「私の愛の歌声 (Ku'u Leo Aloha) :解析の試み (8/14)」

                    「ポリネシアの歌

 

 (8/14   日本語歌詞とコード進行のズレがあまりにひどかったので、少し直しました)

 

【はじめに】

 

ある夢を前項に書きました。心惹きつけられる ポリネシアの踊りを夢想すると、レストランの小さなスペースで、ギタリストの歌をバックとして、踊り手さんが踊る情景になるのです。そして、その夢には、あの方がいらして、踊って居られるのはこの曲なのです。この曲「 クウ レオ アロハ (Ku'u  Leo Aloha )」あるいは「私の愛の歌声」はとても有名で、その曲の背景説明や、歌詞の日本語での解説も沢山あります。例えば、ブログ [1] の解説や、そこに挙げられている日本語歌詞があります。しかし、あの方の踊りが目前にあるとしたときに、こちらの気持ちにピッタリと合う日本語歌詞が無い様な気がするのです。そこで、前項で部分的に日本語歌詞を試みてみたのですが、文法的な解釈に怪しいところがいっぱいあり、やはり、歌全体に向き合って考えないといけないと反省し、再び挑んでみることにしました。

 

歌について、そして作者について、この素人カメラマンに付け加えることは殆どありませんので、ここでは、ハワイ語の原歌詞から始めることにします。歌についてお知りになりたい方にはブログ [1] が読みやすいと思います。以下では、歌詞の構文解析を行い、その後で、日本語歌詞の可能性について考えてみたいと思います。

 

ただ、その前に、大事な観点について付け加えさせていただきます。それは、歌い手と踊り手の関係性です。言うまでもなく、ステージの上での両者の関係は公然なもの、つまり、パブリックなものです。ですから、歌い手が男女の愛の歌を熱く歌い、踊り手が巧みに踊っても、ステージ上の歌い手と踊り手の関係には何の関わりもないのです。ところが、この曲のテーマがこの両者の関係なのです。一歩間違えると、歌いにくい、あるいは踊りにくいものになってしまいます。ここを作者がどの様に巧みに取り扱っているのかは、歌の解析を進めるにつれて分かってきます。そうすると、この歌のテーマが、歌い手が踊り手への思いを歌うという、単純なものではないことが分かります。この点、日本では多くの方が誤解されているかもしれません。これについては、後半で詳しく議論したいと思います。

 

なお、本項の カバー画像は、歌の内容と関連するという意味で選びました。本項の最後の辺りをお読み下さい。

 

 

 

【 Ku'u Leo Aloha の ハワイ語歌詞】

 

以下にブログ [1] から取ったハワイ語歌詞を示します。番号は便宜上入れたものです。

 

 Kuʻu Leo Aloha
   by  Josh Tatofi, 2016

 

 1
 ʻUpu aʻe nei ka haliʻa aloha
 I kou nani i ka pō nei
 Ahuwale ka haʻalewa ē
 Me ke kai e holu mau ana

 

 2
 E naue mai i kuʻu leo aloha
 Ke aloha e pili mau ai

 

 3
 Huli nō ʻoe, a kilohi mai lā
 Me kou mau maka onaona
 E hōʻoni nei i ka puʻuwai
 Ilihia wale au i kou nani

 

 2

 E naue mai i kuʻu leo aloha
 Ke aloha e pili mau ai

 

 4

 Ke aloha e pili mau ai

 Ke aloha e pili mau ai

 

 

 

 

【構文解析】

 

各節ごとに、単語の意味を調べ、行と行の間の関係を調べます。単語の意味を書いてある所で、日本文のものは 辞書 [2] から、英文のものは、オンライン辞書の  辞書 [3] からです。

 

「第一節」


 ʻUpu aʻe nei ka haliʻa aloha
 I kou nani i ka pō nei
 Ahuwale ka haʻalewa ē
 Me ke kai e holu mau ana

 

この四行は明らかに二つの文章になります。

 

 ʻUpu aʻe nei ka haliʻa aloha i kou nani i ka pō nei.
 Ahuwale ka haʻalewa ē me ke kai e holu mau ana.

