今回の記事は、「シャンソン・コラムニスト」、ジャンマリ・ヴェさんの記事を「リブログ」して書いています。

 

「8月24日」はレオ・フェレ(1916-93)の「誕生日」。また、「9月23日」は、ジュリエット・グレコ(1927-2020)の「命日」でもあるので、実に「ナイス」なタイミングです...(笑)。

 

こちらは「オリジナル録音」です(1960年11月録音、同年12月発売)。

なお、「編曲/オケ」を担当しているのは、あのポール・モーリア(1925-2006)だということです。

 

正確な年月日までは分かりませんが、「テレビ出演」にて歌っている映像です。

 

 

「最新」の大全集(「バークレー」録音)は、「3分割」されての発売の様ですが、今回の曲、「jolie mome "ジョリ・モーム"」(1960)は、こちらのセットに収められています。

 

 

 

 

この曲、「jolie mome "ジョリ・モーム"」は、むしろ、ジュリエット・グレコ(1927-2020)の「主要レパートリー」として良く知られています。

 

その歌唱の「悩ましさ」は、まさにグレコの「得意」とするところで、確実に、「印象に残る」と言うことが出来ると思います。

 

こちらは、グレコの「オリジナル録音」です(1961)。

なお、グレコの「初来日」も、この1961年のことでした...。

 

 

 

 

もちろん、「一番の盟友」であった、カトリーヌ・ソヴァージュ(1929-98)も、同じ1961年に、この曲を採り上げてはいますが...。

 

やはり、「(この曲の)大衆的な人気」としては、グレコの方が、はるかに「上回っていた」という感じはいたします...(あくまでも、「私見」ではありますが...)。

 

(参考)こちらの動画も「再掲」しておきましょう...。

 

 

 

(参考)「Paris canaille "パリ・カナイユ(パリ野郎)"」についての記事

 

(参考)カトリーヌ・ソヴァージュについての記事

 

 

「レオ・フェレ」がテーマの、「これまでの記事」

 

「ジュリエット・グレコ」がテーマの、「これまでの記事」

 

 

 

さて...。

 

 

 

「命日」であった「7月14日」(この日は、フランスの「革命記念日」でもあります)に引き続いて、「8月24日」が「誕生日」という、フランスシャンソン界の「3大巨匠」のひとり、レオ・フェレ(1916-93)...。

 

 

昨年は「生誕105周年」でしたが、来年にはまた、「没後30周年」という、「記念の年」に当たります。

 

 

 

今回紹介するこの曲、「jolie mome "ジョリ・モーム"」(1960)(このタイトルは、「美しい小娘」といった意味。「娼婦」をテーマに歌った曲です)は、そうしたレオ・フェレの、「大衆的人気」を「確立」した作品として「特筆」されるものですが、その「内容」から、これまでは、書くことを「ためらっていた」ところも少なからずあります。

 

 

しかしながら、「古典的シャンソン」として、「女性の方」も含めて、その「認知度」が高まっていることから、思い切って、「正式に紹介」することに決めました。

 

 

また、今回記事の「直前」に、まさに「ナイス」なタイミングで、「シャンソン・コラムニスト」でもある、ジャンマリ・ヴェさんの記事(8月20日付け)も出ましたので(この記事は、その「リブログ」とさせていただいております)、それも「参考」に書いてみたいと思います。

 

 

ジャンマリ・ヴェさんの公式サイト(「アメブロ」へは、こちらからも行くことが出来ます)

 

 

 

1960年、当時、「上昇気流」に乗っていた「バークレー社」と契約したレオ・フェレは、「社長」であるエディー・バークレー(1921-2005)の求めに応じて、温め続けていた、ルイ・アラゴン(1897-1982)の詩によるアルバムではなく、より「商業的成功」の見込める、「キャッチー」な自作曲によるアルバムを発表することにしたということです。

 

 

「jolie mome "ジョリ・モーム"」もその中の1曲で、かつての「Paris canaille "パリ・カナイユ(パリ野郎)"」(1953)同様の、「軽快なリズム」で歌われたこの曲は、大いに一般大衆の心を引き寄せ、たちまち「大人気」となりました。

 

事実、この曲は、当時の「ヒットパレード」をにぎわせ、レオ・フェレとしても、「最初の大ヒット曲」となり、一躍、その名を知られることにもなったわけです。

 

 

そんな折(「正確な時期(時系列)」までは、ちょっとよく分かりませんが...)、レオ・フェレが、ジュリエット・グレコ(1927-2020)を自宅に招いて、歌って聴かせた曲が、この「jolie mome "ジョリ・モーム"」だったのであり、以降、この曲は、グレコにとっても、大変「重要」なレパートリーのひとつとなりました。

