8.「couleurs d'automne "秋の色"」

 

この曲は、先に、「作曲/コーラス」として参加している、パトリック・ジュヴェ(1950-)のアルバム、「chrysalide "さなぎ"」(1974)に、ダニエル自身の歌唱にて収められましたが、こちらのバージョンは、「前奏付き」となっています。

9.「l'enfant aux yeux d'Italie "イタリアの瞳を持つ子ども"」

10(最終曲).「Mona Lisa suite "モナリザ組曲"」

https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10095491551.html(これまでの記事)

https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10095603016.html(ロックオペラ「スターマニア」の記事)

 

さて、「2月5日」は、ダニエル・バラボワーヌ(1952-86)の「誕生日」でした(「命日」である「1月14日」からは約「3週間」です)。「夭逝」した彼の姿は、当然、「永遠に若いまま」ではありますが、仮に「生きていた」とすれば、今年で「68歳」ということになります。

 

これまで、「命日」、「誕生日」には、ダニエルにとって、「大変重要な作品」を採り上げて来ましたが、今年の「誕生日」は、久々に、「アルバム全曲紹介」としてみました。

 

これまで、まったく採り上げることのなかった、ダニエルの「ソロ名義」としては「初」となったフルアルバム、「de vous a elle en passant par moi "あなたから彼女へと..."」(1975)。

 

その全10曲を、「全3回」で紹介しています。

 

今回は「その3」。ついに「最終回」となります。

 

「前回までの記事」はこちら...。

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12572469211.html(記事「その1」)

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12573093919.html(記事「その2」)

 

 

それでは始めましょう...。

 

 

1973年9月、ダニエルとその兄、ギイ(Guy, 1946-)は、フロランス・アブルケール(1934-2002)という女性に出会います。

 

後に「小説家」としても名を上げているフロランスですが、当時は、歌手パトリック・ジュヴェ(1950-)を見出し、その「マネージャー」を務めていました。

 

フロランスによれば、当時、12月のパトリックのオランピア劇場公演に向け、「レコード化」した際にも、より「映える」ミュージシャン、コーラスと契約することにしたと言います。

 

当時、平均して「高い声」であったダニエルは、まさしく「探し求めていた人材」であり、「コーラス」として、また、新作アルバム「chrysalide "さなぎ"」(1974)での「作家」の1人としても迎え入れられることになりました(その後、6月から7月にかけての「ツアー」にも同行することになったようです)。

 

 

パトリック・ジュヴェのアルバム「chrysalide "さなぎ"」(1974)から、ダニエルが曲を書いた作品(「詞」としている文献も多いです)、「Hopman "ホップマン"」。

 

バックのコーラスも、明らかに「ダニエル」であることが分かります。

 

パトリック・ジュヴェは、このアルバムで、当時「無名」だった若いアーティストを積極的に起用しています。

 

ダニエルは、この現場で、後に自身の「サウンド(レコーディング)・エンジニア」を務め、終生離れることのない「親友」でもあった、イギリス出身のアンディ・スコット(1949-)とも出会うことになりました。

 

 

1978年の大ヒットアルバム(「出世作」)、「le chanteur "歌手"」に収められた曲「oiseau de nuit "夜の鳥"」は、このアンディ・スコットに捧げられた作品です。

 

とても「印象的」なメロディで、「名曲」です!!

 

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この後、ダニエルは、さらに「運命の出会い」を果たすことになります!!

 

フロランス・アブルケールはある日、パトリック・ジュヴェの新作レコード「chrysalide "さなぎ"」を持って、バークレー社の「副社長」、レオ・ミスィール(1925-2009)のもとを訪れました。

 

レコードを聴きながら、レオは、「3曲目」である「couleurs d'automne "秋の色"」がパトリックの声ではないことを「疑問」に思い、フロランスに「質問」しました。

 

「気に入った?」(フロランス)

 

レオは、「とても素晴らしい」と答え、その「声」と「作品」に「惹かれた」とも言いました。

 

「会ってみる?」

 

...こうして、ダニエルは、直々に、「大手レコード会社の副社長」のもとへ連れて来られることになったわけです...。

 

 

レオから見たダニエルの「印象」は、最初は「それほど」でもなかったようです...。

 

ダニエルはこう言いました。

 

「僕はあなたと仕事がしたい。でも、いくつか"条件"があります。

僕は、1年に1枚のアルバムを作りたい。

しかし、"完全な自由"もほしい。

それは、"曲を選ぶ自由"、"ミュージシャンを選ぶ自由"、そして、"録音スタジオの自由"です」

 

こう話すダニエルに、レオはためらうことなく「OK」を出し、さっそく「次週」からレコーディングを開始出来ることを伝え、自分は「スーパーバイザー」として「見守る」ことを約束しました。

