こちらは「オリジナル録音」(1963年4月2日録音)。
この前年、1962年11月22日にも、録音された音源があるようですが、実質「没バージョン」(「非公開音源」)で、その後、現在に至るまで、「公開」はされていないようです。
この作品の「ライヴ音源」はいまだ確認されておらず、この「スタジオ録音」の「1種」のみとなります。
タイトルは「la Parlote」が「公式」のものですが、この言葉は、「la Parlotte」と書いても、「間違い」ではありません(辞書にもそう書かれています)。
この曲は、こちらに収録されています(「オリジナル盤」)。
こちらは、最新の「大全集」です。
以下は、「過去」の「大全集」(現在では、「コレクターズ・アイテム」です)。
こちらは「文庫版」。
こちらは、「全歌詞集」です(書籍)。
「公式サイト」(「統一」されました)。
「ブレル財団」も、今年で「創立40周年」となります。
これまでの記事
さて、実は先月、私にとって、本当に「嬉しい」出来事がありました。
それは、長年探し求めていた「レコード(アナログ盤)」がついに手に入り、そのシリーズの「コンプリート」が「叶った」というお話です。
1979年、つまり、ジャック・ブレル(1929-78)が、「1978年10月9日」に亡くなったことを受けて、日本の「キングレコード社」より発売された「全8枚」のシリーズ(GP-662~GP-669)ですが、その「トップナンバー」である「行かないで」(GP-662)を、「最初」に「地元」で手に入れた以外は、すべて、その後、東京・神田神保町にある専門店、「富士レコード社」(神田古書センター9F)にて、「1枚」ずつ、長年かけて、地道に「見つけて」来たものでした...。
「富士レコード社」公式サイト
それが、昨年からの「新型コロナウイルス禍」の影響により、「上京」する目途も、依然「立たない」ことであることから、ついに、「ネット」を頼ることにしたのです。
これまでは、「自分の足で探しに行く」をモットーとして来ましたから、「早道」とは分かってはいても、なかなか「踏み出せず」にいましたが、ついに、「決断した」というわけです。
これまで、なかなか見つからずにいたレコード...
まさに、「最後の2枚」でした...。
「ボンボン les bonbons」(GP-664)
「アムステルダム Amsterdam」(GP-666)
「何を今さら...」と思うかも知れませんが、「アナログ盤」のジャケット写真は、現在では「使われていない」ものがほとんどで(現在でも使われているものは、「全8枚」中、たったの「2枚」です)、「日本語」による「解説」も、それぞれに、「違う方」が書いていらっしゃるのです。
(追記:「解説者」 「GP-662」、「GP-668」が蒲田耕二先生、「GP-663」が河原晶子先生、「GP-664」、「GP-667」が永田文夫先生、「GP-665」が阿井淳之先生、「GP-666」が蘆原英了先生、「GP-669」が永瀧達治先生でした)
このシリーズを「まとめた」もので、「5枚組」の「大全集」(GXF-70~74)も、何年か前に「決断」の上、「購入」しましたが(「富士レコード社」店頭にて)、こちらは、「全60曲」(遺作アルバムの曲も含む)の収録で、「全曲揃わない」ことは、すでに分かってもいました...(それでも、「価値」は、十二分に「あった」と思います)。
これまでにも書いてはいますが、フランス語を「独学」で進めて来た私にとっては、やはり、いくつもの「大きな壁」というのももちろんありました。
「小学6年生」の時(1982年)にブレルを知った私でしたが、当時は、これらの「日本盤レコード」はほぼ「廃盤」で、この時期に、新たに出された「ベスト盤」ももちろんありましたが、その後、「フランスの歌手のレコード」自体を店頭で見ることがなくなり、「どうしても欲しい」のであれば、やはり、「東京」を頼らざるを得ませんでした。
しかし、最初の頃は、やはり「(「中古」の)フランス盤のみ」ということになり、それも、「歌詞カード」なるものは、昔は、たとえ「新品」であっても、「輸入盤」の場合、「入っていないのが普通」だったのです!!
