今回の記事は、その「逝去」の報せを受け、書いた記事を「リブログ」して書いています(「元の記事」もぜひ、ご覧ください)。

 

こちらは、大変「貴重」な動画となります。

 

 

「ロックオペラ」(ミュージカル)の名作、「スターマニア」(1979年初演)は、1988年の「本格再演」に向けて、「大改訂(=「リメイク」)」が施されましたが、こちらは、そのメンバーが、揃って「テレビ出演」したときの映像のようです。

 

 

「アンダーグラウンド・カフェ」のウェイトレス、「マリー=ジャンヌ」の役は、「DVD」にもなっている、翌1989年の「パリ・マリニ劇場」公演でのレジャンヌ・ペリー(1959-2003)ではなく、交代する「前」のモラーヌ(1960-2018)ですから、「残っている動画」としては、本当に、「大変貴重」だと言えます。

 

 

(「1988年公演」は、「ライヴ録音」ながら、「ダイジェスト版」のCDしか発売されておらず、「公演の動画」も、どうやら、「残ってはいない」ようであります...)

 

 

 

この「リメイク版(1988-89年版)」では、「主人公」とも言い得る「マリー=ジャンヌ」の、その「テーマ曲」が、こちらの「la complainte de la serveuse automate "(自動)ウェイトレスの嘆き"」ですが、この映像は、2014年11月19日に開催された、イベントからのものだということです。

 

そしてこちらが、1988年「本公演」からの、「ライヴ録音」です。

 

 

「un garcon pas comme les autres "他の人とは違う彼"」は、その「彼」の名前をとって、「Ziggy(ジギィ)」というタイトルでも知られていますが、もちろん、その「ジギィ」にも「テーマ曲」があります(詳しくは、この曲についての記事をご参照ください)。

 

 

初演から「30周年」となる、「2009年」に発売された「リマスター盤」です。

 

モラーヌの出演する「1988年公演」は、現在のところ、残念ながら、「ダイジェスト版」のこの「CD」しかありません...。

 

 

 

「終盤」で歌われる曲、「les uns contres les autres " 人は身を寄せ合って"」ですが、こちらは、モラーヌ自身による「MV」となります。

 

 

 

そしてこちらは、翌1989年、「パリ・マリニ劇場」での、「本公演完全版映像」です(「1時間51分」)。

 

「DVD」はすでに「入手困難」であり、この動画は、「サディア」役を務められた、ドミニク・ウェンタ(ノルマンディー出身)自身の「ご厚意」によりアップされています(「サムネイル」の女性は、「ステラ・スポットライト」役のサブリナ・ローリー。「マリー=ジャンヌ」役は、レジャンヌ・ペリーに「交代」してからの収録です)。

 

 

こちらのDVDに、上掲の、モラーヌによる「les uns contre les autres "人は身を寄せ合って"」の「MV」も、あわせて収録されています。

 

 

 

「スターマニア」がテーマのこれまでの記事(「歌詞」など、各曲の「詳細」については、こちらをご参照ください)

 

 

「スターマニア 2022」公式サイト(フランス語)  *現在「上演中」です!!

 

 

 

はじめに、5日、石川県珠洲市(「能登半島」)を中心に、「昼」には「震度6強」、「夜」にも「震度5強」を観測したこの「大地震」に際し、「被害」に遭われたみなさまには、謹んでお見舞いを申し上げます。

 

最近、「石川県能登地方」で、「強い地震」が「頻発」していることに、大変「不安」を感じます。

 

世の中に、少しずつ「明るい兆し」が見え始めて来たのに、もうこれ以上の「災害」は、ホントに「ゴメン」です...。

 

 

今回の地震でも、やはり亡くなられた方がいらっしゃいました。

 

 

この場をお借りいたしまして、謹んで、ご冥福をお祈りしたいと思います。

 

 

 

合掌...。

 

 

 

...さて...

 

 

5年前、「2018年」は、本当に、私の知っている「大スター」の「訃報」が相次いだ年でもありました...(フランス・ギャル、そして、シャルル・アズナヴールなどなど...)。

 

 

しかし、このモラーヌは、その中ではまだまだ「若く」、本当に、「寝耳に水」というくらいの「急逝」であり、やはり、大変「驚いた」ものです...。

 

 

 

その「訃報」は、ユトリロさんからもたらされ(私も「コメント」しています)、これを受けて、私も「追悼記事」を書きました...。

 

 

「ユトリロさん」の記事(こちらを「リブログ」したものが、今回の記事の「元の記事」となっています)。

 

 

 

その「訃報」を伝える、「当時」のニュースです(フランス「TF1」)。

 

こちらは「France 2」。

 

 

フランスの高級紙、「ル・モンド(Le Monde)」も、その「5つの代表曲」を採り上げ、モラーヌを「追悼」しました。

 

 

 

モラーヌは、1960年11月12日、ベルギーの首都ブリュッセルの南の郊外、イクセルに生まれました。

 

 

父は「作曲家」、母は「ピアノの教師」と、まさに「音楽一家」でしたが、彼女を一躍有名にしたのは、やはり、ロックオペラ(ミュージカル)「スターマニア」(1979年初演)でしょう。