 

まず、各行ごとに解析します。

 

 ʻUpu aʻe nei ka haliʻa aloha
  'upu       繰り返される思い; 望む, 恋い焦がれる

  a'e      [マーカー] 上へ向かう, 近くの; 「e」に同じ
  nei      [名詞の後] この, これ
  a'e nei   recent past (最近)
  hali'a     蘇る思い出; 思い起こす

 

ここで気になるのは、「'upu」に対して、「ka haliʻa aloha」が主語なのか、目的語なのかです。辞書を見る限りでは「'upu」は他動詞ですから、「ka haliʻa aloha」が主語になりますが、内容から考えると、目的語の マーカー「 i 」は無くとも、それが目的語だとするのが妥当に思えます。ここで、辞書 [3] に次のような例文を見つけました。ここで、「manaʻo」は「考え」、「ʻike」は「見る」で「ka manaʻo e ʻike」は「〜をみる考え」です。

 

 原文:「E ʻupu aʻe ka manaʻo e ʻike i ka nani (song). 」

 訳文:「 Thinking and longing to see the beauty.  

     (美しさを見る ことを考え、欲している) 」

 

これからすれば、この「'upu」の場合、「ka haliʻa aloha」を目的語として良さそうです。

 

そして、二行目は


 I kou nani i ka pō nei

  kou     あなたの, あなたのもの
  nani    美しさ
        i ka pō nei    last night (昨夜, 夕べ)

 

以上より、次の文章になります。

 

 ʻUpu aʻe nei ka haliʻa aloha i kou nani i ka pō nei.

 昨夜の貴方の美しさへの愛の思いが今蘇った

 

状況としては、踊り手さんが踊り始めるのを見た時に、昨夜の踊りに愛を感じたことを思い出したのです。この「踊り始めるのを見た時に」というニュアンスは訳には表しにくいので、全体を見て察していただくよりありませんが、この曲を通しての重要なモチーフになっています。そして、第二節の解釈とも関連します。そして、残りの二行。


 Ahuwale ka haʻalewa ē

  ahuwale  目立った, 明らかな; 積み上げられた
        Ahuwale ka manaʻo, real thoughts or nature are exposed,
        as of something revealed in its true colors.
  ha'alewa        浮かぶ, 振り動かす

 Me ke kai e holu mau ana

  me      とともに; のように
  holu    弾力のある; 揺れる
  mau    常に, 不変の; 停まった; [マーカー] 複数
  ana      [ e + 動詞 ] の後に続き、未完了形

 

以上より、以下のようになります。

 

 Ahuwale ka haʻalewa ē me ke kai e holu mau ana

 永久 (とわ) に揺れ続く海の様な (腰の) 揺れが露わです

 

これから、(少し沖合の) 海の波のように、柔らかく同じリズムで振れ続ける動きが評価されることが分かります。

 

 

 

「第二節」

 

 E naue mai i kuʻu leo aloha
 Ke aloha e pili mau ai

 

一行目はお願いの文章のようです。しかし、二行目の組み立てがよく分かりません。形からして、「Ke aloha」で一つの名詞のようです。そして、「ai」がありますから、一行目に対する関係節の様に見えます。しかし、「Ke aloha」は一行目の主語にも、目的語にもなりそうにありませんから、違います。そうすると、二行目は、「Ke aloha」を主語とする文章と見るのか、「Ke aloha」と、それを修飾する不定詞「e pili mau ai」からなるのか、二つの可能性があります。しかし、通常の文章で主語を最初に置くためには、定められた形が有るので、[4]   後者であると考えるのが妥当です。さて、次には、「ai」が一行目の何を指すかを決める必要があります。可能性としては、「ku'u leo aloha」を差すことが考えられますが、それでは「aloha」が重複します。そうすると、「ai」は一行目の内容を指すと考えると良さそうです。この方針のもとに、各行を別々に解析してみます。

 

