前回の記事にも載せたこの映像は、1989年、パリ・マリニ劇場での公演のもので、「DVD」としても発売されたものです(現在では「入手困難」)。この「サディア」役を演じた、ドミニク・ウェンタ「ご本人」が投稿されたものです。
「映像商品化」されるとあってか(最終的に、「唯一」の映像商品となりました)、前年の公演(下記参照)と比べても、「気合いの入り方」がまるで「違い」ます。メイクは「恐い」ですが、そういったところは「可愛い」ですね...(笑)。
2016年になってようやく「公式サイト」が開設され、「神秘のヴェール」に包まれていたウェンタのその「姿」も、次第に「明らか」になって来ました...。
http://dominiquewenta.com/(ドミニク・ウェンタ公式サイト)
こちらは、本公演の「完全版」です(「1時間51分」)。
サディアの「登場シーン」は、「12分13秒頃」からです。
(参考)こちらは、前年1988年、「テアトル・ド・パリ」でのライヴ録音です。
こちらは、1979年の「初演版」の「ライヴ録音」からです。
「初演版」のサディアは、アメリカ出身のナネット・ワークマン(1945-)が演じました。
本公演に先立つ、「スターマニア」史上、「最初」の録音がこちらです(1978年)。
こちらは、そのナネット・ワークマンの「テレビ出演」の映像から。
「1991年」のものということですが、やはり「ソウルフル」ですね。「アメリカ人らしさ」を感じます。
ジェニファー(1982-)によるカバーもあります。この映像は、「記念番組」か何かでしょうか。フランス・ギャル(1947-2018)との「対談」も見ものです。
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12444830735.html(前回の記事)
https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10095603016.html(これまでの記事)
https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10095491551.html(ダニエル・バラボワーヌがテーマの記事一覧)
https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10097776129.html(ミシェル・ベルジェ&フランス・ギャルがテーマの記事一覧
今年、「初演」(1979年4月10日~5月3日。パリ、「パレ・デ・コングレ」)からは「40周年」となる、リュック・プラモンドン(1942-)作詞、ミシェル・ベルジェ(1947-92)作曲のロックオペラ「スターマニア」。
前回に引き続き、今回も、そのナンバーを紹介します。
今回紹介する曲は、前回も少し触れましたが、劇の「序盤」で、「アンダーグラウンド・カフェ」にサディアが現われる場面で歌われる、言ってみれば、「サディアのテーマ曲」です。タイトルは、「travesti "トラヴェスティ"」と言います。
この「travesti」という言葉は、「transvestism(トランスベスティスム)」と「同義」です。と言うより、「縮約的になまったもの」なのではないか、とも思いますが、「端的」に言いますと、「男装/女装」のことを指します。現在では、「LGBT」という言葉がありますが、「広義」で、その「T」に当たるものです。
とは言っても、この曲は、それら「性的マイノリティ」を「差別」するような作品ではありません。そもそも、「それ以前のこと」として、「現在」のような、「性の多様化」が叫ばれる、はるかに「前」である「1970年代後半」に、「このような詞」が書かれたことこそが、「驚き」だと思います。
先述のように、この曲は、「サディアのテーマ」とも言える作品ですが、実は、「この曲」があるために、サディアの「キャラ設定」が、かえって「よく分からない」ことも、また「事実」なのです。
劇中では、「elle(彼女)」。つまり「女性」ということですが、フランス語版「ウィキペディア」を見てみますと、その「初期設定」として、「女装した男性」というような記述も見られます(「現代の感覚」で言えば、「その場合」でも「彼女」と言いますよね。しかし、それだと、本当に、時代感覚が「進み過ぎて」いて、「超未来的」な表現を、「40年前」に書いていたことになります。「私見」ですが...)。
辞書で「travesti」を引いてみますと、確かに、「現用」で「一般的」な、「異性装者」という記述もありますが、「仮装した人」という語義がまず出て来ます。「ファンサイト」と思われるページでも、サディアは、「男性か女性かは分からないが...」と記されています。このことも、今回採り上げた曲「travesti」の、「解釈」を「ややこしく(難しく)」している「原因」の1つです。ですので、今回の「訳出」に当たっては、邦題表記を、「トラヴェスティ(仮装した男or女)」としました。
これなら、サディアを、「女性」と見なして、「男装」という「解釈」も可能です(「詞の内容」からすれば、やはり「女装」という方にも傾きますけれども...)。後に、このサディアを、「エトワール・ノワール」の「参謀」の座から「引きずり下ろす」ことになったクリスタルの「いでたち」を見ても、この説は「有力」だと思います。
