オープンしたてから、1年くらいはそこそこ営業できたが、最近は前年割れで、サービス券やポイントカードも効果が薄くなって来た…。なぁ~んて、良く聞く話ですね。

駄目になった理由があるはずです。その理由を、景気や立地のせいにするなら、何をしても無駄です。とっとと商売やめた方がいい。いい店ならそんなものに左右されませんからね。景気に関係なく、繁盛している店はありますし、こんなところに?といった立地でもお客さんが入っている店が有ります。立地なんてものは、繁盛店の要素の一つであって、絶対的なものではありません。ましてや、景気のせいにするなら客商売は向いてません。

なぜこの二つを理由にしてはいけないか?自分達の責任じゃないからです。自分で責任が取れ無い事が原因じゃ、直しようがないじゃないですか。ということは、直す気が無い人の為にある言葉なんです。

繁盛店の要素はまだ他にもたくさんあります。それらが欠けているから、或いは欠けてしまったからダメになったのです。立地と景気のせいにする奴とは、仕事になりませんよ。

それでは、何から手をつけましょうか?

メニュー?商品ですものね大事です。店舗の改装?変化が分かりやすいですね。
まぁいろいろあります。でも、とりあえずは接客でしょう。接客を変えましょう。現状の接客方法に必ず間違いがあるはずです。それと同時に客層が悪くなっていませんか?未成年が酒をのんでいたり、やたら騒ぐ客がいたり、他の客にちょっかいをだしたりなんてことありませんか?もし、あるようならそれを無くしたいですね。

先ずは接客、礼儀だとか言葉遣いだとか、後回しでいい。大事なのはもてなす気持です。
もてなす気持って何でしょう?
単純です、あなたの家に親戚が来るとします。親たちは、どうしてましたか?おかぁさんは、もてなす料理を作るために買い物に、おとうさんは迎えに行くために車を洗車、あなたは、掃除をさせられていたかもしれない。ひょっとしたら、わざわざ布団を新調してるかも。なぜそんなことをするんでしょう?見栄を張りたいから?そんな人もいるでしょうけど、きっと多くの人はお客さんに快適に、過ごして欲しいと思うからです。「もてなす」ってそういうことだと思います。いつもは飾らない花まで、うちの母親は買ってました(笑)

接客はもてなしです。だから、来てくれたお客さんには快適に過ごしてもらいたい。そういう気持が伝われば、身についてない作法や、言葉遣いなんて無意味です。もてなす心があれば通じるものです。そして、あくまで「技術」として、作法や言葉遣いがあると思ってください。心がない敬語や謙譲語は、冷たい言葉にしかなりません。「もてなそうとする心」これ、大事です。

迷惑なお客さんを排除する、これはお店の環境を整える為のものです。なにも、帰れと追い出す訳ではありません。仮に騒ぐお客さんがいたとしても、この店だから騒いでいるのだと、知ることです。そんなお客さんでも、豪華なレストランでは騒がないでしょ?「そんなのあたりまえじゃん」そう、当たり前。騒ぎに行くところじゃ無いですからね。そのお客さんだって、どこでも騒いでいる訳じゃない。という事は?あなたの店に騒ぎに来たんですよ、料理や雰囲気を楽しみに来たんじゃなくてね。そう、そのお客さんにとっては、あなたの店は騒ぐための店なんです、「~店なら、騒いでも大丈夫」と選んだんです。残念なから。
そうじゃない店にすれば騒がなくなりますよね、というわけで、前回の「無駄と余裕を考えた」を読んでない人は、読んでみてください。

そして、迎える側の自分達の気構えって奴を次回に書きますね。
店にとって迷惑なお客さん、いないにこした事は無いのですが、どうしてもでて来ちゃいますね。これはある意味仕方が無いといえます。いろいろなお客さんが来るということは、繁盛店の要素でもありますからね。問題は店側がそういう雰囲気を演出してはいないか?ということです。だれも、そんな店を作ろうなんて思ってはいないでしょう。でもそうなってしまう。演出とは店の雰囲気作りの事ですが、それが巧くいってないのです。やりたい意図がお客さんに伝わっていない。作業のシステムやオペレーションが機能していないということです。

