「伝説のステージ」、オランピア劇場での、「さよなら公演(アデュー・オランピア)」(1966年10月)からの映像で、この作品を含む、「5曲」の新作が、このステージにて発表されました。
これらの「新曲」は、この後、「年末年始」にスタジオで録音され、「すぐ」の発売となりました。
(「仏英字幕」付き)
こちらは何と、いま流行り(?)の、「カラー化(!!)」による、同公演の映像です。
衣装については、「黒」であると認識していますが(バックの「幕」の色は「赤」)、「肌の色」や、「髪の色」は、「完璧」と言えるくらい、実に丁寧に「再現」されていると思いますね。
公演から「半世紀以上」が過ぎ、この「再現」は、「驚き」とともに、「感動」でもあります!!
(当時、まだ生まれてもいない私にとって、ブレルの「ステージ」は、「モノクロ時代の映像」という認識しかありませんでしたので、これは本当に、「画期的な試み」だと思います!!)
(関連記事)
上掲の動画とは別に、ブレルの有名な映像(1966年11月10日放送のテレビライヴより、「ne me quitte pas "行かないで"」)を「カラー化」した、ベルギーの「特殊効果監督」のインタビュー記事も見つけました。
(「限定公開動画」あり。2020年2月5日公開)
(こちらは、「オリジナル」とは、多少イメージが「違う」印象も受けますが...)
1966年10月のオランピア劇場公演は、2013年(「没後35周年」)の「大全集」(以下に挙げている、「Suivre l'etoile」)発売の際、「CD化」もされましたが(「限定盤(シリーズ)」で分売も)、こちらに収録されている音源は、「Blu-ray & DVD(上掲の映像)」とは、「別の日」のテイクとなります。
2013年以降の「大全集」にのみ収録の、ベルギーとの国境にほど近い街、ルーベにて行なわれた、「最後のコンサート」(1967年5月16日)の音源が「こちら」です。
「過労」のため、声の状態は、決して良くはありませんが、それでも、このステージに「全力投球」している様子は、充分に伝わって来ます。
また、上掲の、「オランピア劇場公演(さよなら公演)」からは、「2曲」が差し替えとなっていますが、今回の曲、「le gaz "ガス"」(1966-67)は、こちらの公演でも歌われています(「16分35秒ごろ」から)。
こちらが、「オリジナル録音」です(1966年12月30日録音)。
「オリジナル盤」はこちら。
Blu-rayは、日本のプレイヤーでも、再生が「可能」です(「日本語字幕」もあり)。
「アデュー・オランピア1966」は、「Blu-ray」「CD」とも、こちらのセットに含まれています。
こちらが最新の「大全集」です。
こちらは、いわゆる「文庫版」の全集です。
以下は、「過去」の「大全集」(現在では、「コレクターズ・アイテム」です)。
こちらは「全歌詞集」となります(書籍)。
「ブレル財団」公式サイト
さて...
一昨年(2023年)が「没後45周年」、そして昨年(2024年)が、「生誕95周年」という、「記念の年」に当たっていた、「フランスシャンソン界の3大巨匠」のひとり、ジャック・ブレル(1929-78)...。
「10月9日」は、まさにその「命日」でもあるため、今年も、今回と次回、「2回」にわたって、その「名作」を紹介してみたいと思います(「次回」は、「リテイク(「名曲プレイバック」)」の記事となります)。
まず今回は、やはり「伝説のステージ」、オランピア劇場での、「さよなら公演(アデュー・オランピア)」(1966年10月)にて発表され、その「年末年始」に録音された、「5曲」の新曲のひとつ、「le gaz "ガス"」(1966-67)について...。
当時、「ステージからの引退」を発表し、その作風も、「転換期」を迎えていたブレルですが、今回の曲、「le gaz "ガス"」はやはり、そうした、「後期」の一面を持ちつつも、一方でまだ、「中期」の「エンターテイメント性」をも感じさせるという、「境界線上にある作品」であるとも言え、とても、「楽しい」楽曲となっているとも、感じられる一作です。
1967年に発表された、上掲の「オリジナルアルバム」(「全10曲」+1曲)のうち、そうした性格を持つ作品は、次の通りとなります。
「le cheval "馬"」。
(1966年11月10日放送、「テレビライヴ」の音源。2022年リマスター)
「la...la...la... "ラ・ラ・ラ"」。
(曲自体は、1965年ごろにはもう、作られていたようです...)
「le bonbons 67 "ボンボン67"」。
(1964年のヒット曲、「les bonbons "ボンボン"」の「続編(完結編)」)
「a jeun "素面(しらふ)で"」。
(意外と「カバー」する歌手も多い、「トホホな酔っぱらい」のうた...笑)
「les moutons "羊たち"」。
(1988年以降、「追加」となった「未収録曲」)
以上の作品のうち、「le cheval "馬"」、「le bonbons 67 "ボンボン67"」、「a jeun "素面(しらふ)で"」は、すでに、「正式な記事」を書いております。
このような動画も見つけました。
ブレルが「終の棲家」とした、南太平洋、「マルキーズ(マルケサス)諸島イヴァ・オア島」での様子を、その「証言」をもとに構成したドキュメンタリー番組で、「最後の恋人」、マッドリー・バミィ(1943-)の姿も、もちろんあります。
(2025年5月4日公開)
また、前回のシャルル・アズナヴール(1924-2018)の記事で気になっていた、オランピア劇場で収録の、「フランスのシャンソンの歴史」に対するオマージュでもある番組、「Hier encore」...(このタイトルの「由来」は、アズナヴール自身の、1964年の「大ヒット曲」から。邦題「帰り来ぬ青春」)。
その、「完全版」(2012年/2014年)を見つけましたので、載せちゃいましょう!!