そしてこの詞は、大変「哲学的」な内容を持っています。サディアは、「高学歴」ということですから、その点でもうなづけますが、まさに、「性別の常識を超えた存在」であり、この1曲の中に、「サディアの哲学」が「凝縮」されていると思います。その意味でも、この作品は「超未来的」であると言うことが出来ます。
その「サディア」ですが、彼女にはもう1曲、大変「重要」なナンバーがあります。
「ce soir on danse a Naziland "今夜、ナチランドで人々は踊る"」。
終盤の「クライマックス」で歌われる曲の1つです。果たして、「どのような場面」なのでしょうか...。
以下に、「travesti "トラヴェスティ(仮装した男or女)"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
また、それに続く場面の対訳も載せておきたいと思います(「リメイク版」のものです)。
それ以降は、「こちら」です。
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12303153326.html?frm=theme(「自動ウェイトレスの嘆き」の記事)
それではまた...。
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travesti トラヴェスティ(仮装した男or女)
quand je marche dans la rue
j'entends les hommes qui murmurent
regaredez cette femme quelle allure!
c'est une femme comme on n'en voit plus
街を歩いていると
男たちのひそひそ話が聴こえて来る
「見ろよ、あの女 何て恰好だ!!」
それはもう、見ることもない姿の女
est-ce une star en deconfiture?
est-ce une etoile du future?
regardez-moi cette chevelure
cette chevelure d'un bleu azur
あれは、「落ちぶれたスター」なのか?
それとも、「まだ見ぬスター」なのか?
この私の髪をごらんよ
「真っ青」なこの私の髪を
si vous pouviez me voir toute nue
me voir sous toutes mes coutures
messieurs vous n'seriez pas decus
de decouvrir ma vraie nature
もし、「裸の私」を見ることが出来るのなら
よく見てごらんよ
みんな、がっかりするんじゃないよ
私の「本当の姿」を知ることになっても
vous vendriez votre ame
pour dormir dans mes bras
vous quitteriez vos femmes
pour partir avec moi
私の腕の中で眠るために
魂を売りたいと言うのかい
私と一緒に行くために
奥さんと別れたいと言うのかい
n'm'appelez pas Madame
sans savoir qui je suis
je n'suis pas une femme
je suis un travesti
私を、「マダム」なんて呼ぶんじゃないよ
私のことを知りもしないで
私は、ただの女じゃない
私は「トラヴェスティ(仮装した男or女)」
travesti de vos corps
travesti de vos ames
travesti de vos reves
travesti de vos drames
travesti de vos jours
travesti de vos nuits
travesti de vos amours
travesti de vos vies...
「トラヴェスティ」 あんたたちの身体の
「トラヴェスティ」 あんたたちの魂の
「トラヴェスティ」 あんたたちの夢の
「トラヴェスティ」 あんたたちのドラマの
「トラヴェスティ」 あんたたちの昼の
「トラヴェスティ」 あんたたちの夜の
「トラヴェスティ」 あんたたちの愛の
「トラヴェスティ」 あんたたちの人生(命)の...
vous vendriez votre ame
pour dormir dans mes bras
vous quitteriez vos femmes
pour partir avec moi
私の腕の中で眠るために
魂を売りたいと言うのかい
私と一緒に行くために
奥さんと別れたいと言うのかい
n'm'appelez pas Madame
sans savoir qui je suis
je n'suis pas une femme
je suis un travesti
私を、「マダム」なんて呼ぶんじゃないよ
私のことを知りもしないで
私は、ただの女じゃない
私は「トラヴェスティ(仮装した男or女)」
travesti de vos corps
travesti de vos ames
travesti de vos reves
travesti de vos drames
travesti de vos jours
travesti de vos nuits
travesti de vos amours
travesti de vos vies...
