「訃報」を伝えるニュース番組です。

こちらは、高級紙「ル・モンド」によるセレクションです。

さて...、昨年から「断続的」に続いている感もある「ビッグネーム」の「訃報」ですが、昨晩、これもまた「突然」に、この方の「訃報」に接することになってしまいました。本日は、予定を「変更」して、この話題をお届けしたいと思います。

 

「映画音楽の巨匠」として、また「ジャズピアノの重鎮」としても知られているミシェル・ルグランですが、この方も、昨年7月に、御年「86歳」で「来日公演」を行なったばかりで、この4月にも、パリで公演予定だったということです。

 

私は、この「最後の来日公演」には行くことが出来なかったのですが、代わりに、「Facebook」で募集されていた「ルグランと私」(byブルーノート東京)に「コメント」を残して来ました。

 

ミシェル・ルグランの「熱心なファン」であるユトリロさんは、もちろん、この公演に行かれていますし、その「ライヴレポ」はもちろんのこと、「ルグラン特集」も書かれています。

https://ameblo.jp/utrillo-714/entry-12389470796.html(「昨年7月8日」のライヴレポ)

 

私自身は、決して「詳しい」とは言えませんが、「好きな曲」はもちろんありますので、それで、ルグランを偲んでみたいと思います。

 

ミシェル・ルグランは、1932年2月24日に、パリのメニルモンタンに生まれました。

 

父、レイモン・ルグラン(1908-74)も「有名」な音楽家であり、「音楽一家」でもありましたが、ミシェルは「9歳」にして、パリの「コンセルヴァトワール(国立高等音楽院)」に入学し、「ピアノ」を学んだという、まさに「神童」でした。

 

1951年には、わずか「19歳」で父の曲を「編曲」してみせたほか、ジャクリーヌ・フランソワ(1922-2009)や、カトリーヌ・ソヴァージュ(1929-98)、また、「大御所」モーリス・シュヴァリエ(1888-1972)といったアーティストの「編曲・伴奏者」として、そのキャリアをスタートさせました。

 

また、その頃には、フィリップス社の大物プロデューサー、ジャック・カネッティ(1909-97)とも出会っており、そのことが、「アメリカ進出」にもつながりましたが、実は、そのカネッティを通じて、「最初期」のジャック・ブレル(1929-78)とも「接点」がありました。

 

昨年6月21日付けの記事にて採り上げていますが、この曲がそうです。

 

「qu'avons-nous fait, bonnes gens? "どうしてしまったのだ"」(1953-55)。

「オリジナル」は、「パリに出る前」のブレルが書いた「若書き」の作品ですが、この「公式録音」(1955年3月11日)では、ミシェル・ルグラン(・トリオ)が編曲・伴奏とも担当しています。この「華麗」なピアノは、もちろん、「ルグラン自身」の手によるものですが、当時、彼もまだ「23歳」になったばかりということですから「驚き」です。

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12385124085.html?frm=theme(この曲の記事)

 

同じくブレルの作品で、後に「盟友」となるジュリエット・グレコ(1927-)が、「最初」に採り上げたのがこの曲、「ca va (le diable) "OK, 悪魔"」(1953-54)です。こちらの「編曲・伴奏(オケ)」も、ミシェル・ルグランです。

 

その「活躍」が、「一般」に知られているのは、もちろん、「この後」のことです。

 

ルグランとともに「一時代」を築いたのが、ジャック・ドゥミ監督(1931-90)。

1963年に制作され、翌年公開された、このコンビによる名作が、「les parapluies de Cherbourg "シェルブールの雨傘"」です。

この作品は、ミュージカル映画に「革命」を起こし、「カンヌ映画祭」で「グランプリ」を受賞しました。

その「テーマ曲」は、「世界中」に知られています。

 

「映画本編」映像から、その「テーマ曲」をどうぞ...。

こちらは、2009年のライヴの映像だということですが、ともに歌っている女性歌手がモラーヌ(1960-2018)です。ロックオペラ「スターマニア」(1988年リメイク版)の主人公「マリー=ジャンヌ」役で知られ、大変「深みのある歌」を聴かせてくれた「名歌手」でしたが、その彼女も、昨年5月7日、本当に「いきなり」、この世を去ってしまいました...。

https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12375547881.html?frm=theme(参考:モラーヌ「急逝」の記事)

 

続いて、1967年の映画「les demoiselles de Rochefort "ロシュフォールの恋人たち"」。

この作品も、ジャック・ドゥミ監督とのコンビによる「名作」で、こちらもまた、その「テーマ曲」によって、「世界中」に知られています。

 

カトリーヌ・ドヌーヴ(1943-)と、実姉フランソワーズ・ドルレアック(1942-67)によるテーマ曲「chanson des jumelles "双子姉妹の歌"」です。

「ブルーノート東京」が募集していた「ルグランと私」に、私は、先述のブレルの曲も挙げましたが、「一般的なもの」としては、やはりこの曲を挙げました。「明るく」て、とても「華やか」であり、私自身、とても「気に入っている」のがこの曲です。

 

「日本語字幕付き」でどうぞ。

 

スティーヴ・マックイーン(1930-80)、フェイ・ダナウェイ(1941-)が共演した、1968年のアメリカ映画「Thomas Crown affair "華麗なる賭け"」(ノーマン・ジュイソン監督)は、ノエル・ハリソンが歌った主題歌「the windmills of your mind "風のささやき"」が、同年の「アカデミー主題歌賞」を獲得しました。

 

再び、ドゥミ監督との作品で、1970年の「peau d'ane "ロバと王女"」の1シーンからです。シャルル・ペロー(1628-1703)の童話が「原作」ですが、フランス国内で、「約220万人」という観客動員数を記録し、ドゥミ監督「最大」のヒット作となったものです。

 

こちらも有名な曲です。1971年のアメリカ映画「summer of '42 "思い出の夏"」の「テーマ曲」です。

 

この曲もミシェル・ルグランだったんですね。ラニ・ホール(1945-)の歌った、1983年のイギリス映画「never say never again "(007)ネバーセイ・.ネバーアゲイン"」の「テーマ曲」です。

 

そう、この映画も、ミシェル・ルグランが「音楽」でした!!

フランス/ベルギー/カナダ合作の、「感動の映画」です。

「Oscar et la Dame Rose "100歳の少年と12通の手紙"」(2009年。日本では翌年公開)。

フランスの劇作家エリック=エマニュエル・シュミット(1960-)が、自身のベストセラー小説を、自ら監督した「名作」でした。

 

こうしてその曲を並べてみると、あらためて、その「存在の大きさ」に驚きます。

 

「2ヶ月前」には、同じく、「映画音楽の巨匠」フランシス・レイ(1932-2018)の「訃報」について書いたばかりでした。

「時の流れ」は誰にも止めることは出来ませんが、こうして世を去っていくのを「見送る」のは、とても「寂しい」ものですね。

 

あらためて、「偉大な芸術家」、ミシェル・ルグランのご冥福をお祈りしたいと思います。

 

合掌...。

 

ミシェル・ルグラン(1932.2.24-2019.1.26)

 

 

 

 

 

(daniel-b=フランス専門)