1988年に「リメイク」された、ロックオペラ「スターマニア」は、翌1989年の、パリ・マリニ劇場での公演が、「DVD化」もされました(現在は「廃盤」で、入手が「極めて困難」です)。ジョニー・ロックフォール役を演じているのは、ノルマン・グルーという方で、プロフィールは一切明らかにされていませんが、「カナダ・ケベック」の出身のようで、敵対する「ゼロ・ジャンヴィエ」を演じたリシャール・グルーとは、「兄弟」のようでもあります(たぶん、ノルマンが「弟」で間違いないでしょう...)。
サディアを演じた(ドミニク・)ウェンタは、ノルマンディーの出身ということです。メイクをした姿は「恐く」も見えますが、「素顔」は、とても「穏やか」な方で、「美人」です。
こちらは、本公演の「完全版」です(「1時間51分」)。
(参考)こちらは、前年1988年、「テアトル・ド・パリ」でのライヴ録音です。
「元の記事」にも載せているこの音源は、「初代ジョニー」、ダニエル・バラボワーヌ(1952-86)のものですが、この「ライヴ録音」は、ダニエル単独の、1981年3月のオランピア劇場公演からのものです。
こちらは、「スターマニア」としては「最初の録音」となる、1978年の「スタジオ盤」です。翌年の「劇場公演」に当たっては、「歌手」や、「担当曲」に、一部「変更」が加えられました。ダニエルは、そのまま「ジョニー」役であり、ここに聴かれるように、「サディア」役のナネット・ワークマン(1945-, アメリカ出身)と、実際の舞台公演でも「デュエット」しています。
こちらは、1978年11月18日のテレビ番組からです。「作曲者」であるミシェル・ベルジェ(1947-92)も「一瞬」映っていますが、ダニエルをテレビで見たミシェルが、すぐさま、「ジョニー」役のオファーを決めたことから、その「伝説」が始まりました。その時以降、2人はともに、「兄弟同然の付き合い」となり、「スターマニア」の「大成功」はもちろんのこと、1980年代が、「輝く黄金時代」ともなったのです。
https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10095603016.html(これまでの記事)
https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10095491551.html(ダニエル・バラボワーヌがテーマの記事一覧)
https://ameblo.jp/daniel-b/theme-10097776129.html(ミシェル・ベルジェ&フランス・ギャルがテーマの記事一覧)
さて、久しぶりに、ロックオペラ「スターマニア」(1979年初演)の曲について書いてみたいと思います。
今年は、その「初演」からは、「40周年」という「記念の年」にも当たります。
今回紹介する曲は、劇の最初の方で歌われるナンバー、「quand on arrive en ville "俺たちが街に着いたときには"」。
この曲については、「ダニエル・バラボワーヌ」のテーマで、「最初期」の頃に一度書いてはいますが(この記事は、その「リブログ」です)、「曲の紹介」としてはまったく「不充分」ですので、今回、「スターマニアの1曲」として、ここで、あらためて採り上げることにします。
「群像劇」である「スターマニア」は、どのキャラクターにも「ストーリー」があり、その「絡み合い」も、1つの「見どころ」となっています。
1988年の「リメイク」により、「進行」や、「キャラクター」が「整理」され、「スリリング」で、「スピーディー」な展開となりました。
