時々、小選挙区制の導入は失敗だったんじゃないかという意見がメディアに出る。
そうだろうか?
とある市議会議員がSNSで、「佐賀県選出の国会議員、F氏とI氏は素晴らしい方なのに、小選挙区で敗北して比例で復活当選した。県民のみなさんは、もっと二人の業績と人間性を評価してほしい」という意味合いのことを書いていた。
二人は素晴らしい方なのだろうけれど、小選挙区の当選は難しいだろうと思う。
それぞれ、佐賀市、唐津市を地盤にしているが、どちらの市にもそれぞれ「オスプレイ受入れ」と「玄海原発」という県民の意見を二分する問題がある。二人が与党自民党である限り、2つの問題を判断基準にしている一部の県民はよほどのことがないと投票してくれない。自分の意見を国政に反映させることができないからだ。
「一部の県民」と書いたけれど、低投票率の時に1~2割もいたら大打撃だろう。
地盤となる地域の重要な問題に関しては、党議拘束をしないとか、ゆるめるとかしないと、問題を抱える地域で選挙を戦うのは厳しいだろう。
小選挙区制と党議拘束が有権者と議員を引き離し、議員と政党を近付ける。これでは、議員を通して政治に働きかけるという流れがなくなり、議員は政党の方針を地域に説明する営業マンになってしまう。
そもそも小選挙区制は、選挙区を小さくすることで各地域の代表者を国会に送るシステムだったはずなのに、党議拘束がそれをゆがめているのではないか?
小選挙区制の問題というより、党議拘束の問題、もしくは「政党のあり方」や「政党の中での議員のあり方」の問題なんじゃないかと思う。