ブレルの曲も、もちろん、歌われています!! (2012年)
(何か、小田和正さんの、「クリスマスの約束」を思い出させる...)
それでは以下に、今回の曲、「le gaz "ガス"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
この曲で歌われているのは、「マドンヌ通り」に住んでいる、「大人気の娼婦」のお話...。
(当時の曲では、よく歌われていたテーマです。「時代背景」だと、ご理解ください...)
まるで、「子ども」のようにはしゃぐ、その「テンションの上がりよう」に驚かれるかと思いますが、「素直に感動」するその様子は、どことなく、「微笑ましい」ものも感じられると思います。
「詞」はもちろん、ブレル自身が書き、「曲」は、ピアニストのジェラール・ジュアネスト(1933-2018)との「共作」です。
また、歌詞の最後のところで出て来る「la main de ma soeur (「妹/姉の手」)」は、「成句」、または「比喩的表現」であるため、この部分だけは、翻訳が「難しい」のですが、以下の記事を「参考」とさせていただきました(「フランス語」)。
「元ネタ」は、「ズアーヴ(「アルジェリア兵」)のズボンの中に妹/姉の手が」という、「戯れ話(歌?)」のようですが、「古い言葉」でもあるため、「現在」では、フランス人でも、その「正確な意味」を「よく知らない」ようでもあります。
「仮説」として、「ごくまれなこと(確率)」という意見がここで出されていますが、かつては、「やり手の面々」という訳語が当てられていたりもしました...。
最後に、このジャック・ブレルの、先述の、「最後のコンサート(ルーベ)」全曲の、「フランス語歌唱」に「挑戦」しているシャンソン歌手、竹崎清彦さん(「moribond1952」さん)の「ライヴ」が、この秋も、ブレルの命日、「10月9日」、13時30分より開演予定です。
「お近くの方」、「お時間のある方」はぜひ、足を運んでみてください!!
(今回は、東京・市ヶ谷にある、「劇空間 えとわ~る」にて開催ということです。また、「応援入場料」は2000円です)
シャンソン歌手、竹崎清彦さん(「moribond1952」さん)についての記事
竹崎清彦さんの「facebook」
「劇空間 えとわ~る」公式サイト
ありがとうございました。
それではまた...。
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le gaz ガス
tu habites rue de la Madone
une maison qui se dehanche
une maison qui se tire-bouchonne
et qui pleure a grosses planches
l'escalier colimaconne
c'est pas grand non oh non mais y a de la place
tu habites rue de la Madone
et moi moi je viens pour le gaz
君は、マドンヌ通りに住んでいる
ガタガタ揺れる家
ねじれた家
大きな厚板が泣いている
らせん状の階段
決して広くはない けれど場所はある
君は、マドンヌ通りに住んでいる
そして僕は、僕は、「ガスの検針に来ました...」
tu as un boudoir plein de bouddhas
les bougies dansent dans leurs bougeoir
ca sent bon c'est sans histoires
ca ruisselle de tafftas
c'est rempli de photos de toi
qui sommeillent devant la glace
tu as un boudoir plein de bouddhas
et moi moi moi je viens pour le gaz
君の家の居間は、仏像でいっぱい
ろうそくは、ろうそく立てで踊っている
いい匂いがする 特に面倒なこともなく
タフタの生地にあふれている
居間には、鏡の前でうとうとする
君の写真でいっぱい
君の家の居間は、仏像でいっぱい
そして僕は、僕は、僕は、「ガスの検針に来ました!」
tu as un vrai divan de roi
un vrai divan de diva
du porto que tu rapportas
de la Porte des Lilas
tu as un petit chien et un grand chat
un phono qui joue du jazz
tu as un vrai divan de roi
et moi moi moi je viens pour le gaz
君は、王様が座るソファを持っている
歌姫が座るソファだ
君が、リラの門から持ってきた
ポートワインもある
君は、小さな犬と、大きな猫を飼っている
ジャズのかかる蓄音機(レコードプレイヤー)もある
君は、王様が座るソファを持っている
そして僕は、僕は、僕は、「ガスの検針に来ました!!」
tu as des seins comme des soleils
comme des fruits comme des reposoirs
tu as des seins comme des miroirs
comme des fruits comme du miel
tu les recouvres tout devient noir
tu les decouvres et je deviens Pegase
tu as des seins comme des trottoirs
et moi moi moi moi je viens pour le gaz
君の胸は太陽のようだ
果実のようだ 休憩所のようだ
君の胸は鏡のようだ
果実のようだ はちみつのようだ
君が胸を覆い隠せば、すべては真っ暗になり
露わにすれば、僕はペガサスになる
君の胸は、(安心して歩ける)歩道のようだ
そして僕は、僕は、僕は、僕は、「ガスの検針に来ました!!!」
et puis chez toi y a le plombier
y a le bedeau et y a le facteur
le docteur qui fait le cafe
le notaire qui sert les liqueurs
y a la moitie d'un artilleur
y a un poete de Carpentras
y a quelques flics oui et puis la main de ma soeur
et tout ca est la pour le gaz
君の家には配管工も来る
聖堂番に郵便屋
コーヒーをいれる医者
リキュールを出す公証人までいる
半人前の砲兵も来る
カルパントラ(*地名)の詩人も
警官も何人か 「妹の手」も
それらはみんな「ガス」のため
allez-y donc tous rue de la Madone
c'est pas grand non mais y a de la place
allez-y donc tous rue de la Madone
et dites bien que c'est pour le gaz
みんな、マドンヌ通りに行けばいい
決して広くはない けれど場所はある
みんな、マドンヌ通りに行けばいい
そして、「ガスの検針です」と言えばいい
(daniel-b=フランス専門)










