練習は、私と役者が確実に集まれる22~24時を中心に組みました。
演出で一番悩んだのは、腹話術師ケンジのキャラクターです。
イブやカンタに対して愛を持っていないといけません。
でも、彼らを殴ったり蹴ったりする狂気も持っていないといけません。
最後に救われた時に、観客が「よかったね」と思えるような可愛らしさもなければいけません。
でも観客に「コイツ、キモい」と思われなければいけません。
白石さんは、この相反するキャラクターを統一しようと必死になっていました。
演出として有効なアドバイスができたのか自信がありません。
もしもケンジが観客に受け入れられたのならば、それは白石さんの力です。
受け入れられなかったのならば、演出の力不足です。
けっこう笑いも起こっていたし、それなりに受け入れられたと思うのですが…。
楽しかったのは、カンタの妄想シーンの撮影です。
ビデオカメラは完全にタカムクさんにお任せして、私はイブの操作に集中しました。
昔、週刊少年マガジンに載っていた「スミレ16歳!!」みたいに人形を抱えて撮影しました。
いやぁ、楽しかった。
動画:http://www.dangodyaya.com/blog-movie/kanta_movie.wmv
(携帯からはみられません。)
脚本の書きかえは、思いのほかスムーズでした。
一週間もかからなかったのではないかと思います。
クガさんの脚本から「身の程を知る」というテーマが読み取れたので、
テーマに沿ってネタを散りばめたつもりです。
カンタをただの人形からガンプラに変更したのも、カンタが身の程を知るのを強調するためです。
(ちょっとガンダムネタに走りすぎた感はありますが…)
ただ、脚本そのままでネタを追加すると上演時間が長くなってしまうので、脚本もネタもかなり削りました。
クガさんの脚本では数か月間を描いていたのですが、一晩の物語に整理してしまいました。
後半が性急な感じになってしまいましたが、上演時間40分を超えたくなかったので涙を呑んで割愛しました。
エンターテインメントである以上、お客さんが見やすい長さを意識するのも大切だと、
ムービーマーケットで学んだので…。
イブの等身大人形は「平家物語」とか「高橋宗太郎と雨の殺人事件」の劇中ポスターなんかで使っていたものを改造して使いました。
ヒジやヒザは、わざと雑に作って人形感を強調したつもりなのですが、お客さんにちゃんと伝わったでしょうか…。
伝わらないこだわりは、時に「さぶく」見えるので注意しなければいけないと思っています。