「トラヴェスティ」 あんたたちの身体の
「トラヴェスティ」 あんたたちの魂の
「トラヴェスティ」 あんたたちの夢の
「トラヴェスティ」 あんたたちのドラマの
「トラヴェスティ」 あんたたちの昼の
「トラヴェスティ」 あんたたちの夜の
「トラヴェスティ」 あんたたちの愛の
「トラヴェスティ」 あんたたちの人生(命)の...
je suis tout c'que vous voulez
je suis tout c'que vous pensez
je suis vos amours blessees
votre jeunesse envolee
je suis vos desirs secrets
je suis vos haines etouffees
je suis le sexe demystifie
je suis la violence personnifiee
私は、あんたたちの「望むもの」すべて
私は、あんたたちの「思うもの」すべて
私は、あんたたちの「傷ついた愛」
過ぎ去った「青春」
私は、あんたたちの「秘められた欲望」
私は、あんたたちの「押し殺された憎しみ」
私は、「性別の常識」を超えた存在
私は、「荒々しさ」そのもの 「擬人化」された...
travesti
travesti
travesti
travesti
travesti...
「トラヴェスティ」
「トラヴェスティ」
「トラヴェスティ」
「トラヴェスティ」
「トラヴェスティ」...
...............................................................................
(Marie-Jeanne)
la premiere fois qu'elle est entree
a l'Underground Cafe
tout le monde s'est arrete de parler
et Johnny Rockfort s'est leve
elle s'est approchee
elle s'est presentee
et ils sont reste debout au bar
ils ont parle tres tard...
flashback!
(マリー=ジャンヌ)
最初に彼女が
「アンダーグラウンド・カフェ」に入って来たとき
みんなは話すのをやめた
そして、ジョニー・ロックフォールはひとり立ち上がった
彼女はそばに寄り
自己紹介をした
そして彼らはカウンターの前に立ったまま
やがて話し始めたのだった...
「フラッシュバック(回想)!」
(Sadia)
j'ai entendu parler de toi
et de ta bande de p'tits copains
vous faites pas mal de bruit deja
mais ca pourrait aller plus loin
(サディア)
あんたの噂は聞いてるよ
あんたの、「ちゃち」な仲間のこともね
あんたたちはもう、「かなり」の騒ぎを起こしている
でも、もっと「とんでもない」ことが出来るはず
(Johnny)
qu'est-ce que vous voulez dire par la?
(ジョニー)
結局、何が言いたいんだ?
(Sadia)
il faut briser Zero Janvier
c'est l'ennemi numero un
il faut a tout prix l'empecher
de gagner encore du terrain
(サディア)
「ゼロ・ジャンヴィエ」を「粉砕」するのさ
そいつこそ、「最大の敵」
これ以上勝ち進むのを
何としてでも食い止めるんだ
(Johnny)
moi j'fais pas ca pour des idees
(ジョニー)
俺はそんなの、ごめんだぜ
(Sadia)
tu es celui dont j'ai besoin
pour arriver a mes fins
si tu me suis tu s'ras quelqu'un
tu s'ras le chef des Etoiles Noires
et nous renvers'rons le pouvoir
(サディア)
あんたは、私には「必要」な存在
「目的を果たす」ためのね
私について来れば、あんたは「ひとかどの人物」になれる
「エトワール・ノワール(ブラックスター団)」の「リーダー」としてね
そして、「(国家)権力」を転覆させるんだ
(Johnny)
pourquoi ce nom bizarre
les Etoiles Noires
(ジョニー)
どうして、こんな変わった名前なんだ?
「エトワール・ノワール」?
(Sadia)
parce que dans les souterrains
les etoiles ne brillent pas fort
Monsieur Johnny Rockfort...
(サディア)
地下の世界では
星たちは強く輝くことが出来ないからよ
ジョニー・ロックフォールさん...
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Original Version 1978
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(daniel-b=フランス専門)