学校の授業で騒がしい時ってありますよね、寝ていたり、おしゃべりしていたり、漫画読んでいたり。そんな授業を担当していた教師は決まってます。その教師の授業だから騒いでる訳です。同時に騒げない教師ってのもいたわけです。言い方を変えれば授業を受けようとさせられた教師。とでもいいますか。早い話が相手を見ていたわけです。

こんな事からヒントをもらって考えてみました。

あるお客さんが注文をするとします。近くに店員がいなければ大声を出して呼びますよね。その声があちこちから上がれば、それだけで騒がしい店になります。それはそれで、活気があっていい物かもしれませんし、私自身嫌いな雰囲気ではありません。ですが、二回三回と繰り返し呼ばなければこないとなると、回数ごとに声も荒くなりがちです。そのような声が増えて来たら店の雰囲気は悪くなりますよね。忙しくて人が足りない、最悪の言い訳ですね。「忙しくなる為に」=繁盛店にする為に店をやってるんですから。これは従業員が店(ホール、客席)をコントロールできていない状態な訳です。コントロールできなければ、勝手な事をする人間がでてくる。学校の授業と同じです。「この店なら監視が甘いから未成年でも酒が飲める」なんてなことに、繋がりやすくなります。

具体的な解決方法は、従業員のホールでの待機です。待機とは何か?、ぼんやり待つ事じゃないですよ、機(チャンス)を逃さない様に待つ事です。そこで大事なのは待機場所。多くのお店では、デシャップ前やドリンカー前にいる事が多いようですが、駄目ですね。例え見渡せる様なホールでも、何カ所かに分けて待機させるべきです。大声を出さずに済む距離にスタッフを配置する。細かく配置をすれば目も配れます。放っておいてもサービスの質が向上します。空いた食器を片付けたり、ドリンクの追加を取るタイミングを見たり、ひょっとしたらお客さんが声を上げる前に、目が合ったりしてテーブルへ行く事が出来るかもしれない。素早いサービスにも繋がります。

私は店のスタイルや規模にも依りますが、スタッフの最小人数は五人としています。内訳は来店時のウエルカムスタッフに一人、ドリンカーに一人、ディシャップに一人、ホール担当に一人、責任者が一人。の計五人です。最悪四人ですね。それ以下では店舗のコントロールは出来ません。ドリンカーやディシャップは承けた注文を提供するのに必要です。ウェルカムはないがしろにされがちですが、お客様の第一印象に繋がりますから是非実施して欲しい。スタッフの配置は絶対的な物ではなく、店舗の繁忙度に応じて有機的に変化させる事が大事です。入店が立て込んだ時にはウエルカム担当にドリンカーからヘルプに行く、注文が立て込めばディシャップがヘルプするなど。そうして空いてしまった処には責任者が目を配る。料理や飲み物のオーダーが無い時には担当者は、ホールへ出てお客さんのテーブルに気を配る。そうやっていると、従業員がおしゃべりしていて、お客さんに呼ばれても気がつかないなんてことは無いはずです。

このように、システムを理解した上でオペレーションを組む。基本と言えば基本です。でも、できてる店いくつありますか?ヘッドマイク(インカム)つけていても、どうしようもない店があるのに、おばちゃんばかりの店でも気配りが出来ている。なんて言う経験、皆さんもあるんじゃないでしょうか?

監視ではなく、気を配る。これが第一です。それがおろそかになると、店のコントロールが利かなくなります。コントロールできなければ、お客さんのやりたい放題。結果、振り回される事になる。振り回されれば、無駄な仕事が増える。人が足りなくなり、サービスの質が落ちる。その繰り返しで、駄目な店になるわけです。晴れて「駄目駄目スパイラル」へ突入です。そんな店に、自分の大事な人を連れて行きませんよね。いい加減な使われ方しかしない店になっちゃいます。


そんな店から変化させる為に、まずはスタッフの立ち位置を考え直してください。
1,入店時にお客さんを迎えられる位置。
2,ホール内を見渡せる位置数カ所に一人ずつ配置。
3,2のスタッフを見渡せる位置に責任者
この三つを実践してみてください。
責任者は店全体を把握し、必要に応じて2のスタッフへ指示を出すなどもできます。
これだけでも違うと思いますよ。