これは、本当に「大きなハンデ」でした。
いくら「理解したい」と努めても、「どんな仕組みで文が成り立っているのか」が、中学生の当時には、「自分で理解」が出来るはずもなく、レコードを聴きながら、何とか、「文字」に直そうとするのですが、本当に、「分からないことだらけ」で、何度も「くじけそう」になりました。
その後、「新星堂」さんのおかげもあって、「日本語解説・歌詞対訳付き」のCDも「発売」されることになりましたが、その時点では、新しく手に入った「曲」や、「日本語訳」は、「ほんのわずか」だったと思います。
こちらのCDですね(1987年12月25日発売)。
また、「没後10周年」(1988年)を記念して、フランスで「10枚組の大全集CDがバカ売れ!!」という話題を、当時聞いてもいましたが、私が実際に手にすることが出来たのは、それから「3年後」のことでした。
これがそうですね。「旧全集」の最初の1枚です。
何はともあれ、これで、「主要な曲」や、「フランス語」の「原詞」だけは、ここで、(ほぼ)すべて「揃う」ことにはなったのです...。
しかし、「原詞」が「揃った」とは言え、当時の「語学力」では、まだまだ「理解」には「ほど遠い」ところもありました。
それでも、とにかく、「自分で訳してみる」ことが「肝心」で、そうすることによって、次第に、「少しずつ」ではありますが、「分かる」ようにはなっていったのです...。
今回の曲、「la Parlot(t)e」(1962-63)は、かつては、「お喋り女」という邦題が付けられていたので、実は、翻訳にとても「苦労」した1曲でもあります。
このレコード「ボンボン」(GP-664)の「解説」を書かれているのは永田文夫先生ですが、現在の「ネット時代」に書いたのかと思うくらい、「情報」としては「正確」でした。
こうした、「当時の情報」や、「かつてはどう訳されていたのか」を知ることは、意外と「重要」だとも思います。
そうしたこともあって、この「日本盤」を「集め続けていた」のですが、本当に、「悲願」でもあった「コンプリート」が叶って、「これ以上」のことは「ない」と思いますね。
永田先生も「曲目解説」で書かれているように、この「la Parlot(t)e」というのは、単に「おしゃべり」のことを指す言葉です。
最後が「e」で終わっていることから、「女性名詞」ではありますが、「おしゃべりな女」という意味はありません。
「おしゃべり女」というニュアンスで使う場合、「正確な語」は、他にもいろいろあるかと思いますが、「辞書」で、「近く」に載っている言葉では、「parleuse(「parleur」の「女性形」)」というものがあり、これだと、「女弁舌家」といったニュアンスのようです。
今回の「日本盤入手」で分かったことは、「最初から最後まで」登場する「elle(普通の意味は、「彼女は」という「主語」)」が、「人(女性)」を表すものでは「なかった」ということです。
これまでは、ずっと、「お喋り女」という「邦題」に惑わされ続けていたのですが、この「elle」は、「女性名詞」である、「la Parlot(t)e(おしゃべり)」のことを指しているのであり、あらゆるものごとに引っ掛けて、「それがおしゃべりというものだ」と「論じている」というわけだったのです。
そう考えると、すぐに、内容が「見えて」も来ましたね。
今回の訳詞は、もちろん、自分でも、細部を「確認」しながら書き出したものですが、この「アナログ盤」に掲載の訳詞が、あまりにも「面白かった」ので、それは、そのまま生かして書いてみました。
「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
というものがまさに「それ」なのですが(笑)、「普通」だったら、いくら何でも、「こんな書き方」はしませんよね。
特にブレルは、日本では「大マジメ」のようにも受け止められているわけですから...。
このような、「面白い歌」でありながら、実は、「ライヴで歌った」という記録がまったく見つからず、「スタジオ録音」の音源のみ、ということで、「半ば忘れられている(?)」といった印象もある曲です。
曲自体は、「伴奏ピアニスト」でもある、ジェラール・ジュアネスト(1933-2018)(「5月16日」が「命日」です)との「共作」で、実ににぎやかな「ファンファーレ」で始まる、それこそ、「印象的」な曲ですが、現在では、この「オリジナル盤(アルバム「les bonbons」)」と、それが収録されている、「全集盤」を持っている方ぐらいしか、耳にする機会は「ない」と思います。
そうした「貴重さ」と、やはり、この曲自体の持つ「面白さ(ユーモラスさ)」をとって、今回は、この曲を「紹介」することに決めました。
「連休明けの憂鬱」も、きっと、この曲で「吹き飛ぶ」ことでしょう!!
