「4月8日」は、ジャック・ブレル(1929-78)の「誕生日」でした。
今年は、「没後40周年」(10月9日が「命日」)、来年が、「生誕90周年」の「記念の年」に当たりますので、「特集」でお送りしています。
https://ameblo.jp/daniel-b/themeentrylist-10096189787-1.html(これまでの記事一覧)
今回お届けする曲は、「Bruxelles "ブリュッセル"」(1962)という作品です。
この作品も、「le plat pays "平野の国"」(1961-62)(8日付けにて紹介)同様、それまでのフィリップス社から、バークレー社に移籍となった1962年3月に、初めて録音された曲の1つです(3月14日録音)。
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12366691526.html(「平野の国」の記事)
この作品については、これまでにもいくつかの記事で紹介していますが、ここで、あらためて「おさらい」をしておきましょう。
「私は、ここで、1900年のブリュッセルを描いた。私の子ども時代のブリュッセルでないのは、あまり好きになれなかったし、たいして語ることもないから。はっきり言うと、ブリュッセルでもボルドーでもどこでもよかったんだ」(永瀧達治訳。アナログ盤の「大全集」解説より)
と、ブレルは話していました。
ブレルの「少年時代」というのは、まさに、当時の「ナチスドイツ」の侵攻が始まった頃で、2003年に「解禁」となった、最晩年(1977年)の作品「mai 40 "1940年5月"」にも、そのことが歌われています(他に、1966年の「mon enfance "子どもの頃"」などにも...)。
そういうこともあってか、この「Bruxelles "ブリュッセル"」という作品では、ブリュッセルが、最も「華やか」で、「輝いていた」頃。おじいさんや、おばあさん(祖父母)の「若かりし頃」が描かれているのです。
最後は、「かつての"勢い"が、今では、もうなくなってしまった」と言いたいのでしょうか。回転が落ちた「蓄音機」のように、「速度」が落ちて、やがて止まってしまいます。ちょっと、エディット・ピアフの1942年の作品「le disque use "すり切れたレコード"」の最後の部分をも思わせる演出です。
ブレルには、もう1曲、「Bruxelles」という作品がありますが、こちらは、「1953年以前」に書かれたもので、現存しているのは「歌詞」だけとなります。詞を見る限りでは、「抒情的」で、多分に、「メランコリック」な感じも受けます...。
こちらの記事もあわせてどうぞ...。
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12294018113.html#iine(パリ&ブリュッセルの旅行記より)
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12152319308.html(「クノック1963」の記事)
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12160995814.html(ヨハン・ヴァーミネン「Brussel」)
上掲の2つの映像ですが、最初のものが、1962年の「オリジナル録音」です。歌われているのが「1900年のブリュッセル」ということなので、こちらを選んでみました。
2番目のものが、1963年7月23日、ベルギーの「マリン・リゾート」、クノックのカジノで行なわれた、「トゥール・ド・シャン・ヨーロッパカップ」(大規模な音楽コンクールです)での「ゲスト・ライヴ」からの映像です(注:映像を差し替えました。曲は「Bruxelles」のみです)。
「全曲盤」(約35分)は、現在では載せられる映像がありませんが、こちらには、前半の4曲、すなわち、「Bruxelles "ブリュッセル"」(1962)、「Rosa "ローザ"」(1962)、「la Fanette "ファネット"」(1963)、「les fenetres "窓"」(1963)までが収録されています(約14分)。
「la Fanette "ファネット"」、「les fenetres "窓"」の2曲は、その3ヶ月前に録音された、当時の「最新曲」です。「la fanette "ファネット"」については、上掲の「クノック1963」の記事に「歌詞対訳」を載せていますので、そちらもぜひご参照ください。
続いて、ブレル以外の歌唱映像から...。
こちらは、「旅行記」にも載せた、ドイツとの国境に近いフランスの街、ヴィサンブール(独:ヴァイセンブルク)の大修道院での「合唱」の映像です(2012年6月)。
こちらは、先に、「mon pere disait... "父の想い出"」(1967)の記事でも紹介した、オランダの女性歌手、リースベト・リスト(1941-)による、オランダ語版です。
https://ameblo.jp/daniel-b/entry-12367069147.html(「父の想い出」の記事)
続いては「英語版」です。
前回の記事でも少し触れた、1968年のブロードウェイ・ミュージカル「Jacques Brel is alive and well and living in Paris(ジャック・ブレルは今日もパリに生きて歌っている)」でもこの曲は歌われ、モート・シューマン(1938-91)、エリック・ブラウ(1921-2009)による翻訳が、現在でも「公式」の英語版となっています。その「オリジナル」の音源が見当たらなかったのがちょっと残念ですが、こちらの団体「Stagedoor Manor」(アメリカ、ニューヨーク)によるパフォーマンスも「素敵」だと思いましたので、載せてみました。
こちらは、ブレルの「没後35周年」(2013年)を機に、録音、発売された、フレデリック・ラマンシアによる「オルガン版」のアルバム「voici "このように"」(タイトルは、ブレルの1958年の作品から)のプロモーション映像(インタビュー)です。
「一部分」ではありますが、「Bruxelles "ブリュッセル"」も聴くことが出来ます。また、フレデリックとともに、インタビューに答えている女性が、ブレルの次女、フランス・ブレル(1953-)です。彼女は、「ブレル財団」の中心人物でもあります。
ジュリエット・グレコ(1927-)が、1988年(ブレルの「没後10周年」)以降、好んでこの作品を採り上げています。最後に、こちらの動画を載せておきましょう。
こちらは、2004年のオランピア劇場公演からの映像ですが、なかなか「威勢の良い」歌唱です。ブレルも、彼女のこの「気の強さ」をとても気に入っていたと言います。
ブレルの才能を最初に認めたのも彼女でしたし、互いに、「親友」というか、それ以上に「心のよりどころ」といった関係でもありました。
現在の彼女の夫こそ、この曲の作曲を手掛けたジェラール・ジュアネスト(1933-)で、この公演でも、ピアノを弾いています(ブレルの「クノック1963」でも、もちろん、彼がピアノを弾いています)。
