今さら、年末年始のハナシ④ | おだんご日和

おだんご日和

Dango茶屋・いちのせの徒然記

ここ5年くらい、年末に「佐賀ダンスフェスティバル」を撮影しています。
佐賀県の小中高のダンスサークルが集まって開催するダンスの発表会です。
昨年までは「この一日のために必死で練習してくる若者たちの姿」に、美しさと、はかなさのような感動を感じていたのですが、今年は少し違いました。



彼らのダンスは、その日限りのはかないものなのですが、5年も続けて見ていると、使用される曲やダンスの流行り廃り、イベント自体の成長など、少なからず歴史的な視点が芽生えてきます。
去年があるから今年があり、今年があるから来年があるという「受け継がれて行く魂のようなもの」を感じました。
「そうか、私たちは、この魂のために生きているし、生きて行かなければならないのか」と、当たり前のことを実感して感動したのです。




最初に撮影した年に、某中学校のダンスサークルが「モーニング息子。」と名乗って、コント仕立てのコメディタッチなダンスを踊っていました。
決して上手くはないけれど「授業や教育から離れたダンスを踊りたい」という意思が伝わってくる楽しいダンスで、割と真面目な創作ダンスが中心だった当時のダンスフェスティバルの中では、どちらかといえば異色の存在でした。
しかし、年を追うごとに彼らの意思が広がって行き、彼らの世代が高校に進学した年から爆発的に「自由なダンス」が広がったのがわかりました。
そして今年、そういった「自由なダンス」が洗練され始めたことも確認できました。もはや、一過性の流行ではなく、なんらかの「流れ」「うねり」ができようとしているのだと思います。
(それがどんな流れなのか、うねりなのかまでは、わかりませんが…)




歴史は瞬間の積み重ねであり、その瞬間を作っているのは個人やせいぜいグループといった小さい集団なのだという、ごくごく当たり前のことを実感できたことはとても勇気になりました。




ちなみに、今年のダンスフェスティバルは大方の予想通り「AKB48」と「K-POP」のコピーに支配されていました。
そんな中で「ハイスクールミュージカル」と「アフリカ(ライオンキング?)」をテーマにしたチームがいくつかあり、大変興味深かったです。