 

 

その「スターマニア」は、1988年の「本格再演」に向けて、「大改訂(=「リメイク」)」が施されましたが、その際、「作曲者」であるミシェル・ベルジェ(1947-92)自身が、今回のバージョンの「主人公」とも言える「マリー=ジャンヌ」役に、このモラーヌを選んだのでした...。

 

 

残念ながら、当時は「多忙」(スケジュールの都合)のため、「途中交代」せざるを得ませんでしたけれども、その「雰囲気のある、温かく深い声」は、大変「印象」に残ることとなりました。

 

 

 

一方、モラーヌは、「同郷の大先輩」(「親の世代」)でもある、「巨匠」ジャック・ブレル(1929-78)を「敬愛」しており、「15年も、20年も夢に見て来たことです...」と、その「カバーアルバム」を作るプロジェクトが、「進行中」であることを話してもいました。

 

 

それが、「2018年3月」のことです...。

 

 

亡くなる「前日」(2018年5月6日)にもステージに立ち、ブレルの曲を歌ったモラーヌ(後述)...。

 

 

本当に「急逝」だったため、その「カバーアルバム」は「未完成」に終わり、「あわやお蔵入り」という状況でもあったようですが、

 

 

「この最後の録音(遺言)は、絶対に出されるべきだ」

 

 

と、「実娘」が熱心に働きかけたことにより、発売が「実現」しました。

 

 

 

そのアルバムの中から、「une ile "孤島"」(1962)、「la ville s'endormait "眠れる街"」(1977)の「2曲」をどうぞ...。

 

 

 

「une ile "孤島"」。

 

 

「オリジナル」であるブレル自身の歌唱(レコード)でも、もはや「忘れ去られている」のではないかと思われるくらい、「レア」な曲であるとも言えますが、この曲の「価値」を認め、「採り上げている」ところがまさに、「敬愛している(「熱狂的な大ファン」である)証」ではないかと思いますね。

 

 

 

「la ville s'endormait "眠れる街"」。

 

 

この曲で歌われているのは、「女嫌い」とも言われたブレルの、その「女性観」の「終着点」と言えるもので、本来、「女性」が歌うような曲ではありません...(ですから、私も、「記事」にすることを、少し「ためらっている」ところがあります...)。

 

しかし、モラーヌは、あえてこの曲に挑みました(さすがに、「当該の箇所」は、モラーヌ自身は「カット」して歌っています...)。

 

それだけ、この曲には、「美しさ」と「深さ」があるのだと、私もそう思います。

 

内容は極めて「哲学的」で、その中で、「女性」に対する「結論」(決して、「女性差別」の歌ではありません)も「語られている」のです...。

 

 

 

こちらは、ベルギーのテレビ出演の映像で、「2003年」のものと思われます(「ブレル没後25周年記念コンサート」とあります)。

 

曲は「voir un ami pleurer "泣く友を見る(涙)"」(1977)ですが、大変「深い」歌唱だと、私は思います。

 

 

「有名」なレパートリーのひとつ、「la chason des vieux amants "懐かしき恋人たちの歌"」(1967)。

 

彼女は、オランピア劇場への出演に際しても、この曲をプログラムに入れていたほど、「思い入れ」が強かったようです...。

 

1993年、その、オランピア劇場での「ライヴ録音」です。

 

 

そしてこちらが、亡くなる前日(2018年5月6日)、やはりブリュッセル出身の女性歌手、ティフ・バロウ(1987-)とのデュエットで、「la chanson des vieux amants "懐かしき恋人の歌"」を歌った映像です。

 

 

このライヴ自体も、2016年の「声帯の手術」の後、ようやく「復帰」してからのものだということだったのですが...。

 

 

 

 

このCD(遺作)についての記事(「全曲紹介」しています)

 

「ジャック・ブレル」がテーマの記事一覧

 

 

 

「ステージ」に立った「翌日」に、「自宅」で亡くなっているのが「発見」されたという、あの「衝撃」のニュースから早や「5年」...。

 

 

(彼女の当時の自宅は、敬愛するブレルの「出生の地」と同じ、ブリュッセルの「スカールベーク地区」にありました...)

 

 

当初は、「心臓発作らしい」とも言われていましたが、最終的には、「事故死(「浴室での転倒」)」だったという「報告」がなされたようです。

 

 

「深い」、「アルト」の落ち着いた声で、「ビロードの声」とも称えられたモラーヌ...。

 

 

その「声」と「名」は、「永遠」に、人々の記憶に、「残り続ける」ことでしょう...。

 

 

 

最後に、「スターマニア」の「終曲」、「le monde est stone "世界は石になってしまった"」。

 

あらためて、この曲で「お別れ」いたしましょう...。

 

 

 

モラーヌ(1960.11.12-2018.5.7)

 

 

 

(今回の記事は、複数の記事を「再構成」し、まとめたものです。

 

そのため、「テーマ」は、今回は「スターマニア」で「代表」させていますので、「記事検索」の際にはご注意ください)

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

それではまた...。

 

 

(daniel-b=フランス専門)