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著者: 香山リカ
出版社:ミシマ社
価格: 1500円
発売日:2009年3月12日
☆☆☆☆☆
「書くとは何か」 「何のために書くのか」
どんな目的で文章を書いていますか?
書くのは、自分のためか、誰のためか。
書くのは、頭を整理するためか、たまったものを吐き出すためか。
書くことで、気持ちは高ぶるのか、落ち着くのか。
精神科医の香山リカ、自らのことを自己完結型の書き手と呼ぶ著者。
本書では、「多筆」の秘密を公開している。
書いて人間力をパワーアップさせる「文章セラピー」について、具体例をあげて書かれている。
文章を上手く書きたい人がまさに求めていた「文書トレーニング本」である。
目次
1章 そもそも何のために書くのか
2章 「何を書くか」の見つけ方
3章 どう書けばいいのか1 一定のペースで書く
4章 いつ書くのか
5章 どう書けばいいのか2 細切れに書く、ひな型を使う
6章 文庫本の解説を書く!
7章 文章は写経のように書くのがいい
8章 カルテ書きから学んだ「効果的な書き方」
9章 小説家タイプ・評論家タイプの書き方
エピローグ すぐれた文章は実用的
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文章を書く本来の楽しさや意味は、「自分のために書く」という自己啓発型、自己満足型のほうにあるのではないか。
自分のために文章を書く目的や効用とは、一定のリズムで言葉をつむぎ出すことにより、心のバランスを取り戻し、あわよくばその中で気持ちも整理しよう、ということ。
一定のリズムでトントン、書いていくときに生まれる文章のリズム、独特の言葉遣いは、時間だけ際限なくかけて正確に書かれた文章に比べ、実は読み手にも訴えかける力を持っているはずである。
ワープロソフトを使わず「エディタ」と呼ばれる簡単なソフトを使っている一番の理由は、文章を作成するスピードを一定に保ちたいからだ。
一つのことに意識を集中させることによって、神経系統、特に大脳の動きが有序化され、整理されて、からだ全体がバランスよく保たれます。そして、各器官が活性してくる。
写経が自己治癒力を高めるといわれるのは、写経を書くまでの過程が、心の癒しになっているのと同時に、体の癒しにもなっているからのようです。
その他の手法
・自分の平均的な執筆速度を知る
・時間制限あるほうが効果的に書くことができる
・自由連想方式、「100の質問」方式を使って、書くことを見つける
・POS方式、SOAP方式で客観的に書く力をつける
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「もっとかっこよく書けないか」「上手に表現できないか」と考えながら、僕はブログを書いている。
そうすると、時間ばかりかかって、結局、まとまらないし、上手く書けないことが多い。
でも、時間をかけないとかけないし、、、、
本書はこの矛盾に答え、具体的手法を示している。
写経のように心を無にして一定のスピードでサラサラ書くこと。
さっそく、この文章は「エディタ」で書いている。確かに速い。
耽美的な文章を書く谷崎潤一郎がその著書「文章読本」の中で書いている。
「分からせるようにという一事で、文章の役目は手一杯なのであります」
どうせすべてを表現すること、書きつくす、ということはできないのだから、まずは言いたいことをきちんと言うことにエネルギーを使ってみなさいと、いうことなのだろう。
上手く書くことよりも、まず、自分に分かる文章を書くこと。
素直に思うことを文章に表していくことが何より大切で、いい文章が書ける秘訣である。
考えすぎず、表現に凝ったりせず、自分で決めた分量を目指して、とにかく前へ前へ、と書いていくことである。