって合成されていることが明らかになりつつ
アルと言う。
また別の研究で、人間の腸にはアミノ酸を合成
する能力をもつ特殊な微生物を作れる可能性があ
る、と言う報告もなされている。
つまりこれまで人間にとって、常に外部から
摂取されるものとされてきたエネルギーが、
人間の体内で生成、あるいは別の物質から合成
しうることを示唆している。
そしてこれらの報告が指し示す可能性は、現在、
不食の人々がそれぞれの言葉、方法論で実践
していることと、見事に符号しているのである。
「食」。それは人類にとって不変の活動と
考えられてきた。その必要性を疑うことさえ
しなかったはずである。
しかし世界には、食事を絶ち、なお健全に
生きている人々が少なからず存在している
私達が毎日、口に運ぶ食べ物。
それは本当に必要なものなのだろうか???
参考文献:日本の不食者 山田鷹夫