 

 

グレコは、戦後すぐのサンジェルマン・デ・プレで、サルトル(1905-80)や、ボーヴォワール(1908-86)といった多くの「知識人」と出会い、「実存主義の申し子」とも言える存在でした。

 

 

当時、「鼻っ柱が強い」とも言われるくらい、「先進的」で、「自立した女性」の「代表」でもあったグレコですから、このレオ・フェレからの「オファー」に、正直「疑問」を感じたとしても、何ら不思議なことではありません。

 

 

しかし、「成り行きで歌う」ことにはなったとしても、さすがに「賢明」なグレコのことですから、「価値のない曲」を歌うことはまずあり得ません。

 

 

こうして、この曲、「jolie mome "ジョリ・モーム"」は、グレコにとっても、「代表作のひとつ」となったのです...。

 

 

 

それでは、この「快進撃」となった、1960年のレオ・フェレのアルバムから、その他の「代表曲」を。

 

 

 

「Paname "パナム"」(現在では、このアルバムの「通称」ともなっています)。

 

「パナム」とは、知る人ぞ知る「パリ」の「俗称(愛称)」で、語源については「諸説」あるようですが、「巨大な街」を意味する古い隠語に由来し、19世紀後半から使われて来た「Pantruche」という言葉に代わって、第一次世界大戦中から使われているということです。

 

 

長年の友人でもあった、ジャン=ロジェ・コシモン(1918-85)が詞を書き、フェレ自身が曲を書いた名作、「comme a Ostende "オスタンド(で)のように"」。

 

実はこの曲、「レオ・フェレ」がテーマの記事の「第1回目」でもあったのですが、現在では、その映像がすべて「消去」されてしまっているため(大変「貴重」な動画だったのに...)、ここに、あらためて、その「公式音源」を載せておくことにしましょう。

 

この曲の記事(「歌詞対訳」を載せています)

 

 

 

続いて、「恋愛」がテーマとなっている「名曲」を...。

 

 

何かと「過激な発言」の多いレオ・フェレですが、このような曲も書いています。

 

「on s'aimera "愛する時"」(1966)。

 

 

当初は「愛する技術」というタイトルだったようですが、レコード化される際に「変更」となり、内容にも手が加えられたということです。

 

なお、原詞は、1962年以前に書かれたと見られるそうです。

 

 

 

こちらはまた、「悩ましい」内容の曲...。

 

「c'est extra "セ・テクストラ(最高だ)"」(1969)は、ムーディ・ブルースの「Nights In White Satin "サテンの夜"」(1967)に影響を受けている作品です(映像は、1969年9月9日のテレビ番組から)。

 

前回にも紹介している、「次作」の傑作アルバム、「Amour Anarcie "アムール・アナルシー(アナーキーな愛)"」(1970)にもつながる「ロックサウンド」が、当時のレオ・フェレを「象徴」しています。

 

こちらが、そのムーディ・ブルースの曲、「Nights In White Satin "サテンの夜"」(1967)ですが、近年のライヴからの「公式映像」だということです。

 

 

 

それでは以下に、「jolie mome "ジョリ・モーム"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。

 

 

「Paris canaille "パリ・カナイユ(パリ野郎)"」(1953)同様、「俗語だらけの歌詞」は、読み解くにも、いささか「苦労」もともないます。

 

また、「いくつかの意味」にも取れる語句も多く、それがこの詞の「醍醐味」とも呼べるところなのですが、そうしたわけで、この詞の「翻訳」は、レコードによっても「バラバラ」で、私のものも、なかなか「達意の訳」にはなっていないかも知れません。

 

そして、「時代が時代」なだけに、「当時の風潮」を「そのまま」表したような表現も多々見られるとは思いますが、そのあたりは、「歴史的/文学的価値」を「優先」していますので、何とぞ、ご了承、よろしくお願いいたします(可能な限り、「マイルドな表現」にはしてあるつもりですが...)。

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

 

それではまた...。

 

 

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jolie mome  ジョリ・モーム

 

t'es tout' nue sous ton pull

y'a la rue qu'est maboul'

jolie mome

 

セーターの下 あんたはまるはだか

そこには、気が狂ったような、そんな通りがある

ジョリ・モーム

 

t'as ton coeur a ton cou

et l'bonheur par en d'ssous

jolie mome

 

あんたの心はどこかへいっちゃって

幸せは、下の方を素通りしちゃってる

ジョリ・モーム

 

t'as l'rimmel qui fout l'camp

c'est l'degel des amants

jolie mome

 

