
だめだこりゃー いかりや長介自伝
ユーたちはどうしてそう小むずかしい、つまらなそうな顔をしてやってるんだ?
いいか、これはショーなんだ。兵隊たちは聞くと同時に見に来ているんだからな。
なんでそうブスッとして演奏するんだ?
見ているこっちまで憂鬱になってくる。
俺たちを喜ばしてくれ。
横田の米軍キャンプ内のクラブでのことです。カントリーバンド「マウンテン・プレイボーイズ」に所属して、いかりやはベースを演奏していた。
その時、進駐軍の将校から言われたのが、この言葉です。
いかりやはこうしてギャクをやるようになったのです。
本書は、ドリフターズのリーダー、いかりや長介が書いています。2000年の春、荒井注、マウンテン・ボーイズのリーダー時田が逝ったことがきっかけでした。
自分が生きた時代の何かを書き残さなければならない。
そう決心して書いた自伝です。
子どものとき、ドリフを見て育ちました。その時の映像がよみがえってきます。
夢中で読みました。
ドリフファンには必読です。
新ネタを武器にする人気が出始め、テレビにも出れるようになりましたが、寄席芸人、キャバレー芸人の芸は、見たことのないようなネタも多く、それも毎晩酔客の前でやっているせいでよく練れていて、本当に面白い。
ドリフが5人束になってもかなわない。
いかりやは、どうしたら一流の芸人と型を並べていけるのか、頭を痛めていた。
唯一の弱点を見つけました。
それは、芸人たちは持ちネタが少ないことだった。
練り上げた芸を繰り返しやっているだけだった。
テレビに出るとチャンネルが4でも6でも8でも同じこと、
「あ、また同じネタだ」となるだけだ。
これは早晩あきられると気づいたのだ。
ドリフは新ネタを武器にしようと決めたのです。
役割分担「なんだ、馬鹿野郎」荒井注が受けはじめた。
「なんか言ったか」
「いや、何も」
いじめられては反抗する荒井のキャラがはじめに出来た。
荒井の役回りができたことで、自然といかりやがいじめ役、いわば「権力者」という役回りになったのです。
加藤は受けが巧く、ぶてぶてしい荒井よりかわいらしく見える。
そうだ、あいつと荒井は別のいじめられ役にしようこうしてドリフの笑いの構図が出来上がっていったのです。
いかりやという強い「権力者」がいて、残りの4人が弱者で、いかりやに対してそれぞれ不満を持っている、という人間関係での笑いです。
ドリフの笑いの成功は、ギャグが独創的だったわけでもなんともなくて、このメンバーの位置関係を作ったことにあるのです。
ジャズ喫茶のようにこの1時間番組を毎週生放送でやって欲しいんだ。いかりやはTBSのプロデューサーから呼び出され言われた。
それもスタジオじゃ面白くない。
公会堂かどこか借りて公開生放送だ
「8時だョ!全員集合」のプランです。
裏番組は、当時全盛のコント55号。
誰が見たって同じことをやってもかなわない。
でも、リハーサルをみっちりやり、公開堂に客を入れ、公開放送でやりたいというところに惹かれた。
それはつまり、昔やったジャズ喫茶の延長線上だと考えたのです。
ジャズ喫茶では考えられないような予算をとり、大掛かりなセットを組めるのなら、目の前の客を笑いに引き込む自信が、いかりやにあったのです。
スタートから1年半で視聴率は50%を超える大ヒット番組になったのです。
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◎顧客の問題解決
◎戦略が有効であるために
◎独自性・差別化が必要なわけ
◎チャンスを発見する視点
◎強みのもとづく経営
マネジメントの神、ドラッカーの経営です。
いかりやのドリフのマネジメントもこれをまさに体現しています。
ドラッカー入門―万人のための帝王学を求めて/上田 惇生

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