1979年「初演版」では、ダニエル・バラボワーヌ(1952-86)が演じた、今回採り上げるキャラクター、「ジョニー・ロックフォール」が、その「主人公」と位置付けられていました。しかしながら、舞台の大半が、「アンダーグラウンド・カフェ」でもあったことから、その「ウェイトレス」である「マリー=ジャンヌ」が、「不動のキャラ」として、「リメイク版」では「主人公」ということになっています。
ジョニー・ロックフォールは、「初演版」では、「zonard(はみ出し者、ならず者)」の「リーダー」という設定でしたが、「時代」も進み、「リメイク版」では、「明確」に、「テロリスト」といった表現となっています(「zonard」という表現は、もはや、彼の「生い立ち」を歌った曲、「banlieue nord "北の郊外"」の一部に残るのみです)。
ジョニー・ロックフォールが率いる「エトワール・ノワール(ブラックスター団)」については、劇の序盤で、その「成り立ち」も含めて、詳しく語られています。
「テレキャピタル」のアナウンサー、「ロジェ=ロジェ」は語ります(「il se passe quelque chose a Monopolis "モノポリスでは、何かが起こっている"」)。
(架空の国)「オクシダン」の首都「モノポリス」では、「警察を呼ぶ」とすれば、「犬がいなくなったとき」ぐらいのことでした。
しかし、この「モノポリス」で、今、「何か」が起こっているのです...。
「空調」も完備された、巨大な「地下空間」を持つ、この「新しいモデル都市」は、先進の「ソーラーシステム」により、街の隅々まで、「夏もなく、冬もない」状態となっています。
このような、人々の幸福を「実現」したかのように思える「モノポリス」が、「テロ」のために、いつしか、他国の大都市と同様に、「陽が落ちると、1人では出歩けない」状況に追いやられてしまったのです...。
「テレキャピタル」アナウンサー、「ロジェ=ロジェ」が、街の「窮状」を訴えます。
「冒頭」のこの場面から変わって歌われるのが、その「地下空間」に降りて来た、ジョニー・ロックフォールとサディアたちによる、「quand on arrive en ville "俺たちが街に着いたときには"」です(上掲最初の動画を参照)。
毎晩、「ニュースのトップ」に上がるのは、相変わらず「エトワール・ノワール(ブラックスター団)」のことでした。
毎回のように、「凄惨な事件」を伝えるテレビに「うんざり」のマリー=ジャンヌは、「カウンター越しに、人々の会話を聴きたいの」と、テレビを消しますが(または「音量を下げる」)、再びテレビをつけると、今度は、「次期大統領候補」、大実業家、ゼロ・ジャンヴィエの「政見放送」が...。
そこに突然、「昨晩の事件」について、「エトワール・ノワール」からの「犯行声明」が届き(「ジョニー・ロックフォール」の署名入りで...)、「政見放送」は「中断」されてしまいました。
しかし、マリー=ジャンヌは、すでに、この「エトワール・ノワール」を知っていました。彼らは何と、「毎晩」、ここを訪れているのです。
彼らを「仕切って」いるのは、実は、「サディア」という「女戦士」でした。
彼女は「パパっ子」であり、その「父親」というのが、また「確固たる思想家」だということですが、彼女を見る限り、とても「大学を出ているようには見えない」いでたちです。
サディアの登場シーンです(回想)。「travesti "男装(仮)"」。
先述のように、「リメイク版」のサディアは、(ドミニク・)ウェンタが演じています(この動画は、「ご本人」による投稿です)。
突然現れたサディアの前に、カフェは静まり返りました。
その中で、ジョニーはひとり立ち上がり、やがて、2人は話し始めたのでした。
サディアは、「次期大統領候補」のゼロ・ジャンヴィエこそ「最大の敵」と話し、彼の「打倒」を持ちかけます。そして、そこでサディアが口にしたのが、新しい「グループ名」である、「エトワール・ノワール(ブラックスター団)」でした。
「どうして、こんな変わった名前なんだ?
