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著者: 長嶺超輝
出版社:幻冬舎新書
価格: 720円
発売日:2007年3月30日
☆☆☆☆☆
「痴漢」容疑の防衛医大教授に最高裁で逆転無罪判決があった。
TV「サンデープロジェクト」で討議されていた。
本人と最高裁での担当弁護士が出演していた。
「なぜ一審、二審で有罪だったと思うのか?」の問いに対して、
「有罪判決をした裁判官が人間としての見識が十分でないため」
であると、担当弁護士は理由を述べた。
裁判官の見識により、判決が変ってしまう。
人間である以上、能力の優劣はやむを得ない。
「法という道具を使って、人が人を裁く」のは難問だ。
本書には、あまり耳にすることのない裁判の場面での裁判官の発言を集めている。
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裁判官の発言印象に残ったもの
■「今、この場で子供を抱きなさい。
わが子の顔を見て、二度と覚せい剤を使わないと誓えますか」
⇒ 覚せい剤取締法違反の罪に問われた被告人に向かって
傍聴席にいた妻と長男に、裁判官は「前に来てください」と支持し、被告人の隣に立たせました。被告人がわが子を間近で見るのは一ヶ月ぶりのこと。
彼はその場に泣き崩れ、動けなくなった。
■「死刑はやむを得ないが、私としては、君に出来るだけ長く生きていてもらいたい」
⇒ 「スナック乱射事件」で4人を射殺した暴力団幹部の被告人に、求刑どおりの死刑判決を言い渡して
抗争相手である組長の殺害を命じられ、スナックで歓談中の標的に銃口を向けた。あまりの興奮で判断力を失い、「乱射」してしまい、何のかかわりのない庶民が犠牲になった。標的の組長は一命を取り留めた。
極刑を言い渡しながら、「長く生きてほしい」とはどう言う意味なのだろう。
矛盾した発言のように思えますが、この後、説論はまだ続いた。「遺族に謝罪を続けていってください」と。
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これから裁判員制度が始まる。
裁判のあり方が問われるようになるであろう。
だからこそ、冒頭の冤罪の無罪判決は、「推定無罪」という法律の原則を強く示したようである。