モーリス・ユトリロと言えば、有名美術館に行くと必ず作品が展示されているメジャーな存在です。ゴッホやピカソのような爆発力はないけれども、作品があるだけで場が落ち着く印象があります。
そのユトリロの母親が、スュザンヌ・ヴァラドンです。18歳でユトリロを出産(父親は不明)、画家たちの絵のモデルをしているうちに自らも絵を描くようになります。
ユトリロの母が画家だったということを初めて知りました。そんなヴァラドンとユトリロの作品が年代順に展示されています。
(ポストカード)
(ポストカード)
なんと言っても印象に残るのはヴァラドンの力強い数々の作品。もっと素晴らしい作品があったのですが(『黒いヴィーナス』『ユッテルの家族の肖像』等)、残念ながらポストカードを売っていませんでした(会期が終わり近いので売り切れ?)。
対照的に初期のユトリロの作品には精彩がありません。文字通り「彩(いろどり)』がない、やたらに白っぽい数々の作品。病的な印象を抱かせます。
そんなユトリロの作品も徐々に変わっていきます。
(ポストカード)
おなじみの美しい彩りの作品。ユトリロはこうでなくては!
楽しい展覧会でした。
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(よく名前が変わる美術館ですね)にて、6月28日(日)まで開催です。