「アルバイトの価値観」


「アルバイトが働いてくれない」そんな悩みはないですか?私は結構悩みました。程度の差はあっても必ず頭を悩ませる問題のひとつでした。
解決の糸口は、アルバイトをしていた時の自分の経験です。
アルバイトをしていた時に、仕事と言うものをどういう見方をしていたか、社員や店長、同僚のアルバイトの行動にどう感じていたか?というものを思い出して洗い出す事にしました。細々としたことは省いて結論めいたものを記します。

アルバイトが思うように働かない原因は職場にあって、アルバイト本人達には無いということ。これは、前回にも述べたように「環境」を用意できていないことに起因します。環境を用意できない管理者は失格であると言わざるを得ません。良い人材を育てるどころか、やる気さえも削いでしまいます。
キーワードは「楽しい職場では無く、面白い職場」にすることです。
皆が「和気あいあい」と楽しく働くのではなく、仕事そのものが面白い物であるということを演出するのです。その為にはどうするのか?ひとえに、管理する側が興味を持って勉強をすることです。マニュアルや指導教育に無いものを吸収しそれを伝える。
例えば「ビール」。
ビールサーバやドラフトといった機器の使い方、注ぎ方で見た目だけでなく味も変わるということを知り、しっかりそれを教える。どの飲食店でも一番売れる商品のひとつだと思います。どこの店にもありますしね。そのビールをいい加減に提供している店が非常に多い。もしそのビールをきちんと提供できたとすれば、それだけで他店との差別化になりますよね。注ぎ自体は簡単ですが「美味しく注ぐ」には知識も経験も必要です。それをアルバイトが出来たとしたら?アルバイトの自信になります。でも注意しなければいけません。「出来た」からと言って、その者が「教える」事ができるとは限らないのです。教えるということにも技術が必要です。良い指導ができる人間は良い作業ができます。理解度が低いと例え仕事ができても、他人に伝えることができません。言葉にできないし、接客と言う経験が物を言う仕事なら尚更です。体験を体験として終わらせずに、きちんと経験として後につなげる事が大事だと思います。

通り一遍に作業を説明するのではなく、「なぜ」「どうして」そういう作業をし、そういうやり方なのかを理解させる。そういう指導の仕方を是非実践していただきたいと思います。そういう教え方で学んできた者は、自分が教える側になったときに同じように教育しようとするでしょう。ですから「やりかた」を教えるのではなくて、その作業に対する「思い」や「背景」を伝えるように指導するのです。「お客さんに美味しいビールを召し上がっていただく」そういう「思い」をです。

アルバイトは「損得」で働きに来ます。「稼ぎ」に来るのです。でも、社員と違って気に入らなければさほど我慢せずに辞めていきます。同じ条件で他にも職があるからです。「気に入らなければ、辞めればいい」と言うことです。その気持ちを変えられれば貴重な戦力として職場に貢献してくれるでしょう。でも「正邪」という考え方も持っているのです。それが顕著に見られるのが社員や先輩、職場への批判です。「生意気」な発言と取られがちですがそこには真実が見えることが多いのです。その部分をしっかり汲み取りより良い職場環境を作る。ヒントは彼らが提供してくれる。そう考えて行動してみてはいかがでしょうか?

お客さんとのトラブルがあったとします。そのトラブルはひょっとするとお客さん側に原因があったのかもしれない。もしそうなら対応したアルバイトをただ怒るのではなく、間違っていたところと正しいところをきちんと指摘、評価する。そして対処方法を提供、或いは他のスタッフと共に考え今後に繋げていく。個人の問題であればあるほど、全体で検証し解決法を見つけるべきだと思います。ミクロな問題はマクロに、マクロな問題はミクロに思考を巡らしましょう。


私は怒りっぽいというか短気です(笑)
ですが、アルバイトに怒ることはしないように勤めています。「怒る」と「叱る」は別のものです。「馬鹿」とか「お前はだめだ」とか絶対に使いません。(演技のひとつとして使うことはあります)
私は「怒っている理由」を説明することにしています。ですから叱るときの第一声は「私は今怒っています」です(笑)。そうすることによって短気な私は客観的になり、叱られる相手は説明を聞こうとしてくれます。そして質問や疑問を相手に伝えその答えを得ます。「会話」をするわけです。そうすることでひとつの問題を共に考え、解決する。「叱る」行為がモチベーションの元になるのです。第一にアルバイトの失敗が職場や管理者に責任が無いとはいえないですから。

こういったことがアルバイトに伝わり、職場での規範となれば「損得」の意識が薄れ「正邪」の価値観へと変わっていくものと思います。


アルバイトが味方になってくれる。そんな経験を私は何度もしています。だめな店長より頼りにしてくれるといった場面もありました。アルバイトは当てにならないどころか、薄給で頑張ってくれる仲間です。でき得る限りの事を私はしていきたいと考えています。部下達はあなたのずるいところを、よく見ていますよ。清廉潔白に生きろとは言いません、ちょっと悪い方が人間臭くて好きです。でも、損得を正邪に優先させる事だけはするべきでは無い。悩んだ時こそ正しい事をするべきです。

