今現在(2010年4月)、ジャンプで連載されている漫画のうち、確実に歴史に残るのは「ワンピース」でしょう。
しかし今現在、漫画の歴史を作っているのは「ハンター×ハンター」と「NARUTO」だろうなぁー、と思います。
「ハンター」は、古いタイプの連載漫画の最高峰でしょう。
描いている間にどんどんテーマが変わって行き、作者自身も次の展開がわからないまま、
漫画のテンションが限界まで高まって行きます。
こういう呼び方が正しいのかわかりませんが、ドラゴンボール形式の究極です。
漫画のテンションが限界を超えた時、いったい何が起こるのか、毎週楽しみにしています。
「ナルト」は、それよりも少し新しいタイプの連載漫画で、最初から作者の描きたいテーマは決まっています。
テーマが決まっているという事は結論も決まっているという事ですから、
作者はその結論を読者に納得させる為、また自分自身が納得する為に連載を続けます。
(この新しいタイプの連載で一番成功したのは「魔人探偵脳噛ネウロ」でしょう)
ナルトの面白いところは、テーマも結論も決まっているくせに、作者が迷っているところです。
この迷いを「単なる連載引き伸ばしだ!」と否定する人もいますが、私はいいんじゃないかなと思っています。
もともとは単なる復讐譚だったのに、戦争とか平和とかまで語り出して収拾がつかなくなっていますが、
その収拾がつかない感じを私は嫌いじゃありません。
むしろ、当然の帰結として受け入れています。
作品自体は上手くまとまらないかもしれませんが、最後まで描ききってもらいたいです。
歴史に残ったのはドラゴンボールでしたが、その後の漫画家により大きな影響を与えたのは
ジョジョやスラムダンクでした。
同じように、ワンピースは歴史に残るだろうけれど、漫画家たちにより大きな影響を与えるのは、
ハンターとナルトのような気がします。
「ハンター」にしても「ナルト」にしても、戦後日本が歩んできた道、温めてきた思想を
表現できる可能性が秘められていると思います。
両作品はアメリカを始めとした諸外国でも人気があるらしいですから、ぜひとも最後まで描ききって、
世界の若者たちに戦後日本の思想を広めて欲しいと思います。
…それが本当に良いことなのかは、私にはわかりませんが…。