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著者: 戦国武将の死生観
出版社:新潮選書
価格: 1200円
発売日:2008年12月20日
☆☆☆☆☆(死の価値観を考える)
「命よりも名が惜しい」
死が身近にある時代は、死を美化し、死の意味を高めることを追求した。
戦国武将は、いつも死は目前にあった。
「どうせ死ぬならかっこよく」であったのだろう。
「サムライは甚だしく名誉を重んじるが、その弊はかえって彼らをしてほとんど名誉の奴隷たらしめたごときである」
戦国期に日本に渡来した宣教師、フランシスコ・ザビエルの言葉である。
本書は、戦国の死、死生観について、著名な武将を取り上げて書かれている。
戦国武将の死生観とは
■自分の死後、はたして子孫からご先祖様としてあがめられるだろうか」
「死ねば自分は世間からどのように評価されるのか」
戦国の武将たちの最大の関心事は、生前の功績ではなく、黄泉の国へ旅立つ瞬間、人生最後の姿で決められた。
■「現世は短く、来世は長し」
浄土こそ人間の本来の住家であり、その世は仮の住まいに過ぎない。
死生観は、仏教の教えと密接に結びついている。
■「死時に心をうごかさざらんとせば、須らく生時に物事を看て破るべし」
「武士道と云うは、死ぬことと見つけたり」
武将たるもの一日たりとも死を思わずして過ごしてはならない。
現代は、死とは遠く、死に対しての考えは、生への欲望に覆い隠されている。
武将たちから「命ははかない、覚悟はいいか」と言われているようである。
信長が熾烈な死生観を抱いていたのに対して、家康は人命はかけがえのない大切なものだから戦場でも慎重に行動してムダ死しないように戒めた。
命を尊ぶ死生観が徳川300年の原動力であったのは間違いない。
戦国の世でも、武将は本当はもっと生きたかったのだ。