前年1月22日の公演(ラジオ局「ヨーロッパ1」主催の「ミュジコラマ」)に引き続き、1969年2月に行なわれた、オランピア劇場での2度目の公演からのライヴ録音です。

 

私の好きなライヴ録音の1つで、1967年から加わった、ローラン・ロマネリ(1946-)(当時は「アコーディオン」のみ)ももちろんいますし、「編曲者」として、ミシェル・コロンビエ(1939-2004)も加わったことで、「電子音楽」的な「深み」も加わりました。

 

バルバラは、「オランピア劇場」を好んではいませんでしたが、当時の「ヨーロッパ1」のディレクター、リュシアン・モリス(1929-70)(彼は、ダリダの元「夫」でした)の説得に、「リサイタル(ワンマン・ショー)なら...」と応じたそうです。

ちなみに、この1969年の「ライヴ録音」は、「ヨーロッパ1」で録音された、「初日(2月4日)限定」のテイクも、別に発売されています。

 

こちらは、発表当時、1964年11月19日のテレビ番組からの映像です。

こちらが「オリジナル録音」です。

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12480243268.html(前回の記事)

https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10097047678.html(これまでの記事)

 

「6月9日」は、フランスを代表する「偉大な女性歌手」、バルバラ(1930-97, 本名モニック・セール)の「誕生日」でした。

 

バルバラをテーマにしたこちらの映画も、間もなく、「DVD」が「発売」となります(7月2日予定)。

 

 

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12450146772.html?frm=theme(参考:この映画についての記事)

 

さて、続けてバルバラの「名曲」をお届けしたいと思います。

 

バルバラは、「イメージ的」に、どうしても「秋冬」が思い浮かびますが、「それ以外」の季節でも「ピッタリ」の曲がいくつもあります。

 

「初期作品」には、「悲しい曲が多い」イメージもまたあるかも知れませんが、「バルバラファン」、「シャンソンファン」には「おなじみ」の今回の作品、「gare de Lyon "リヨン駅(ガール・ド・リヨン)"」(1964)は、「南国に対する憧れ」が生き生きと歌われている、まさに「躍動感あふれる」名曲です。

 

次のお二人の記事の影響もあって、今回、この曲を採り上げることに決めました。

https://ameblo.jp/tesigotonoie/entry-12476939955.html(「NAO」さんの記事)

https://ameblo.jp/france-mei/entry-12475840555.html(シャンソン歌手ゆうき芽衣さんの記事)

 

「梅雨入り」したとはいっても、「長雨」という印象はなく、またしても「空梅雨」かという感じもしますが、「6月」ですからね。ここで採り上げておくべき曲だと思いました。

 

今回の曲、「gare de Lyon "リヨン駅(ガール・ド・リヨン)"」は、フィリップス社への「電撃移籍」(1964年初めごろ)の後、最初に発売されたアルバム(「Barbara chante Barbara(「私自身のためのシャンソン」)」 1964年10月発売)に収録されたものです(正確な「録音期日」までは特定出来ません...)。

 

一台の黒いピアノ… 一台の黒いピアノ…
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この、バルバラ自身が筆を執った「未完の回想録」には、この曲は、「熱愛」していた当時の「恋人」(コートジボワールの旧首都、アビジャンに住んでいる、「VIP級」の人)のために書かれたとあります(2人は、その後、実際に「イタリア」などを「旅行」したということです)。

 

「リヨン駅」は、パリ南東部の「ターミナル駅」で、「メトロ10号線」の終点、「オーステルリッツ駅(gare d'Austerlitz)」の「対岸」にあります。

 

その名の通り、「リヨン」方面や、映画「TAXi」シリーズでもおなじみの、「マルセイユ」へ向かう「TGV(「Train a Grande Vitesse」=「超高速列車(フランス新幹線)」)」も、こちらに発着します。そして、もちろん、「イタリア」行きの「国際列車」も発着しています。

 

「アコーホテルズアリーナ(パレ・オムニスポール・ド・パリ・ベルシー)」も、すぐ近くです。

 

曲の冒頭で、「あなたに電話をかけている」ローム(ローマ)駅というのは、「8区」と「17区」のちょうど「境界線上」にある、「メトロ2号線」の駅です。「サン・ラザール駅」の「近辺」だとも言えます。「イタリア」へと旅立つ歌でもありますから、この「ローム(ローマ)駅」というのが出て来たのかも知れませんね。

 

「カプリ島」は「青の洞窟」で有名。

また、「ヴェローナ」は、シェークスピア(1564-1616)の戯曲、「ロミオとジュリエット」(1595年頃)の「舞台」ともなっている街です。

 

参考:「青の洞窟」(カプリ島)

 

「ヴェニス(ヴェネツィア)」と言えば、「ため息橋」ですが、私は、この映画を思い出します。

 

「リトルロマンス」(1979年アメリカ。ジョージ・ロイ・ヒル監督)ですね。

 