それでは、この「Bruxelles "ブリュッセル"」の歌詞を載せておくことにいたしましょう。
詞は、もちろんブレル自身の手により、曲は、前述のようにジェラールとの「共作」となります(過去には、ジェラール単独の作曲のように表記されていましたが、現在では、大半の曲で「共作」と表記されています)。
それではまた...。
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Bruxelles ブリュッセル
c'etait au temps ou Bruxelles revait
c'etait au temps du cinema muet
c'etait au temps ou Bruxelles chantait
c'etait au temps ou Bruxelles bruxellait
それはブリュッセルが夢を見ていた頃のこと
それは「無声映画」の頃のこと
それはブリュッセルが歌を歌っていた頃のこと
それはブリュッセルがブリュッセルだった頃のこと
Place de Brouckere on voyait des vitrines
avec des hommes des femmes en crinoline
Place de Brouckere on voyait l'omnibus
avec des femmes des messieurs en gibus
et sur l'imperiale
le coeur dans les etoiles
il y avait mon grand-pere
il y avait ma grand-mere
il etait militaire
elle etait fonctionnaire
il pensait pas elle pensait rien
et on voudrait que je sois malin
ブルケール広場にはショーウィンドウがあって
男たちも、広がったスカートをはいた女たちもいた
ブルケール広場を乗合馬車が走り
女たちも、オペラハットの男たちも乗っていた
そして、その2階席では
まるで星の中にいるみたい
そこには僕のおじいさんもいたし
僕のおばあさんもいた
彼は軍人で
彼女は公務員だった
彼は何も考えず、彼女もまったく考えてはいなかった
それなのに、僕には「賢くなれ」とうるさかった
c'etait au temps ou Bruxelles chantait
c'etait au temps du cinema muet
c'etait au temps ou Bruxelles revait
c'etait au temps ou Bruxelles bruxellait
それはブリュッセルが歌を歌っていた頃のこと
それは「無声映画」の頃のこと
それはブリュッセルが夢を見ていた頃のこと
それはブリュッセルがブリュッセルだった頃のこと
sur les paves de la Place Sainte-Catherine
dansaient les hommes les femmes en crinoline
sur les paves dansaient les omnibus
avec des femmes des messieurs en gibus
et sur l'imperiale
le coeur dans les etoiles
il y avait mon grand-pere
il y avait ma grand-mere
il avait su y faire
elle l'avait laisse faire
ils l'avaient donc fait tous les deux
et on voudrait que je sois serieux
サント・カトリーヌ広場の石畳の上では
男たちも、広がったスカートをはいた女たちも踊っていた
石畳の上では、乗合馬車もガタゴト踊っていて
そこに、女たちも、オペラハットの男たちも乗っていた
そして、その2階席では
まるで星の中にいるみたい
そこには僕のおじいさんもいたし
僕のおばあさんもいた
彼は抜け目がなかったし
彼女は彼にすべてをまかせた
それで彼らはするべきことをした
それなのに、僕には「真面目であれ」とうるさかった
c'etait au temps ou Bruxelles revait
c'etait au temps du cinema muet
c'etait au temps ou Bruxelles dansait
c'etait au temps ou Bruxelles bruxellait
それはブリュッセルが夢を見ていた頃のこと
それは「無声映画」の頃のこと
それはブリュッセルが踊っていた頃のこと
それはブリュッセルがブリュッセルだった頃のこと
sous les lampions de la Place Sainte-Justine
chantaient les hommes les femmes en crinoline
sous les lampions dansaient les omnibus
avec des femmes des messieurs en gibus
et sur l'imperiale
le coeur dans les etoiles
il y avait mon grand-pere
il y avait ma grand-mere
il attendait la guerre
elle attendait mon pere
ils etaient gais comme le canal
et on voudrait que j'aie le moral
サント・ジュスティーヌ広場の街灯の下では
男たちも、広がったスカートをはいた女たちも歌っていた
街灯の下では、乗合馬車も踊っていて
そこに、女たちも、オペラハットの男たちも乗っていた
そして、その2階席では
まるで星の中にいるみたい
そこには僕のおじいさんもいたし
僕のおばあさんもいた
彼は「戦争」が起こるのを待っていた
彼女は「父」が生まれるのを待っていた
彼らは、「運河」のようににぎやかだった
そして僕には、「しっかりしろ」とうるさかった
c'etait au temps ou Bruxelles revait
c'etait au temps du cinema muet
c'etait au temps ou Bruxelles chantait
c'eait au temps ou Bruxelles bruxellait...
それはブリュッセルが夢を見ていた頃のこと
それは「無声映画」の頃のこと
それはブリュッセルが歌を歌っていた頃のこと
それはブリュッセルがブリュッセルだった頃のこと...
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(daniel-b=フランス専門)










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