 E naue mai i kuʻu leo aloha

  naue      揺れる; 震える; 行進する
  naue      To move, shake, rock, sway, tremble;
        to quake, as the earth; to vibrate; to march;

 

 E naue mai i kuʻu leo aloha

 私の愛の歌声に揺れ来て下さい

 

「Naue mai」をとりあえず「揺れ来る」としましたが、意味が分かりませんね。気持ちの問題なのかもしれません。

 

 

二行目です。


 Ke aloha e pili mau ai

  pili      くっついて離れない
  mau       常に; 止まった; 複数を表すマーカー
  ai      [関係代名詞] 誰, 誰の; aia (そこに[で]) の短縮形; 前出の語

 

 Ke aloha e pili mau ai

 常に、それ (一行目の状況) に伴うこの愛

 

そうすると、一行目のように、愛の歌声に貴方が揺れるところに、常にこの愛が生まれるということになりそうです。この愛とは、この歌手が感じるものでしょうから、この私の歌声に合わせて貴方が踊るところに愛を感じるのです、ということになりましょうか。この感じ方は、プロフェッショナルな歌手ならば、考えられるものだと思います。特定の踊り手を想定しているのではなく、私の愛の歌声で踊ってくださる時に愛を感じますと言っているのです。

 

逆に、歌い手が踊り手に対して一緒にと願うとすると、一般に歌われるものとしては、状況が特別になり過ぎると思います。第二節では、この辺の問題を、少し複雑な表現で逃げているように見えます。この様に考えると、第一節の一行目にも、その様な工夫があることが分かります。つまり、「昨夜の貴方の美しさへの愛の思いが蘇った」という文言が述べているのは、二行目から考えて、さらに「a'e nei」が意味するように、踊り手が踊り始めた時に愛の思いが蘇ったということです。踊り手に愛を感じているなら、もっと前から愛があるはずでしょうし、そんな状況では、踊り手さんはどう思うのでしょうね。こう考えると、第一節の一行目には、時間的な始まりを明確にする「a'e nei」でなければならなかったのです。作者は、歌い手と踊り手の関係に、とても気を使っているのが感じられます。

 

 

(追加)

 

語句「e pili mau ai」は「二人ずっと一緒に」の意味で使われることが多いので、この表現が常に、二人一緒にという意味合いで使われているのではないかと疑われるかもしれません。その疑いは強いので、この言い回しが有る例を調べてみますと、ポリネシアン サンライトカーニバル、ククナ(太陽の光)II の曲モーニング デュー (E Ku'u Morning Dew)」に以下の行があります。

 I ka ʻiu uhiwai  神聖な霧の中で
 Ma laila nō kāua そこであなたとわたし
 E pili mau ai   ずっと一緒に

三行目を見ると、「ずっと一緒に」となるのですが、二行目に「そこで (ma laila) 貴方と私 (kāua) 」とあるので、「貴方と私、ずっと一緒に」という意味合いになります。しかし、「Ku'u Leo Aloha」では、第二節のどこにも「貴方と私」あるいは「二人」に相当する語句がありません。明確な名詞は「ke aloha」だけですので、一緒に居るのは「ke aloha」であり、何処に居るのかと言えば、「私」の歌声で貴方が踊っている所にとしか言えません。

 

 

 

「第三節」

 

 Huli nō ʻoe, a kilohi mai lā
 Me kou mau maka onaona
 E hōʻoni nei i ka puʻuwai
 Ilihia wale au i kou nani

 

この節の構成がよく分かりません。構文の形の上から、三行目と四行目は組になりません。なぜなら、四行目は単純動詞文ですから、三行目を(とりあえず)普通の文と考えると、繋がりませんし、不定形と考えても、それは、不定形が前に来る形は(多分)文法上ありえないからです。一行目と二行目は、当然、繋がります。それで、三行目ですが、「e  [動詞]  nei」という形は通常の動詞文にはなく、「ke  [動詞]  nei」と書かれるのが文法上の規則となっています。[4]   そうすると、三行目は「kou mau maka onaona」を修飾する関係節「e  [動詞]  nei (今ここで起きている) 」と見るのが良いのかもしれません。[4]    そこで、最初の三行の解析をしてみます。