この作品で「デビュー」したダイアン・レイン(1965-)もまだ「少女時代」(14歳)でしたが、特に印象に残っているのは、当時「72歳」だった、サー・ローレンス・オリヴィエ(1907-89)の「名演技」でした。

 

上が「イメージソング」、下が「オリジナル版予告編」です。

どちらにも、「ため息橋」のシーンが映っています。

 

 

それでは以下に、「gare de Lyon "リヨン駅(ガール・ド・リヨン)"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。

 

この曲を含むアルバムは、翌1965年には、ACC(アカデミー・シャルル・クロ)ディスク大賞を受賞した「名盤」でもあり、これが、バルバラにとって、「真のスタートとなった作品」と言っても、過言ではありません。

 

また、このレコードは、私たち「日本人」にとっても、大変「大きな意味」を持つものです。永田文夫先生のご尽力による、「日本での成功」があったからこそ、その後の、度々の「来日」にもつながったのです(「バルバラの人気は、まずは日本から始まった」)。

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12329659327.html?frm=theme(参考:「ピエール」「サンタマンの森で」の記事)

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12332372079.html?frm=theme(参考:「ナントに雨が降る」の記事)

 

最後に、少し「時期」からは外れてしまったかもしれませんが、こちらの曲も載せておきましょう。

 

バルバラ初期の名作で、「le temps du lilas "リラの花咲く頃"」(1962)です。

 

それではまた...。

 

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gare de Lyon  リヨン駅(ガール・ド・リヨン)

 

je te telephone

pres du metro Rome

Paris sous la pluie

me lasse et m'ennuie

la Seine est plus grise

que la Tamise

ce ciel de brouillard

me fout de cafard

 

「ローム駅」(メトロ2号線)のそばで

あなたに電話してるの

雨のパリは

まったくうんざりで退屈だわ

セーヌ川だって

テームズ川よりにごっているし

霧でかすんだこの空には

私の気も滅入ってしまう

 

Paris pleut toujours

sur le Luxembourg

y a d'autres jardins

pour parler d'amour

y a la tour de Pise

mais je prefere Venise

viens, fais tes bagages

on part en voyage

 

このところパリは雨続き

リュクサンブール公園だって

愛を語るには

他の公園だってある

ピサの斜塔もいいけど

私はヴェニス(ヴェネツィア)の方が好き

来てよ、支度をして

旅に出ましょう

 

j'te donne rendez-vous

a la gare de Lyon

sous la grande horloge

pres du portillon

nous prendrons le train

pour Capri la belle

pour Capri la belle

avant la saison

 

落ち合いましょう

(パリの)リヨン駅で

入口のそばの

時計台の下で

私たちは列車に乗るの

麗しのカプリ行きの

麗しのカプリ行きの

まだ「シーズン前」のね

 

viens voir l'Italie

comme dans les chansons

viens voir les fontaines

viens voir les pigeons

viens me dire "je t'aime"

comme tous ceux qui s'aiment

a Capri la belle

en toute saison

 

イタリアを見に行きましょう

歌に歌われているような

「噴水」を見に行きましょう

「鳩」を見に行きましょう

「愛してる」って言いに来て

愛し合うみんながやっているように

麗しのカプリで

四季を問わずに

 

Paris, mon Paris

au revoir et merci

si on telephone

j'y suis pour personne

j'vais dorer ma peau

dans les pays chauds

j'vais m'ensoleiller

pres des gondoliers

 

パリよ、私のパリよ

さようなら、そしてありがとう

電話をかけてきても

私はもう、そこにはいないわよ

「熱い国」に

私は肌を焦がしに行く

私は輝くの

ゴンドラの船頭たちのそばで

 

juste a l'aube grise

demain, c'est Venise

chante barcarolle

j'irai en gondole

j'irai sans sourire

au pond des Soupirs

pour parler d'amour

a voix de velours

 

ちょうど灰色の夜明け...

明日にはヴェニス(ヴェネツィア)にいるわ

舟唄(バルカロール)を歌って

ゴンドラで行くのよ

微笑うこともなく

「ためいき橋」で

ビロードのような声で

愛を語るために

 

taxi, menez-moi

a la gare de Lyon

j'ai un rendez-vous

pres du portillon

je vais prendre le train

pour Capri la belle

pour Capri la belle

avant la saison

 

タクシー! 私を連れて行って

リヨン駅まで

待ち合わせの約束があるのよ

入口のそばで

私は列車に乗るの

麗しのカプリ行きの

麗しのカプリ行きの

まだ「シーズン前」のね

 

passant par Verone

derriere les creneaux

j'vais voir le fantome

du beau Romeo

je vais dire "je t'aime"

a celui que j'aime

ce cera l'Italie

comme dans les chansons

 

ヴェローナを通りかかれば

城壁の陰に

美しいロミオの

幻影を見ることもあるでしょう

そして私は言うの 「愛してる」と

私の愛するものに

それは「イタリア」のこと

歌に歌われているような

 

taxi, vite, allons

a la gare de Lyon...

 

タクシー 急いで!!

行きましょう、リヨン駅まで...

 

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(daniel-b=フランス専門)