以下に、その歌詞を載せておくことにいたします。
歌詞中にある「Pompadour(ポンパドゥール)」とは、フランス王「ルイ15世」(1710-74)の愛した女性の名前であり(公妾。「ポンパドゥール夫人(1721-64)」)、その、「草花をあしらったロココ様式」のことを指しますが、転じて、「時代遅れ」の意味で使われています。
(追記)ちなみに、「5月7日」は、ブレルと「同郷」である女性歌手、モラーヌ(1960-2018)の「命日」でもあります。
「前日」には「ステージ」で歌ってもいて、本当に「急逝」だったのですが、その時、モラーヌが歌っていたのが、やはり「ブレル」の曲でした...。
こちらが、その映像...。
同じく、ブリュッセル出身の女性歌手、ティフ・バロウ(1987-)とのデュエットで、「la chanson des vieux amants "懐かしき恋人の歌"」(1967)を歌ったものです。
(関連記事)モラーヌの「最後の録音」が、「ブレルの作品集」でした...。
それではまた...。
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la Parlot(t)e おしゃべり
c'est elle qui remplit les squares
les promenades, les salons du the
c'est elle qui raconte l'histoire
quand elle ne l'a pas inventee
c'est la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
c'est elle qui sort toutes les nuits
et ne s'apaise qu'au petit jour
pour s'eveiller apres l'amour
entre deux amants eblouis
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
c'est la qu'on dit qu'on a dit oui
c'est la qu'on dit qu'on a dit non
c'est le support de l'assurance
et le premier aperitif de France
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
それは、広場にも
遊歩道にも、喫茶店にも満ちているもので
デタラメでさえなければ
その「物語」(「歴史」)を伝えるもの
それが、「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
それは、毎晩出かけて
明け方にならないと落ち着かないもの
それは、浮かれ気分の(すっかり目が眩んだ/「盲目」の)恋人二人を
恋の後に目覚めさせるためのもの
「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~べ~リ」
それは、「ウイ」と言っただの
「ノン」と言っただのという時の
「保険のサポート」でもあって
フランスでは、「最高」のアペリティフ(食前酒)
それが、「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
marchant sur la pointe des levres
moitie fakir et moitie vandale
d'un faussaire elle fait un orfevre
d'un fifrelin elle fait un scandale
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
c'est elle qui attire la candeur
dans les filets d'une promenade
mais c'est par elle que l'amour en fleur
souvent se meurt dans les salades
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
par elle j'ai change le monde
j'ai meme fait battre tambour
pour charger une Pompadour
pas meme belle, pas meme blonde
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
くちびるの先を渡り歩きながら
半分「予言者」で、半分「破壊者」
偽作家によって、それは、宝飾職人をも作り出し
「小銭」によって、スキャンダルをも生み出す
それが、「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
それは、散歩中の「罠」に
純情さを引き込むもの
それによってしばしば
花咲く恋も、「サラダ」の中で朽ち果てる
「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
それによって、私は世の中を変えた
「時代遅れ」を追い払うために
私は、太鼓を叩かせもした
それは美しくもなく、また、ブロンドでもないけれど...
それが、「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
c'est au bistrot qu'elle rend ses sentences
et nous rassure en nous assurant
que ceux qu'on aime n'ont pas eu de chance
que ceux qu'on aime pas en ont tellement
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
si c'est elle qui seche les yeux
et si c'est elle qui seche les pleurs
c'est elle qui desseche les vieux
c'est elle qui desseche les coeurs
gna gna gna gna gna gna
gna gna gna gna gna gna...
c'est elle qui vraiment s'installe
quand on n'a plus rien a se dire
c'est l'epitaphe c'est la pierre tombale
des amours qu'on a laisses mourir
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
la Parlo-o-te, la Parlo-o-te
それは、ビストロで私たちに判決を下す
そして、私たちを安心させるのだ
それは、「好きな者」には運が悪く
「嫌いな者」には、大変運が良いというもの
それが、「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
もしそれが、目を乾かせ
涙をも乾かすのなら
お年寄りをやつれさせるのもまたそれで
心をカサカサにしてしまうのもまたそれ
ニャニャニャニャニャニャ
ニャニャニャニャニャニャ...
本当に、そこに居座るのがそれだ
もう、何も言い合うことがない時に
それは、「墓碑銘」、「墓石」だ
私たちが見殺しにしてしまった恋の...
それが、「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
「オ~シャ~ベ~リ」、「オ~シャ~ベ~リ」
(daniel-b=フランス専門)