 

 Huli nō ʻoe, a kilohi mai lā

  huli    向きを変える; 探す
  nō       強めのマーカー, とても, 全く
  kilohi    意識をしてみること;
        [好きな人を] ちらっと見る, [興味を持って] じっと見る

 Me kou mau maka onaona

  mau       常に; 止まった; 複数を表すマーカー
  maka     目, 目つき; 最愛の人; つぼみ; 網目
  onaona    心地よく香りの良い; 温和で優しい; 愛嬌のある, 魅惑的な

 E hōʻoni nei i ka puʻuwai

  hōʻoni   奮起させる, 動揺させる, 混乱させる
  hōʻoni   To bestir, cause to move, shake, disturb, jiggle.
        ( 動かす、揺さぶる、かき乱す、揺らす )
  puʻuwai   心臓; 心, 気持ち

 

以上より、次のようになりましょうか。

 

 Huli nō ʻoe, a kilohi mai lā me kou mau maka onaona e hōʻoni nei i ka puʻuwai

 貴方は向きを変え、気持ちを今ここでかき乱す貴方の魅力的な双眸で見つめ来る

 

 

四行目です。


 Ilihia wale au i kou nani

  ilihia      畏敬の念に打たれた(る)
  wale      ほんの, だけの, 非常に, 大変; のみ; 訳もなく

 

これより、

 

 Ilihia wale au i kou nani

 貴方の美しさに私は心を打たれる

 

 

 

「全体」

 

まとめると、以下のようになりましょうか。

 

 1

 ʻUpu aʻe nei ka haliʻa aloha   i kou nani i ka pō nei.
 昨夜の貴方の美しさへの愛の思いが今蘇った

 Ahuwale ka haʻalewa ē   me ke kai e holu mau ana
 永久 (とわ) に揺れ続く海の様な (腰の) 揺れが露わです

 

 2

 E naue mai i kuʻu leo aloha
 私の愛の歌声に揺れ来て下さい

 Ke aloha e pili mau ai
 常にそれに伴うこの愛

 

 3

 Huli nō ʻoe, a kilohi mai lā   me kou mau maka onaona   e hōʻoni nei i ka puʻuwai

 貴方は向きを変え、気持ちを今ここでかき乱す貴方の魅力的な双眸で見つめ来る

 Ilihia wale au i kou nani
 貴方の美しさに私は心を打たれる
 

「揺れ来る」というのが相変わらず不明ですが、全体としては、意味の通る文章になっているかと思います。

 

次は、この意味を基本的には保持しながら、順番に不都合のない日本語歌詞を考えることになります。

 

 

 

 

【日本語歌詞を考える】

 

今までの解析結果を再び以下に示します。

 

 1

 ʻUpu aʻe nei ka haliʻa aloha   i kou nani i ka pō nei.
 昨夜の貴方の美しさへの愛の思いが今蘇った

 Ahuwale ka haʻalewa ē   me ke kai e holu mau ana
 永久 (とわ) に揺れ続く海の様な (腰の) 揺れが露わです

 

 2

 E naue mai i kuʻu leo aloha
 私の愛の歌声に揺れ来て下さい

 Ke aloha e pili mau ai
 常にそれに伴うこの愛

 

 3

 Huli nō ʻoe, a kilohi mai lā   me kou mau maka onaona   e hōʻoni nei i ka puʻuwai

 貴方は向きを変え、気持ちを今ここでかき乱す貴方の魅力的な双眸で見つめ来る

 Ilihia wale au i kou nani
 貴方の美しさに私は心を打たれる

 

再び、節ごとに日本語歌詞を考えていくことにします。

 

「第一節」

 

 ʻUpu aʻe nei ka haliʻa aloha   i kou nani i ka pō nei.
 昨夜の貴方の美しさへの愛の思いが今蘇った

 Ahuwale ka haʻalewa ē   me ke kai e holu mau ana
 永久 (とわ) に揺れ続く海の様な (腰の) 揺れが露わです

 