あんたのマスカラは剥げてしまって

まるで雪解けした恋人たちのよう

ジョリ・モーム

 

ta prairie ca sent bon

fais-en don aux amis

jolie mome

 

あんたの草原は、何だかいい香り

友だちに贈ってあげなよ

ジョリ・モーム

 

t'es qu'une fleur de printemps

qui s'fout d'l'heur' et du temps

t'es qu'une rose eclatee

que l'on pose a cote

jolie mome

 

あんたは春の花

時間も天気もおかまいなし

パッと散って

脇に片付けられるバラの花

ジョリ・モーム

 

t'es qu'un brin de soleil

dans l'chagrin du reveil

t'es qu'un' vamp qu'on eteint

comm' un ' lamp'

au matin 

jolie mome

 

あんたは、目覚めの悲しみの中の

ちょっとした陽の光

あんたは妖婦

朝が来れば

ランプのように

消灯される

ジョリ・モーム

 

tes baisers sont pointus

comme un accent aigu

jolie mome

 

あんたのキスはとんがっていて

まるで「アクサン・テギュ」(鋭い「エ」を発音させるための記号)のよう

ジョリ・モーム

 

tes p'tits seins sont du jour

a la coque a l'amour

jolie mome

 

あんたの愛らしい胸は、とてもイマドキで(日中には)

愛のからをかぶっている

ジョリ・モーム

 

ta barrier' de frou-frou

faut s'la faire mais c'est doux

jolie mome

 

(スカートの)衣ずれする音でガードしていても

やっぱりそそられてしまうね

ジョリ・モーム

 

ta violette est l'violon

qu'on violente et c'est bon

jolie mome

 

無理に迫れば、待っているのは留置場

それでもいいよ

ジョリ・モーム

 

t'es qu'un' fleur de pass'-temps

qui s'fout d'l'heur' et du temps

t'es qu'un' etoil' d'amour

qu'on entoile aux beaux jours

jolie mome

 

あんたは、ヒマつぶしの花

時間も天気もおかまいなし

幸せな日々には、布で覆い隠されてしまう

愛の星

ジョリ・モーム

 

t'es qu'un point sur les "i"

du chagrin de la vie

t'es qu'un' chose de la vie

qu'on arros' qu'on oublie

jolie mome

 

あんたは、「愛の悲しみ(chagrin de la vie)」

の「i」の上についている「点」

あんたは人生のひとコマ

水をかけられ、忘れられてしまうもの

ジョリ・モーム

 

t'as qu'un' pair' de mirett's

au poker des conquet's

jolie mome

 

あんたは、恋愛ゲームのポーカーで

「ワンペア」しか持っていない

ジョリ・モーム

 

t'as qu'un' rime au bonheur

faut qu'ca rime ou qu'ca pleure

jolie mome

 

あんたが韻を踏むのは「幸せ」に対してだけ

韻はちゃんと踏むべき でなければ、泣くことになる

ジョリ・モーム

 

t'as qu'un' source au milieu

qu'eclabouss' du "Bon Dieu"

jolie mome

 

あんたの中心には泉があり

神の恵みを振りまいている

ジョリ・モーム

 

t'as qu'un' porte en voil' blanc

que l'on pousse en chantant

jolie mome

 

あんたの扉は、白いヴェールに包まれていて

人は、歌いながらそこへ入って来る

ジョリ・モーム

 

t'es qu'un' pauv' petit' fleur

qu'on guimauv' et qui meurt

t'es qu'un' femme a r'passer

quand son ame et froissee

jolie mome

 

あんたは、かわいそうな小さな花

甘やかされたあと、散りゆくだけ

あんたは、心がしわくちゃになった(傷つけられた)としても

アイロンをかければすぐに元どおり

ジョリ・モーム

 

t'es qu'un' feuill' de l'automne

qu'on effeuill' monoton'

t'es qu'un' joie en allee

viens chez moi(lui) la r'trouver

jolie mome

 

あんたは、秋の木の葉

散らされるだけでしかない

あんたは、道ばたに転がっている喜び

うちにおいでよ その喜びをまた見つけに

ジョリ・モーム

 

t'es tout' nue sous ton pull

y'a la rue qu'est maboul'

(t'es tout' nue sous ton pull

y'a la rue qu'est maboul')

jolie mome...

 

セーターの下 あんたはまるはだか

そこには、気が狂ったような、そんな通りがある

(セーターの下 あんたはまるはだか

そこには、気が狂ったような、そんな通りがある)

ジョリ・モーム...

 

(daniel-b=フランス専門)