以上が講義内容の抜粋です。
もっと詳しく知りたい方は
松田武雄「近代日本社会教育の成立」
大串隆吉「日本社会教育史と生涯学習」
国立教育研究所編「日本近代教育百年史」
などをご参照ください。
さて、戦前・戦中の教育にたずさわっていた人々の反省は徹底していました。
社会教育においては、公民館主事も社会教育主事も国民に対して
「指導・助言ができる」と法律に明記してあります。
これは裏を返せば「指示・命令はできない」ということです。
学校教育についても「権力から自由に」教育ができると明記されています。
この権力には「国家権力」も含まれていると考えられているそうです。
(少し話はズレますが)
戦前・戦中に、教育や法律の主旨がゆがめられ、
形骸化したシステムだけを利用された経緯を体験した人にとって
「日の丸」「君が代」が認めることのできないトラウマになっていることも理解できます。
大体の歴史的な流れだけを知っていて、何となく納得しているつもりになっていたことを
細かく、具体的に学ぶことができたのは大変有意義でした。
また、法律の主旨を無視して形だけを利用する人というのは、
今も昔もいるのだなぁと感慨深いです。
ズルい人っていうのは、いつの時代もいるんですよ。
こういう講義なら機会があれば、また聞きたいと思います。
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