それでは、実際のオペレーションをシュミレートしてみましょう。
お客様来店
1が出迎え、人数等を聞きおしぼりを用意しテーブルへ案内、ドリンクのオーダーのみ取る。ドリンカーへオーダーを通し、ウエルカムの定位置へ戻る。
ドリンカーが注文をそろえる
2のホール担当がドリンクやお通しを運び、フードメニューの注文を受ける。

ここまでで、一つの区切りとします。この時点でニューゲストのウエルカムからファーストオーダーまでのワンサイクルが終わります。この後は料理の提供と追加のオーダーへと流れます。
大事なのは席案内に一人、おしぼりに一人、飲み物オーダーに一人…なんてやらないこと。ここまでで、ドリンカーの人間を抜けば二人で済んでいます。オペレーションがスムーズであれば、無駄な人員も削減できます。そうして本当に必要な人数を見つけるのです。そして余裕の出来た人員を減らすなり、必要な場所に配置する事が可能になります。無駄は歪みをうみます。余裕と無駄の違いをわかっているでしょうか?無駄が無くなるから余裕が生まれるのです。その余裕は接客の向上へと繋がります。良い接客がある店には、良いお客さんが集まります。


さてと、実際に手に負えないお客さんを前にした時に私はどうするか?状況にも依りますが私の場合、退店をお願いしてます。力ずくで排除する事もあります。仕方がありませんよね、多少のリスクあっても私は店を守る。店を守るとはお客様を守る事ですから。実際、立て直しした店では一ヶ月くらいは、お客さんと喧嘩してました(笑)。ほんとは駄目なんですけどね、オーナーにその事で怒られたりもしました。でも三ヶ月で手応え感じて、半年で前年の売り上げこえました、その頃には店のオーナーもスタッフも文句言わなくなります(笑)なにせ、居酒屋に夜中の二時に、女性が一人で来る様になったんですから。

ともかく、店の居心地を良くすることを第一に私は行動します。来て欲しくない人はスタッフでも、お客さんでも帰ってもらう。だって店はもう変わったんですから、それを知ってもらう為にも必要とあれば何でもする(笑)
そうこうしているうちに、店の雰囲気が変わる。お客さんの楽しみ方が変わる。スタッフの心構えが変わる、オーナーの考えが変わる。
何よりも、お客さんが「文句言わなくなります」(笑)←満足度が上がるって意味ね。
仮に、あなたがお店の立て直しをまかされたとしましょう。
既にあるお店を立て直す為に入店した場合、どういうビジョンが必要でしょうか?
多くの場合、金銭的にも人的にも余裕がありません。既にあるもの、用意されているものの中から解決方を見い出すことになります。難問です。

人的な問題から手を付ける私のやり方は「レッツ、エコ作戦」(笑)です。

もう、何年も昔から省エネルギーが唱えられ、身近に「リサイクル」と言う言葉が普通に存在します。この考え方が使えないでしょうか?
リサイクルと一言に言いますが、実はリサイクルの他にリユース、リデュースの併せて3つがあります。

リサイクルは、製品を原料に返してまた製品を作る。再生利用
リユースは、製品そのものを同じ目的や別の目的で使う。再使用
リデュースは、ゴミの削減、量を減らしましょうってこと。発生の抑制

この3つが実はワンセットになって、効果がでる訳なんですが、こいつをお店の立て直しに使うんです。強引かな(笑)というわけで、この考え方を人の問題に対応させてみます。


「リサイクル」再教育してスタッフとして使う人。
「リユース」現状で即戦力となる人。
「リデュース」スタッフとしてゴミにならない様に気を配らなければならない人。

この3つを 目的や人的対象によって使い分けます。
簡単に説明します。

先ず第一にピックアップしたいのが「リユース」です。
仕事や接客の意識、意欲が有り、一定の技術を持ち、同僚に信頼されている人物をさします。このリユース君を立て直しのパートナーとします。具体的にはあなたがやろうとしている事に巻き込む。簡単な事です正しい事をすれば良い。損得でなく、何が正しく、なにが間違っているかを判断基準にして行動してください。そうすれば部下から信頼を得る事が出来ます。(損得正邪を参照下さい)