"エトワール・ノワール"?」(ジョニー)
「地下の世界では、星たちは強く輝くことが出来ないからよ。
ジョニー・ロックフォールさん...」(サディア)
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12303153326.html?frm=theme(この「続き」です。「自動ウェイトレスの嘆き」の記事)
以上、「エトワール・ノワール」誕生までを、順を追って見てきました。
それでは、この他の映像を、少し見てみましょう。
こちらは、ルノー・アンソン(1963-)のライヴから、「スターマニア・メドレー」です。彼は、1988~89年の公演では、録音も残っている「ジギィ」役が「メイン」ですが、後半では、「ジョニー」役も演じました。
曲目は、次の通りです(3、5のオリジナルは、「デュエット曲」です)。
1.la chanson de Ziggy ジギィの歌(ジギィ)
2.un enfant de la pollution 汚染の申し子(ジギィ)
3.quand on arrive en ville 俺たちが街に着いたときには(ジョニー・ロックフォール)
4.banlieue nord 北の郊外(ジョニー・ロックフォール)
5.duo d'adieu 別れのデュオ(ジギィ)
6.le blues du businessman ビジネスマンのブルース(ゼロ・ジャンヴィエ)
続いては、1993年以降の「リニューアル版」のキャストから。
ジョニー役のブリュノ・ペルティエ(1962-)は、「ノートルダム・ド・パリ」(1998年初演)の「グランゴワール」役でも「有名」です。サディア役のジャスミン・ロイ(1968-)ともども、カナダ・ケベックの出身です。
この動画は、「テレビ出演」からのものですが(詳細は不明)、この頃ともなると、「実際の舞台衣装」は、ただただ「エキセントリック」であり、まったくの「別物」といった印象です(設定が、「ヒッピー」などとなっているようです。あまりにも「未来」過ぎて、「逆行」?)。
こちらは、オーディション番組「The Voice」の面々(審査員/コーチ)による「カバー」です。
ガル(1972-)、ミカ(1983-)、ジェニファー(1982-)、フローラン・パニー(1961-)による「熱唱」をどうぞ。
それでは、以下に、「quand on arrive en ville "俺たちが街に着いたときには"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
詞は、「ノートルダム・ド・パリ」でもおなじみのリュック・プラモンドン(1942-)で、「カナダ・ケベック」の出身です。曲は、ミシェル・ベルジェ(1947-92)が書いています。ミシェル・ベルジェは、ある日、自宅で「テレビ」を見ていたところ、テレビで歌っていたダニエル・バラボワーヌに感動し、すぐさま、ジョニー役を「オファー」したということです。
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12136136293.html?frm=theme(その曲、「レディ・マルレーヌ」についての記事)
この詞には、「刹那主義」のような思想が感じられますが、元々の設定が「ダダイズム」(「社会不安」を背景に、それまでのあらゆる「権威」を「否定」した芸術様式)によるものであったことが「大きい」ようです。
「とにかく今しかないんだ!!」という、この「叫び」は、物語の「結末」を思うと、とても「悲痛」に感じられます。単なる「反社会的」な歌ではなく、まさに、「そこに潜む孤独」が感じられる作品だとも言うことが出来るのです。
それではまた...。
...........................................................................................................................................................................................
quand on arrive en ville 俺たちが街に着いたときには
(Johnny)
quand tout l'monde dort tranquille
dans les banlieues-dortoirs
on voit les Etoiles Noires(c'est l'heure ou les zonards)
descendent sur la ville
qui est-ce qui viole les filles
le soir dans les parkings?
qui mets l'feu aux buildings?
(c'est )toujours les Etoiles Noires(les zonards)
alors
c'est la panique sur les boulevards
quand on arrive en ville
(ジョニー)
街のみんなが静かに眠っているとき
街の郊外では
「エトワール・ノワール(ブラックスター団)」が
やって来るのを見ることだろう(「初演版」では、「ならず者たちがやって来る時間だ」)
夜の駐車場で
娘たちに乱暴をしたのは誰だ?
ビルに火を付けたのは誰だ?