長文かつ駄文であると読み返して思います。私の表現力の限界ですな(笑)
でも、少しでも悩んでいる方たちの力になれればと思います。
『判断・決断の基準』

商売とは儲けることでしょうか?儲けるために商売をするのなら、私の言うことは役に立ちません。今すぐ、読むのをやめて金儲けの方法を見付けてください。
商売をしてきた結果、儲かるというのが私の考え方ですので悪しからず。

私は商売は儲かることよりも続けられることの方が大事だと考えます。
店が人間だとしたら、大儲けして五年で潰れるのと、大きな儲けはないが三十年続いている店と比べた時、生物学的に考えれば長く生きてる方が勝ちです。
私は同じ商売をするなら、長く出来る店にしたい。その為にはどうしたら良いかと言うことばかり考えていました。

そんな時に経験したエピソードを一つ。

友人の家へ招待され、彼の車で向かっているときでした。
交差点で立ち往生している老夫婦の運転する軽自動車がありました。彼は何も言わず路肩に車を寄せると、さっさと車を出て行くではないですか、私はとっさのことに「?」。
と見守っていると、彼は立ち往生している軽自動車に駆け寄り、二言三言運転手と言葉を交わすと車を押し始めました。彼の行動の意味が分かった私は、すぐに手伝いに行きました。
その軽自動車は、エンジントラブルで立ち往生していたのです。

彼は車を安全な場所に移動すると、知り合いの修理工場へ電話をしレッカー車の手配をし、手帳から紙を千切り、修理工場の電話番号を書いて、老運転手へ渡しました。

名前を聞いてくる老夫婦に彼は、「いや、お互い様ですから」と言って後にしました。

車に戻り、共通の友人の話などをしながら、家につきました。家につくと奥さんが「遅かったね~」と一言。彼は「うん、ごめんごめん」と答えるのみで交差点での出来事は話ませんでした。その晩彼の家で食事をしたのですが、奥さんとの間でその話題は、結局出ませんでした。

後日、そのことを彼に話すと笑って「え、話すことでもないじゃん」私はショックでした。私ならきっと自慢気に話した事でしょう。私が彼にそういうと、「そりゃもちろん何故、遅れたか聞かれたら話すよ」と答えてくれました。
彼が老夫婦に名前を告げずに言った言葉「お互い様ですから」。彼にとっては本当に特別の事ではなかったのです。もちろん、修理工場で彼の連絡先を聞いた老夫婦からお礼があり、奥さんはその時に知ったそうです。

そんなことがあり、彼から学んだことがあります。
彼の行動規範は「損得」ではなく、「正邪」で判断しているのだと。
こうして、こうなると損するから、これなら得をするからで、物事を判断するのではなく「何が正しく、何が間違っているか」なのだと。
考えてみると得することって、そうそうあるものじゃありませんよね。「損得」で物事を判断する人は、結局損しない様にしか生きられないと思います。どっちが得かと悩んでいるうちに、問題の本質を見失い目先の利に、飛び付いてしまう。
「正邪」で物事を考えれば、本質を見失うことはありません。あるべき方向が見えてくるはずです。

タイトルの「損得正邪」とは、このことです。

タイトルの意味をお話ししたところで、前回話したアルバイトの件を「損得正邪」にからめて、次はお話しします。
…3へ続く
『モチベーションを上げるためには』

アルバイトの感覚、これってどうでしょうか?
多くのアルバイトの目的は、お金を稼ぐことであって、その職場への思い入れは
さほど高くないと思います。
気に入らなければ他の店に行けばいい。
時給だって大して変わりません。
ましてや、他店より給与の水準が低ければ尚更です。
それでも働いてもらう為にはどうしたらよいのか?

「働きたい」と思う店にすることです。単純なことです、その要素の一つとして、高い時給があったり、制服が可愛かったりするのですが、それらは本質的なことではありません。
その本質とは、働くためのモチベーションをどの様に提供するかです。働く事、それ自身に魅力を持たせるということです。
私の考えは、現場にいる人間は同じ仕事をしているということです。内容からクオリティまで。アルバイトには責任がないだけで、特に営業中に行う仕事は社員も店長もアルバイトも同じなはずです。。

新人に限らず、新しい作業を教えるとき等、ただ単に仕事のやり方を教えるのでなく、なぜこの仕事が必要なのか?なぜそういうやり方をするのか?そうすることによってどういう結果が、予測或いは得られるのかということを、しっかりと伝えること。これが非常に大事です。
作業の意味(背景)を知る事で、習熟してくればもっといい作業方法が見付かるかもしれない。それを新たな作業標準にする。個人のやり方だった物がより良い作業方法であったりしたならば、作業従事者全ての共有とするということです。それをみつけたアルバイトには、それなりの評価をする。それを繰り返していけば、作業効率や確実性が増すだけでなく、評価そのものは本人のみでなく他の従業員への励みとなるでしょう。一つの例ですが、そういう環境を作る事でモチベーションが上がり始めると思いませんか?


私は「モチベーションとは、自分で喚起するものではない」と思います。「周りからの影響に非常に左右」されます。これに気づかない管理職の方達を何人も見てきました。
実際、「部下が働かない」のではなくて、「働けない状況」にしている事の方が遥かに多い。

良い部下(仲間)がいるから良い仕事ができます、良い環境を作り出せない管理職に良い部下は現れてはきません。

以下 2へ続く。