
¥1,600
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著者: 塩野米松
出版社:文芸春秋
価格: 1600円
発売日:2008年12月15日
☆☆☆☆☆
「木の癖組みは工人達の心組」
宮城県にある長泉寺の本堂建立にかかわった宮大工の方々の話をまとめたものである。
著者が材木、基礎、表具師、左官、建具、屋根瓦のそれぞれの職人から話を聞き、その順で章立てしている。
建築に興味がなくても惹かれる技の秘密が書かれている。
目次
第1章 棟梁・小川三夫の考える本堂
第2章 材木
第3章 基礎
第4章 表具師
第5章 左官
第6章 建具
第7章 屋根瓦
第8章 本堂再建
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「材木」について
建物は木の癖を生かして建てねばならない。それは宮大工の基本である。
千年の木を使うなら千年持つ建物を造る。これは宮大工の矜持である。(p17)
木は一本一本癖をもって異なるものである。安価と大量生産を目指す現代企業は効率を求めるあまり、癖を嫌う。癖を殺してしまっている。それでは個々の木を集めて造る建物を丈夫に美しく仕上げることは出来ない。木の癖を生かすことでこそ長い寿命をもつ建物が完成するのである。(p18)
今の人らは、建物を軽くせい、軽くせいと言うけれども、俺は違うと思うんだな。重さでガンと押さえてねえと。そのためには、やはり木の太さとか、その上にのっかってくる瓦の重さだとか、そういうことがすごく大事なんだよ。(p50)
買うときにはやはり山の高い所のは避けますね。風に揺られている木があるんですね。なるべく谷のほうが、風が当たらない、あるいは台風が南西からみんな流れてきますから、その風の向きに立っている木というのは、やはり避けます。
揺すられて中にひびが入ったり、いずれ割れるかもしれない。ですから谷筋のものを買う。(p72)
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「材木」だけでもこれだけ深い。
寺院建築はさまざまな職種の職人が集まり、培った技と知恵を集結させて建物を完成させていく。
そこに集約された技と知恵、磨きぬかれた勘、計算されつくした工法、、、、日本文化そのものである。
日本人が神社や寺に惹かれるは、そういう文化を潜在的に感じるからかも知れない。
棟梁の言葉
どれ一つとして遊びなんかないですよ。
単純なほうが強いです。
妙な飾りで競争しようという気はまったくない。
清潔にすかっとしているものじゃないとあかんな。