いつも、「エトワール・ノワール」だ(「それはいつも、ならず者たちのしわざだ」)
そのとき
大通りは「パニック」になっていた
俺たちが街に着いたときには
quand on arrive en ville
tout l'monde change de trottoir
on a pas l'air virils
mais on fait peur a voir
des gars qui se maquillent
ca fait rire les passants
mais quand ils voient du sang
sur nos lames de rasoir
ca fait
comme un eclair dans le brouillard
quand on arrive en ville
俺たちが街に着いたときには
街を行くみんなが、いつもとは違っていた
「男らしく」は見えない
見るのも恐ろしい
メイクをした若い男たちは
通行人を笑わせる
しかしやつらが、俺たちのナイフの刃で
血を見たときには
それは
霧の中の稲妻のようになる
俺たちが街に着いたときには
nous
tout c'qu'on veut c'est etre heureux
etre heureux avant d'etre vieux
on n'a pas l'temps d'attendre d'avoir trente ans
nous
tout c'qu'on veut c'est etre heureux
etre heureux avant d'etre vieux
on prend tout c'qu'on peut prendre en attendant
俺たちが
俺たちが望んでいるのは、「幸せになりたい」ということがすべて
年老いる前に「幸せになりたい」ということ
「30歳」になるのを待っている時間なんてない
俺たちが
俺たちが望んでいるのは、「幸せになりたい」ということがすべて
年老いる前に「幸せになりたい」ということ
手に入れられるものすべてを手に入れるだけ 期待しながら
quand on arrive en ville
on arrive de nulle part
on vit sans domicile
on dort dans des hangars
le jour on est tranquille
on passe incognito
le soir on change de peau
et on frappe au hasard
alors
preparez-vous pour la bagarre
quand on arrive en ville
俺たちが街に着いたときには
みんなどこからともなくやって来た
家すらなく過ごし
倉庫で眠っていた
日中は静かに
名前を隠して過ごし
夜になると一変して
行き当たりばったりに、人を驚かせる
それじゃあ
闘いの準備は出来ているかい
俺たちが街に着いたときには
(Sadia)
quand la ville souterraine
est plongee dans le noir
les gens qui s'y promenent
ressortent sur des brancards
(サディア)
地下に広がる街が
暗い闇に沈みこんだとき
そこを歩く人々は
担架で運び出される
(Johnny)
on agit sans mobile
ca vous parait bizarre
c'est p't'etre qu'on est debile
c'est p't'etre par desespoir
du moins
c'est c'que disent les journaux du soir
quand on arrivent en ville
(ジョニー)
何の動機もなく行動する俺たちは
あんたたちには不気味だろう
俺たちはたぶん、「イカレ」てる
「絶望」のために
いずれにしても
それは夜のニュースが言っていること
俺たちが街に着いたときには
nous
tout c'qu'on veut c'est etre heureux
etre heureux avant d'etre vieux
on n'a pas l'temps d'attendre d'avoir trente ans
nous
tout c'qu'on veut c'est etre heureux
etre heureux avant d'etre vieux
on prend tout c'qu'on peut prendre en attendant
俺たちが
俺たちが望んでいるのは、「幸せになりたい」ということがすべて
年老いる前に「幸せになりたい」ということ
「30歳」になるのを待っている時間なんてない
俺たちが
俺たちが望んでいるのは、「幸せになりたい」ということがすべて
年老いる前に「幸せになりたい」ということ
手に入れられるものすべてを手に入れるだけ 期待しながら
(Sadia et Johnny)
quand viendra l'an 2000
on aura quarante ans
si on vit pas maintenant
demain il sera trop tard
qu'est-ce qu'on va faire ce soir?
on va p't'etre tout casser
si vous allez danser
ne rentrez pas trop tard
de peur qu'on egratigne vos Jaguars
preparez-vous pour la bagarre
c'est la panique sur les boulevards
quand on arrive en ville...
(サディア&ジョニー)
西暦2000年が来たら
私たちは40歳
「今」を生きなくちゃ
明日では遅すぎる
今夜はどうしようか?
すべてをぶっ壊してやろう
もし踊りに出かけるのなら
帰りは遅くならない方がいいよ
あんたたちのジャガー(車)が傷つくかも知れないよ
闘いの準備は出来ているかい
大通りは「パニック」になっていた
俺たちが街に着いたときには...
![]() |
Starmania (Remix 89)
Amazon |
![]() |
Starmania Live 1988
2,654円
Amazon |
![]() |
Original Version 1978
2,622円
Amazon |
(daniel-b=フランス専門)