原歌詞の行立てに合わせて、日本語の文章を分解してみます。

 

 ʻUpu aʻe nei ka haliʻa aloha

 愛の思いが今蘇った ⇒ 今蘇る 愛の思い

 i kou nani i ka pō nei
 昨夜の貴方の美しさへの ⇒ 君が麗し 昨日の夜

 

 Ahuwale ka haʻalewa ē

 (腰の) 揺れが露わです ⇒ 美しき 腰の揺れ

 me ke kai e holu mau ana
 永久 (とわ) に揺れ続く海の様な  ⇒ 海の様に 揺れ続く

 

(8/18 「露わ」では語感が悪いので、目立つという点を拡大解釈して、「美しい」としています。)

 

 

「第二節」

 

 E naue mai i kuʻu leo aloha
 私の愛の歌声に揺れ来て下さい

 Ke aloha e pili mau ai
 常にそれに伴うこの愛

 

原歌詞に合わせて、日本語を並べ直してみます。

 

 E naue mai i kuʻu leo aloha
 私の愛の歌声に揺れ来て下さい ⇒ 搖れて来て 私の愛の歌声で

 Ke aloha e pili mau ai
 常にそれに伴うこの愛  ⇒ この愛は 在る いつも そこに

 

 

「第三節」

 

 Huli nō ʻoe, a kilohi mai lā   me kou mau maka onaona   e hōʻoni nei i ka puʻuwai

 貴方は向きを変え、気持ちを今ここでかき乱す貴方のの魅力的な双眸で見つめ来る

 Ilihia wale au i kou nani
 貴方の美しさに私は心を打たれる

 

 

原歌詞の行立てに合わせて、日本語の文章を分解してみます。

 

 Huli nō ʻoe, a kilohi mai lā

 貴方は向きを変え、見つめ来る  ⇒ 君は向き直り 見つめ来る

 me kou mau maka onaona

 貴方の魅力的な双眸で  ⇒ 君の 素敵な その瞳で

 e hōʻoni nei i ka puʻuwai

 気持ちを今ここでかき乱す  ⇒ 今かき乱す この気持ちを

 

(8/15  この関係詞節「e hōʻoni nei ~  」は非制限的用法と考えると良いのかもしれません。実際、最終的な日本語歌詞では、その様な意味合いになっています。)

 

 Ilihia wale au i kou nani
 貴方の美しさに私は心を打たれる  ⇒ 私は打たれる 君の麗しさに

 

 

以上より、以下のような日本語歌詞が得られました。

 

 1

 今蘇る 愛の思い
 君が麗し 昨日の夜
 美しき 腰の揺れ
 海の様に 揺れ続く

 

 2
 搖れて来て 私の愛の歌声で
 この愛は 在る いつも そこに

 

 3
 君は向き直り 見つめ来る
 君の 素敵な その瞳で
 今かき乱す この気持ちを
 私は打たれる 君の麗しさに

 

 2
 搖れて来て 私の愛の歌声で
 この愛は 在る いつも そこに

 

 

 

 

【原歌詞、日本語歌詞、コード進行】

 

以上の結果を、原歌詞、日本語歌詞、コード進行 [5]  でまとめてみます。ただし、この素人カメラマンは演奏は出来ませんので、日本語歌詞とコード進行の対応には誤りが在るかもしれません。( 8/14  出来る限りで直しました.) ( 8/20  残っていた不具合を修正しました.)