 

...これが、「神話の始まり」です。

 

ダニエルは、社長のエディ・バークレー(1921-2005)からは「冷遇」され(「印象」が、相当「悪かった」ようです...)、後に、「リストラの対象」にも挙げられていましたが、レオはダニエルを「守り切り」ました。これが、1978年の大ヒット(ミリオン!!)、「le chanteur "歌手"」にまでつながったのです。

 

「le chanteur "歌手"」(1978)。

こちらは、1984年、ディジョンでのライヴの模様です。

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12312230421.html?frm=theme(この曲についての記事)

 

その「協力関係」は、1986年の、あのダニエルの「悲劇的な事故死」まで途切れることはありませんでした(まさに、「父親」同然の「大恩人」です!!)。

 

ダニエルの事故死を契機に、レオは、副社長の座を退くことを決意しました。

「彼のような知性と才能を持つ人は、もう見付けることはできないだろう...」

 

 

この他にも、女性歌手カトリーヌ・フェリー(1953-)との出会いもありましたが、そのことについては、「またの機会」にしたいと思います...。

 

 

今回も、バークレー社に移籍して、「ソロ名義」で「初」となったフルアルバム、「de vous a elle en passant par moi "あなたから彼女へと..."」(1975)の曲を採り上げています(全10曲中、終盤の3曲を冒頭に載せています)。

 

「前回」からの「続き」で、今回は、「第8曲目」から...。

 

聴くからに「穏やか」な曲である、第8曲目、「couleurs d'automne "秋の色"」こそ、先ほどから書いているように、ダニエルの「運命」を決定づけた「名曲」です。

 

先に、パトリック・ジュヴェのアルバム「chrysalide "さなぎ"」のために書かれたため、1974年には完成して「録音」された曲ですが、ダニエル自身のアルバムに収録された際、冒頭の、「約40秒」にわたる「前奏」は「カット」されています(この記事では、その「両方」のバージョンを載せています)。

 

またこの曲は、「記事その1」でも書いた、ダニエルの「最初の結婚」に関連した作品でもあります。

 

1972年、ポーランド出身の女性、ドミニクと「結婚」したダニエルでしたが、その生活は「苦しく」、結局、ロックオペラ「フランス革命」(1973, 前回参照)の「直後」くらいに、別れてしまったようです。

 

この曲は、その「思い出」が描かれているとも言えるのですが...。

 

歌詞を、以下に掲載しています。

 

第9曲目、「l'enfant aux yeux d'Italie "イタリアの瞳を持つ子ども"」は、このアルバムの中ではまだ「爽やかな」、「明るい」曲調を持つ作品となっています。

 

こうしたところは、ちょっとした「救い」にも思えますね...。

 

 

さあ、そしていよいよ「最終曲」、「Mona Lisa suite "モナリザ組曲"」の登場です!!

 

4曲の短い歌から成るこの「Mona Lisa suite "モナリザ組曲"」ですが、どうしてこのようなタイトルが付けられたのかはよく分かりません。

 

ただ、「終曲」に相応しい「構成感」も感じられます。

 

それぞれの曲もとても「美しい」もので、第1曲目の「chanson vide "空しい歌"」を聴いただけで、途端に引き付けられてしまう「魅力」を感じます。

 

私も、この「chanson vide "空しい歌"」が「とても好き」なのですが、歌の内容が「分かる」につれ、「あること」にも気づきました...。

 

それは、「(大切な人との)別れの際には絶対にNG」ということです。

 

「曲調」からすれば、「悲しい別れ」には「ピッタリ」の、とても「切ない」、そして「美しい」曲なのですが、ここで歌われているのは、自分を「裏切った」相手への「憎しみ」です。

 

だからこそ、「空しい歌」なのです...。

 

第2曲目「la premiere fille de ma vie "初めての娘(初恋)"」は、「微笑ましい(?)」青春の1ページとも言えますが、やはり、ちょっと「苦い思い」が歌われている曲ですね。

 

第3曲目「elle reprisait mes chaussettes " 彼女は僕の靴下を繕っていた..."」は、「a Florence(フロランスに)」との「ただし書き」がありますが、これは、出会ったばかりのフロランス・アブルケールに捧げられた1曲です。

 

それにしても、このようなテーマの作品も「珍しい(?)」ですね。

ごく「平凡」な、「日常の1コマ」を描いているだけなのですが、不思議と「感動」してしまいます。

 

なお、最初の方で、ダニエルがスタッフたちに言っているのは、「ライトをつけて!」ということです。

 

