精細に描き込まれた切り絵アニメーションで表現されていて、独特の作品世界が展開されて行きます。
なんだかヘンテコリンなことが、淡々と起こって、淡々と進行し、淡々と終了して行く。グロテスクで、淡白で、ワケがわからない。
ストーリーは「巨大な体を持ったドラーク族に支配された惑星で、虫けらのように扱われている人類が自分たちの世界を確立するまでの闘い」を描いている・・・と言って良いのかなぁ?
とにかく絵も物語も異様で目が離せない。まるで、知らない昆虫とか深海生物の生態を淡々と写したドキュメンタリーを見ているような感覚になる。
オリジナリティのある作品に「豊かな想像力」と気軽に言ったりするけれど、ホントに想像力が豊かだと、こういう作品になってしまうんだなぁ。
どういう経緯で作られたのか知らないけれど、芸術家の想像力をコントロールするプロデューサーがいなかったのか?それともあえて暴走を許して、唯一無二の作品を目指したのか?
「スゲーモノを見てしまった感」がすごい。
たぶん、「千と千尋の神隠し」以降の宮崎駿作品の世界での受け取られ方って、こんな感じなんだろうと思った。
ラストは、想像力の暴走を物語に落とし込むことができなくなり、なんだか、淡々と物語が処理されて終わる。これもドキュメンタリーっぽい。