 

コード進行の基礎データ Tuning:E A D G B E
            Key:D
            Capo:no capo

 


 Kuʻu Leo Aloha
   by  Josh Tatofi, 2016

 

                     G               Am         Bm     Em              G         Am           Bm    Em
'Upuaʻe nei ka haliʻa alo  – ha       今蘇る 愛の      思 い

              C         Em      Am       D                                                        C              Em        Am         D
I kou nani i  ka  pō – nei         君が麗し き   のうの    夜

             G              Am                          Bm    Em                               G          Am           Bm    Em
Ahuwale ka ha – ʻalewa – e –      美しき 腰の     揺 れ

                 C   Em   Am         D            G  G7                                      C      Em     Am       D   G  G7
Me ke kai  e   holu mau ana         海の様  に 揺れ   続く


G7                 C        D             G      Bm       Em                        G7           C            D                  G  Bm  Em
E naue mai i  kuʻu – leo  alo – ha      搖れて来て 私の愛の歌声で

          C            D                  Em     A   C                                            C              D                              Em  A   C
Ke aloha e pili mau a –  i                     この愛は 在るいつも そ  こに

 

                            G           Am                Bm    Em                                 G                       Am                   Bm    Em
Hu – li nō ʻoe a kilohi mai  lā –       君は向き直り 見つめ       来る

         C     Em      Am              D                                                     C              Em     Am           D
Me kou mau maka onaona          君の   素敵な    その瞳で

                            G          Am      Bm        Em                                         G                 Am             Bm          Em
E hoʻoni nei i ka pu – ʻuwa – i      今かき乱す この気   持ち      を

       C     Em         Am   D                G        G7                                  C               Em      Am        D    G     G7
ʻIlihia   wale au        i kou nani       私は打た れる  君の  麗しさに       (8/20)

 

G7                 C        D             G      Bm       Em                        G7           C            D                   G  Bm   Em
E naue mai i  kuʻu – leo  alo – ha       搖れて来て 私の愛の歌声で

           C                D                   Em    A   C                                           C             D                              Em  A   C
Ke aloha  e   pili mau ai            この愛は 在るいつも そ  こに


C      Em    Am     D                       Em  A                                     C       EmAm D                            Em    A
Ke a  –  lo ha e pili mau ai        この愛は 在るいつも そこ  に

C      Em                D                         E                                            C       Em       D                                  E

Ke a  –  lo ha e pili mau ai        この愛は 在るいつも そ    こに

 

 

 

 

【雑感】

 

繰り返し節 (第二節) の二行目は、歌手が踊り手とずっといっしょに居たいという ニュアンスで日本語に訳されることが多いのですが、ここでは、歌手が歌う声に合わせて踊り手が踊るところに愛が在るという訳し方になっています。たしかに、「e pili mau」という フレーズは「ずっと二人で居る」という文脈で使われることが多いようです。しかし、「e pili mau ai」となると、「ai」が何を指すかによって意味が変わってくると思います。この歌の場合、「ai」はその上の行で述べたような状況を指すと思われるので、上記のような訳になると思います。そして、職業的な伴奏歌手の場合、自分の歌声に合わせて、素敵な踊り手さんが踊ってくれるというところに愛を感じても不思議ではないと思います.

 

第三節に、踊り手さんが振り向いて、魅力的な眼差しでこちらを見た時に、大きな衝撃を受けるというところは、さもありなんと思います。というのも、この素人カメラマンも良く似た経験をしているからです。ある日、ウアケアさんが「タネ イ ムア」を踊って居られる時に、集中的に素人カメラマンを見つめて来られたことがありました。その時のカメラマンの心理状態を思い出し、これもさもありなんと思ったのです。うかつに拝見していると気が付かないのですが、ウアケアさん程の ソリストになられると、本当に強力な アロハの オーラを出すことが出来るのです。それを集中されるとどうなるでしょうか。その時に、この素人カメラマンは、半分息が詰まるような圧迫感を覚えたことを思い出しました。その頃、ウアケアさんの踊り全般に付いて生意気な素人考えを動画にコメントとして書いていましたので、それに対する、実験的な返礼のような意味合いがあったのかと思います。ええ、彼はおとなしく白旗を掲げて、記念撮影の時にそう申し上げ、動画にもその様なコメントを書きました。かの方は笑って居られたように記憶します。作者の Tatofi さんも、若い頃に同じ様な体験をなされたのだと思います。

 

 

 

以下はその時の「タネ イ ムア」(グランド ステージ, 2024/7/30) です。カメラのレンズは素人カメラマンの眼より 10 数センチ程低いことをご了承下さい。

 

 

