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著者:ウォーター・ビジネス
出版社:作品社
価格: 2400円
発売日:2008年12月10日
☆☆☆☆☆
「愛のない人生を送った人は多いが、水のない人生はだれも送ることが出来ない」 W・H・オールデン
水不足は、現代においてもっとも正当に評価されていない地球環境問題である。
日本は降水量が多く、緑も豊富で、水質もきれいである。
水の不安を感じることはない。
だが世界は違う。
現在、世界では、環境汚染や異常気象によって二〇億人が水不足に陥っている。
二〇二五年には、世界人口の三分の二が水不足に苦しむと試算されている。
生存するには清浄な水が必要であり、水を得る権利の否定は、生存権の否定である。
水政策は、巨大な水企業と、企業による水の商品化を後押しする国際機関や民間のてにゆだねられていくのを止めることができない。
お金持ちは、世界の稀少な水源地からの、あるいは、雲から抽出したボトルウォーターだけを飲み、貧しい人びとは、水を得られずに亡くなっていく。
これはSFの世界の話ではない。
今こそ、水を得る権利を求めて闘わなければならない。
目次
第1章 世界的な水資源の危機
第2章 世界の水道の支配をねらうグローバル水企業
第3章 急成長する水ビジネス
第4章 水の未来を左右する草の根ムーブメント
第5章 国際政治の主要課題としての水問題
日本語版解説 日本の「ウォーター・ビジネス」をめぐる現状と問題
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■水危機の3つのシナリオ
①世界から淡水が失われつつある
有限である水資源は浪費され、表層水や地下水はひどく汚染されつつある
②清浄な水にアクセスのない人口が日々増加している
河川や井戸の汚水が原因で死ぬ子供の数は、戦争、マラリア、HIV、交通事故で失う命の総数をしのぐ
③起業による強力なカルテルが出現し、企業利益のために水をあらゆる面から支配しようとしている
資本家はボトル詰めの水を世界中で売りさばき、パイプラインで他に水を供給するビジネスを展開している
↓
■水危機への3つの代替案
①水を保全すること
雨水が地域の水系に留まるための条件が整えられること
地下水を自然が補給する水の量よりも多くくみ上げない
汚染に歯止めをかける法規制を実施する
②ウォーター・ジャスティス
債務を抱えているために、清浄な水を提供できない国の債務を軽減する
水道企業の多くが南側の国々で行っている搾取は犯罪である。撤退させる
③公共により管理すること
公共の利益を守るといる指名を負っている政府だけが、原則に添って事業を行える
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▼“水危機”を背景に急成長する水ビジネス―グローバル水企業の戦略
▼水資源の争奪戦
▼ボトルウォーター産業
▼“ブルー・ゴールド”に集中する投資マネー
水にも経済の影がはっきりと見える。
今の世界は資本主義ではなく、経済主義である。
環境問題は経済を優先させる今の政治では解決不可能ではないか?
道徳的にも生理学的にも方向転換をしない限り、近い将来、世界の下層の国と人々は苦しむ。
アフリカにはこんな格言がある。
「われわれは、池に水を得るためだけに行くのではない。友達や夢にあうために行くのである」
私たちの共有の自然資源の水、それに関わる意思決定とを、地域と世界の市民の手に取り戻すムーブメントが広がっている。
この影響力の拡大の理解と行動を促す機会に注目したい。
「水は、心にいいのかもしれないな・・・・」 サン=テグジュペリ