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著者: 竹内整一
出版社:ちくま新書
価格: 720円
発売日:2009年1月10日
☆☆☆☆☆ わかりやすさ(日本人の観念の例がたくさん書かれている)
☆☆☆☆☆ 新しい視点(切り口が斬新)
☆☆☆☆☆ 勉強になる(日本を考える)
「さよなら」の意味を考えたことありますか?
世界の別れの表現はおおよそ、次の3つのタイプに分類できる。
① Good-bye Adieu Adios
「神があなたとともにあらんことを祈る」
② See you again 再見 Au revoir
「再び会いましょう」
③ Farewell 安寧 ゲセヨ
「お元気で」
日本人だけ違う。
日本人はなぜ「さらば」「さようなら(ば)」「それでは」と言った言葉で別れてきたのか?
日本人の観念3つが根底にある。
1)人生観
2)世界観
3)死生観
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心のかまえ(p28)
日本人が「さらば」「さようであるならば」と別れるのは、古い「こと」が終わったときに、そこに立ち止まって、それを「さようであるならば」と確認し決別しながら、新しい「こと」に立ち向かおうという心のかまえ、傾向を表している。
死とは「明日に今日をつなぐこと」(p76)
われわれが死のうとすることとは、「今日」に「明日」をつなぐという営みに他ならない。死において「今日」は「今日」で終わるのではない。それは「明日」につながっていくことなのだ、、、、「今日」が「今日」として「さようであるならば」、「明日」もまた「明日」としてつながれていく。死とはそういうものだ、と。
存在のとらえ方(p93)
いつの間にか日本人は、人間も含めて動いている自然の命のリズムと言うべき流れに身をまかせる、一種の「こつ」を心得るようになった。己の力や意思をも包んで、すべて興るのも亡びるのも、生きるのも死ぬもの、この大きなリズムの一説であるという、無常観を基礎とした諦念である。
「さようなら」の二つの価値(p133)
一つは、そうならねばならないという状況をそれとして受けとめ決別してわかれるという、潔さ、美しさとしての「さようなら」であり、もう一つは、同じその態度が、状況に抗することなく、あっさりと「あきらめる」という「敗北の無常観」「浅薄なニヒリズム」としてのそれとして、です。
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現代は、あまり「さようなら」は使わない。
僕は、「じゃあね」「じゃあまた」と言います。
言葉としては同じ発想です。
「明日のことを思いわづらうなかれ。一日の苦労は一日に足れり」
正宗白鳥
日本言葉の意味はどれも深い。
日本人の観念はどれもいいですね。
僕が日本人だから?
いやいや、日本人じゃなくてもかっこいいと思うんじゃないでしょうか。
「納棺夫日記」でも死生観を書きました。
「さらば」と潔く「別れる」ことが、日本の美徳です。
「潔さ」いい言葉です。
「さようなら」は日本の心である。