最初からなのですが、1 分半前後が一番わかり易いと思います。

 

 

 

 

【終わりに】

 

「私の愛の歌声 (Ku'u Leo Aloha) 」の歌詞の解析と日本語歌詞の案出を試みてみました。ハワイ語の実践経験のないものが、解析を行う訳ですから、彼の頼みの綱は、辞書と文法書です。それぞれの単語については辞書を詳しく調べ、成語となっている語句についてもできるだけ注意をはらい、そして、最後には、文法上の問題がないか考察します。時々、歌詞の意味を調べるのならこの程度知っておけば十分ですという言い方を聞くことがあります。しかし、思うのですが、これは全くの間違いです。先のような言い方には、詩の言い回しは、大体、文法を外れているから、文法を気にしても仕方がないという考え方があるのだと思います。ポリネシアのような、言葉の記録方法が後からヨーロッパ人によってもたらされてきたところでは、もっぱら日常会話と伝承を伝える詩によって地域の言葉が作られてきています。それらの言葉を宣教師たちが書き留めて作られたのが辞書であり、使われている言葉の規則を整理したものが文法書なのです。そして、聖書を地域の言葉で表す努力の結果、不足していた言い回しが追加されて、現在の、それぞれの地域の言語として確立しました。そうすると、古い詩でも、文法に従っていないということは、あまりありません。なぜなら、それらを説明できるように文法書が書かれているのですから。ですから、この素人カメラマンの限られた経験の中でも、文法書や辞書に徹底的に頼ることによって裏切られることはあまりありません。と言うことはどういうことかと言えば、詩を調べるためには、文法書を徹底的に勉強して置かなければならないということです。特に、通常の文法書では最後に回されている、関係節や関係代名詞などは必ず勉強して置かなければなりません。なぜなら、日常的な文章では関係節や関係代名詞が普通に使われるからです。今回の歌の解析では特にそう思いました。

 

硬い話から初めたのは理由があります。「私の愛の歌声 (Ku'u Leo Aloha) 」は、踊り手に恋した歌い手が、ずっと一緒に居られるように願う歌だと言われることが多かったように思います。この素人カメラマンも、そう信じ込んでいました。しかし、辞書と文法書を信じるなら、違うのです。「私の愛の歌声 (Ku'u Leo Aloha) 」は、表題のとおり、歌い手の観点からこう歌うのです。「私が心を込めて歌うのに合わせて貴方が踊ることにより、ここに愛の世界が生まれ、その中で貴方が巧みに踊ることにより、私の心は愛に満たされて行くのです。」ここで言う「愛」とは好き/嫌いという、心の中に勝手に生まれる、感情の話ではありません。人が心を込めて作り上げていく精神世界の出来事なのです。この歌は、歌い手と踊り手が技術の粋を尽くして作り出す精神世界、つまり、愛の世界と、そこに居ることの幸せを歌うのです。そして、そのステージを見ることによって、観客もその愛の世界に取り込まれ、その充足感を味わうのです。そこに、この歌が好かれる理由があるのだと思います。

 

(8/18  この素人カメラマンには、他のどのどれよりも、この歌が気になっていました。美しくもありますが、悲しくもあるのです。この詩の中の情景描写にはそれぞれに心惹かれるものがあります。でも、本当に大事なことは別にあり、それが繰り返して歌われるのです。それをどの様に捉えるかによって、美しくも悲しくもなるのでしょう。)

 

 

 

 

 

 

 

 

[1] Kuʻu Leo Aloha ,  フラナビハワイblog.

 

[2] 西沢佑,「ハワイ語の手引き」, 千倉書房, 2021.

[3] Wehewehe Wikiwiki: Hawaiian language dictionaries. University of Hawaii
  System, University of Hawaii at Hilo.

 

[4] アルバータ  プアラニ  ホプキンス著,  クウレイナニ橋本,  塩谷亨共訳,   

  ハワイ語入門.  大学書林,  1997.

 

[5] Kuu Leo Aloha Chords by Josh Tatofi ,  Ultimate-Guitar.com.