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おだんご日和

Dango茶屋・いちのせの徒然記

 

 

 ナルニア国物語というファンタジーシリーズがあります。

 

 実家にハードカバー本があり、小学3~4年生の頃に初めて読んで感動しました。中学生くらいまでシリーズを繰り返し読んでいた。(高校からは実家を出たので、あまり読んでいない)
 子どもにも読ませたいと思い、古本屋でソフトカバーをまとめ買いしたのだけれど、子どもはほとんど興味を持たず、結局私だけが再読しました。
 数年ぶりの再読は面白かったけれど、当時とは少し違った印象も受けたり、発見も多かったので、作品ごとに分けて書き留めておきたいと思います。

 

 話しはちょっと変わりますが、筆者のルイスはナルニアを「発表順ではなく、ナルニア時間の年代順で読んでほしいと思っていた」という説があります。実際に、読者に向けた文章にもそのように書かれたものが残っているらしく、海外では年代順にならべられたシリーズ本もたくさん発行されているようです。
 しかし、私としては発表順に呼んだ方が圧倒的に面白く、筆者はあくまで「発表順に読んだ後、年代順に読んでみると、伏線と回収がわかりやすいよ」というくらいのつもりで言ったのではないかと邪推しています。(私に原文が読めるわけないので、勝手な想像です)
 ただ、今回の再読で、作品の完成度は後年の作品の方が高いと感じました。年代順に読むとそのバランスが良くなるんですね。最初の3作を前期、後の3作を後期として(最後の1作は特別なのであえて別にします)、年代順に並べると下記のようになります。

 

 

 魔術師のおい(後期)
 ライオンと魔女(前期)
 馬と少年(後期)
 カスピアン王子のつのぶえ(前期)
 朝びらき丸 東の海へ(前期)
 銀のいす(後期)
 さいごの戦い

 

 

 前期と後期が割とバランス良く配置され、シリーズ全体として見た時の完成度は、こちらの方が若干、高くなるかもしれませんし、シリーズ全体を貫く「夢と現実の戦い」というテーマも、こちらの方が伝わりやすくなると思います。
 筆者としては年代順に読んで欲しい、という気持ちもよくわかります。

 

 

 

 

 2017年9月10日(日)、佐賀市の柳町にある南里邸という、いわゆる古民家(文化財)で公演された劇団Ziシアターの演劇です。

 

 古民家の中に小道具を持ち込んで舞台を作りこんでいました。雰囲気があって、かなり成功していたと思いますが、どうしても南里邸の存在感の方が強く、小道具がスカスカに見えてしまう瞬間がありました。観客と舞台の距離が近いことや、照明をたくさん当てる余裕がないなど、不利な点が多かったせいかもしれません。
 文化財のような「力の強い場所」で公演する時には、工夫しなければいけない点なのでしょう。

 

 演出的には、鼻歌とポエムが協奏する場面や、携帯電話のバイブ音がウシガエルの鳴き声になって行くところなど、音を使った演出に素晴らしいものがありました。
 脚本的には、文鎮とスマホを対比して時代の変化(はかなさ)を表現したり、日記と過去の思い出が交差する構成がよかったです。
ただ、建物に対する幼い頃の思い出と、現在の印象を対比しての「せまくなった」「やっぱり広い」は、文学的ではあるけれど、演劇的には伝わってこなかった。何かギミックがあったり、実際に片付けが進んで「ホントに広くなる」などの変化がないとわかりにくいのではないかと感じました。
それと、気になったのは50分という短めの作品で、こんなに観客との距離が近く、照明などの効果に頼れない状況なのに、物語中で日付が変わるところです。たしか、二晩くらいの物語だったと思うのですが、どう考えても50分の実時間の物語で作った方がよかった。
構成を工夫すれば、十分可能だと思います。

 

 と、まぁイチャモンのようなことも書きましたが、そういう部分もあったというだけで、巧みな演出の端正な良作でした。

 

 あと、「ドクダミ茶が臭い」という表現があったけれど、うちの母が作ってたやつはそうでもなかったので、「なんでだろ?」と思ってしまった(きんかんの葉で作ったお茶の方がすごい味だった記憶がある)。まぁ、これは私が飲んだやつと種類が違っていたのでしょう。

 ひさしぶりにドクダミ茶を飲みたくなった。

 

 

 

 

 ドリームワークス製作の3DCGアニメーション映画。

 

 ブラッドピットが声優をしていて、かなりの大作のハズなのですが、日本では劇場未公開でソフト化もされていないそうです。ドコモのDTVで配信されていたものを見ました。
 悪の帝王「メガマインド」と正義のヒーロー「メトロマン」が、世界の平和をかけて戦っている・・・つまるところ、ばいきんまんとアンパンマンみたいに、正義と悪が永遠の戦いを繰り広げている予定調和の世界なワケです。ところが、ある日メガマインドはメトロマンをやっつけてしまいます。
 最初は大喜びしたメガマインドだったのですが、人生の目標を失ってしまったことで、迷走し始めます。

 

 観客の価値観を揺さぶりつつ、しっかりとしたエンターテインメントになっていて「これはもしかして、『みすてないでデイジー』以来の大傑作なのではないか?」と興奮しながら見ていました・・・途中までは。

 

 最後のまとめのあたりで、メガマインドが正義に目覚めてしまうんですね。残念なことに。
 もしも、最後まで悪の帝王という自意識を失わないまま、それでいてヒーローになることができれば、メガマインドは21世紀の傑作映画になっていたのではないかと思います。

 

 

 

 

 初めて三池監督の良さがわかりました。


 とても映像がリッチに見える。でも、よく見ると力が入ったセットは数えるほどです。

 カットの組み立てが上手なのですね。映画を完璧に掌握しているのだと思います。

 

 あと、観客の感覚と作品世界のズレの面白さも感じました。滅茶苦茶なことを大まじめにやっている面白さと言うのでしょうか。

「妖怪大戦争」や「ヤッターマン」は、そのズレが気持ち悪かったけれど、逆転裁判はズレが面白かったです。

 今まで、あまり良さがわからなかったのですが、ちょっとだけ三池監督が好きになりました。

 

 ただ世間では、この映画の評価は低いらしいです。う~ん・・・自分の審美眼に疑いを持ってしまう。

 

 あと、いろいろあって2018年現在、引退状態になっている成宮寛貴さんが主演しているので地上波ではなかなか見れない作品かもしれません。無料配信などで見かけたら、この機会に鑑賞してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

長編ストップモーションアニメには、少年とその姉を登場させようと考えていました。

「姉」の人形を作るための試行錯誤の記録です。

 

 

 

↑軽量紙ねんどで作り、水彩風に色塗りしました。

スカートやエプロン、髪型など、なかなかよくできたと思いました。

 

↓頭だけを入れ替え、髪型や顔付をテストしました。

 

 

↓人形の雰囲気を変えて作ってみました。

 

 

 

↑これも良くできたと思います。

しかしシナリオの変更に伴い、姉の役割が変わってきて、このデザインは使わないことになりました。

「村人1」のような感じで登場するか、生まれ変わって別の作品に出演してくれると思います。