そして、最後は、アルバムの最初の曲、「de vous a elle en passant par moi "あなたから彼女へと..."」を「回想」して曲を終えるのですが、こうしたところも、「よく考えられている」と思います。

 

この曲も、以下にその歌詞を掲載しています。

 

 

ちなみに、こちらは、その「de vous a elle en passant par moi "あなたから彼女へと..."」ですが、これも、「CD化」の際「カット」された「前奏」を持つ、「アナログ盤」のバージョンです(現在では、大変「貴重」なものです)。

 

見つけることが出来ましたので、載せておきましょう。

 

さて、ここまで「3回」にわたって書いて来た、ダニエルとしては、「ソロ名義」で「初」となったフルアルバム、「de vous a elle en passant par moi "あなたから彼女へと..."」(1975)ですが、これでめでたく「完結」です。

 

このように、「最初期の事情」を「詳しく」書く必要があったため、これまで、「アマゾン」でのレビューも含め、なかなか書くことが出来ませんでしたが、これでようやく「決着」がついたと思います。

 

みなさま、どうも、お付き合いありがとうございました。

 

なお、ダニエルのこのアルバムですが、「商業的」には、やはり「失敗」に終わりました(枚数的には、「約5000枚」。良くても「10000枚未満」だと言われています...)。

 

ダニエル自ら、「不器用だった時代の作品」と話し、このアルバムからの曲は、その後、ステージでは「2度と」採り上げられることはありませんでした。

 

それにもかかわらず、いま、こうして「詳しく」聴いてみると、やはり、「それなりの魅力」は感じられる作品だと思います。

 

「初期作品」だからと言って、決して「あなどる」ことは出来ません。

 

最後に、同じように、その後歌われることがなくなった作品、「vienne la pluie "雨よ来い"」(1975, 「シングル」のみで発表の曲)を載せておくことにいたしましょう。

 

それではまた...。

 

 

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couleurs d'automne  秋の色

 

et dans ses reves

aux couleurs breves

elle me fait l'amour au milieu des oiseaux

quand elle se leve

quand elle se leve, entre ses levres

pour tout me raconter elle cherche ses mots

et je me dis

 

簡素な色の

彼女の夢の中で

彼女は鳥たちに囲まれて僕に告白する

彼女が起きるとき

彼女が起きるとき その唇で

僕に語りかけるために、彼女は言葉を探している

そして僕は自分に言う

 

elle a les yeux couleurs d'automne

et je la regarde

elle ne repond jamais au telephone

et je la regarde

c'est une enfant trouvee dans un naufrage

et je la garde

une bien belle fille pour son age

et je la garde

mais elle ne sait pas lire

et n'ose pas le dire

elle sait simplement

sourire a en mourir

si souvent

 

彼女の瞳は秋の色をしている

そして僕は彼女を見る

彼女は決して電話に出ない

そして僕は彼女を守る

彼女は、難破した船の中で見つかった子どものよう

そして僕は彼女を守る

その年齢にしては大変美しい娘

しかし、彼女は字を読むことが出来ない

そして、口に出すことも出来ない

彼女はただ分かっている

しばしば

とても素敵に微笑むことを

 

quand je lui parle du vent

elle s'etend elle apprend

elle m'aime tant

et plus rien n'est comme avant

elle comprend elle m'attend

je l'aime tant

 

彼女に風について話すとき

彼女は背伸びをして、学んで

僕をとても愛してくれる

もう、以前のようなことはまったくなく

彼女は理解し、僕を待ってくれている

彼女をとても愛している

 

et de fou rire

en souvenir

je l'aurai presentee a mes parents

mais il faut dire

oui il faut dire

que de moi elle attend deja deux enfants

et je me dis

 

止むことのない笑いから

思い出へと

僕は両親に彼女を紹介しているだろう

でも言わなくては

そう、言わなくては

彼女は二人の子どもを望んでいることを

そして僕は自分に言う

 

ils auront les yeux couleurs d'automne

et je la regarde

ils ne repondront pas au telephone

et je la regarde

ils ecouteront l'histoire de son naufrage

et je la garde

et penseront qu'elle ne fait pas son age

et je la garde

 

子どもたちの瞳は秋の色をしていることだろう

そして僕は彼女を見る

子どもたちは電話に出ることもないだろう

そして僕は彼女を見る

子どもたちは、難破した船の話を聴くことだろう

そして僕は彼女を守る

子どもたちは、彼女がそのような年齢には見えないと思うだろう

そして僕は彼女を守る

 

ils ne sauront pas lire

seront fiers de le dire

tout simplement

avec un grand sourire

a en faire mourir

tous les savants

 

子どもたちは字を読むことが出来ないだろう

それを言うことを誇りに思うだろう

ただ単に

とびっきりの笑顔で

すべての学者たちを

大変驚かせることだろう

 

je leur apprendrai le vent

les goelands et le temps

sans argent

oui mais tout est comme avant

j'ai perdu mon temps

l'ete et le printemps

et l'hiver m'attend

 

僕は子どもたちに「風」を教えるだろう

「かもめ」や、「時間」を

お金はなくても

そう、でもすべては以前のまま

僕は時間を無駄にしてしまった

夏、春

そして、冬が僕を待っている...