次に「リデュース」。
スタッフとして好ましくない人をさします。危険人物ですな。サボる人、遅刻、欠勤の多い人、言葉遣いや態度が接客になっていない、 仕事が出来ない等々。これら、マイナスの条件が3つ以上有る人は切る事を考えましょう。2つ迄ならなんとか矯正できます。それ以上は矯正する側の負担になりますから、やめた方が良いです。ともかく、とりあえずこういう人達は、他のやる気のある人間の妨げにならない様に気を配るのです。

最後に「リサイクル」、この作業が実はメインになります。
仕事は早いのに、遅刻が多い。お客さんへの愛想はいいが、従業員同士のおしゃべりが多い。等の様な人たち、そういう人をリサイクル。
具体的には、「彼らを変える」のでは無く「環境を変える」事です。
例えば遅刻を叱るのではなく、遅刻する時のルールをしっかり作る。遅刻する時には必ず連絡を入れる。電話連絡をすると15分の遅刻だが、しなければ5分の遅刻で済む。そういう時は連絡をして15分遅刻させる。連絡する事の方が大事であるとするのです。心情的な5分遅刻よりも、ルールを守った15分遅刻が正しいという事ですね。ルールを守ったならば叱る必要はないはずです。他のバイトに時間の延長を頼む等の対処が出来ますから、実質営業に支障は出ませんからね。
また、連絡をしてこない場合でも叱るのでは無く、なぜルールを守れなかったのかを問いただすのが正解です。普通の感覚を持っている人なら、遅刻すれば「悪い」と思ってますし、叱られる事を覚悟しています。でもルールを守れば叱られない。そして、大前提のルールとして遅刻をしないということがある。ルールを守るという事を自然に指導する訳です。人と言う生き物は環境に左右されるものです。良い環境の元であれば、良い方向に向かうはずです。
ただし、学校の様な管理するためのルール作りはやめてくださいね、反発されるだけですから。あくまで、常識の範囲でのルール作りに徹してください。
そうして、リサイクルがうまくいった人はリユース的なアプローチに移行して行くわけです。

また、リユースのアプローチでだめなら、リサイクルのアプローチで等、着手する際の考え方の道しるべになる筈です。また、この三つで対応できないものは再生には必要のないものと判断します。例えそれが人であろうとです。但し、俗に言うリストラは外科手術です。当然出血というリスクが生じます。もし行うのであればそれなりの覚悟が必要です。

ここからは余談ですが、もし、切るなら経営の責任者である上役からです。日本の企業って変ですよね、経営に失敗したのに、経営者達は残ってる。従業員には責任はないのに(原因はあるかもしれないけど)首を切られる。失敗した人たちが、また再生しようとする。はっきりいって無理です。経営者こそが「リサイクル、リユース、リメイク」の対象であり、何よりも「リストラ」の筆頭対象なのですから。


話を戻して。
私が、ここで言いたいのは「可能性」は否定しないということです。ある人に問題があるとしても、その問題の質によって、同じ目的でもアプローチは変わるのだと言うこと。これを忘れないようにしています。勿論、人相手であれば極端なやり方をすると「エコヒイキ」なんて言われてしまいますけどね。その為にコミュニケーションは必要です。前回の損得正邪を引き合いにすると、正邪で考える人と損得で考える人とは切り放した対応が必要です。損得人間には、正邪への切り替えから必要ですから、時間がかかります。建て直しには時間をかけられないことが多いので、そういう人たちの対応は後回しになります。なにせ、即戦力が求められるのですから。正邪の考えの人を優先的に対応していくことが近道です。またそういう状況を損得の人に見せていけば、何人かは考えを改めるかもしれません。それでも、損得の人間と付き合わなければならない。でも結果さえ出せば、ほとんどの人は変わります。変わらない人を初めて切ればいい。リストラはそれからでも遅くないのです。

どうしても、損得で考え、扱いにくいというスタッフがいる場合、とりあえずとる方法は一つ。「俺に歯向かうと損するぞ」です。そうすれば、扱いにくかった彼等も簡単に扱えます。損をしたくない人達ですから。但し根本的な解決にはなっていませんので、いつ足をすくわれるかというリスクが生まれます。使うときは気を付けて下さい。