 

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Mona Lisa suite  モナリザ組曲

 

1.chanson vide  空しい歌

 

je chante une chanson vide

je chante une chanson triste

que je n'aime plus

si tu n'es pas plus heureux

tu ne seras jamais vieux

tu n'es plus mon ami

je te le dis

 

僕は空しい歌を歌う

悲しい歌を歌う

もう、好きではない歌を

もし君がもっと幸せではなかったとしても

君は決して歳を取ることはない

君はもう友だちじゃない

それだけは言っておくよ

 

tu as perdu mon adresse

apres ton voyage en Grece

on ne s'est plus vu

au fond d'un blanc pays

j'attends qu'un fou

vienne me sauver la vie

je te le dis

 

君は僕の住所を忘れてしまった

君のギリシャへの旅行の後

もう、会うこともなくなったからね

白い国の奥深くで

僕は狂ったように

助けが来ることを待っていたんだ

それだけは言っておくよ

 

a la fin de la semaine

j'irai regarder Helene

que tu m'avais prise

alors j'ai ressenti

tout le froid de ma haine

tu n'es plus mon ami

je te le dis

 

週の終わりに

僕はエレーヌを見に行くよ

君が僕から奪い取った

僕は本当に

君のことが憎いと感じたよ

君はもう友だちじゃない

それだけは言っておくよ...

 

2.la premiere fille de ma vie  初めての娘(初恋)

 

la premiere fille de ma vie

je ne m'en souviens plus tres bien

je ne lui avais rien promis

et je lui ai rendu sa main

je l'ai quittee pour une blonde

pour trois minutes et vingt secondes

je me souviens qu'elle avait rit

de mes debuts dans un lit

 

僕の初めての娘

もうあまりよく思い出せない

何も約束などしていなかったから

彼女の手を遠ざけてしまった

たった3分と20秒のための

ブロンド女のために彼女と別れた

彼女に笑われたことを思い出す

ベッドでの、その僕のデビュー戦に

 

(refrain)

la boulangere au Coeur Sourire

Dieu sait si je l'ai faite souffrir

m'avait fait cadeau de son coeur

je l'ai sali et j'ai eu tort

 

(ルフラン)

「クール・スリール」のパン屋の娘

彼女を苦しめてしまったかも知れないことは神様も知っている

その心からの贈り物を

僕は汚してしまった それは間違いだった

 

je suis tombe sur Beatrice

elle voulait devenir actrice

mais elle epousa un chiffon

qui portait un drole de nom

un drole de nom, un drole de ton

j'ai change pour une institutrice

helas elle n'avait aucun vice

j'ai voyage, elle m'a repris

ca n'allait plus, je suis parti

(au refrain)

 

僕はベアトリスに出会った

彼女は女優になりたがっていた

しかし彼女は変わった名前の

みすぼらしい男と結婚していた

変わった名前の 変わった声の

僕は小学校の女性教師に乗り換えた

ああ、彼女には何の欠点もない

僕は旅をし、彼女は僕をまた捕まえた

でももううまくいかなかった 僕は去った

(ルフランへ)

 

3.elle reprisait mes chaussettes (a Florence)  彼女は僕の靴下を繕っていた...

 

elle reprisait mes chaussettes

les seins a l'air

elle portait des lunettes

le nez a l'envers

d'autre elle ne savait rien faire

que reprisait mes chaussettes

mais je l'aimais bien

 

彼女は僕の靴下を繕っていた

(「膝まくら」などして)胸が上の方に見える

彼女は眼鏡をかけていた

その鼻も逆さに見える

それ以外に何をすればよいのかは

彼女はまったく知らなかった

でも、僕はそんな彼女がとても好きだった

 

4.ca ne vous regarde plus  あなたにはもう関係ない

 

de vous a elle en passant par moi

de vous a elle en passant par moi

ca ne vous regarde pas

de vous a elle en passant par moi

de vous a elle en passant par moi

ca ne vous regarde plus...

 

あなたから彼女へと この僕を横目に

あなたから彼女へと この僕を横目に

あなたには関係のないことでしょう

あなたから彼女へと この僕を横目に

あなたから彼女へと この僕を横目に

あなたにはもう関係ない...

 

 

 

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(daniel-b=フランス専門)