スパリゾートハワイアンズ の ポリネシアン サンライトカーニバル、ククナ(太陽の
光)II にキモ フラ と ハレアカラ フラ の代わりに入った二曲のうちの一つ「 E
Ku'u Morning Dew(私の朝露)」です。この歌は作詞が Larry Kimura、作曲が Eddie
Kamae です。ハワイアン ミュージック の データベース であるHuapala には Myrna
Kamae の英語訳と共に以下のようにあります。
E Kuʻu Morning Dew
Hawaiian texts: Larry Kimura music: Eddie Kamae Transl: Myrna Kamae
E kuʻu morning dew My morning dew Alia mai, alia mai Wait a moment Maliu mai ʻoe Pay attention I kaʻu e hea nei To what I call out E kali mai ʻoe Wait Iaʻu nei, iaʻu nei For me, for me ʻO wau iho nō I remain yours Me ke aloha With love Wehe mai ke alaula Dawn breaks ʻOliliko nei līhau And the wet dew sparkles E hoʻohehelo ana Causing a rosy color I neia papālina On these cheeks I uka o Mānā Up at Mānā I ka ʻiu uhiwai In the mist-shrouded highland Ma laila nō kāua There, you and I E pili mau ai Will remain forever Ma laila nō kāua There, you and I E pili mau ai Will remain forever
ハワイアンズでは、最後のところに繰り返しが加わる以外、此の通りに歌っているよ
うです。ではこの英文歌詞を日本語にすればよいということになりますが、英文歌詞
はハワイ語歌詞の正確な翻訳ではなく、ある程度の意訳が加わっているものと思われ
ますので、まずはハワイ語歌詞の解析を行ってみます。[1]
Ē kuʻu morning dew
ē 呼格, 〜よ
ku'u 私の、私のもの
morning dew 英語 : 朝露
私の朝露よ
(データベースでは最初の文字が「 E 」なのですが、その後には名詞が来ますので、
これは呼称の「 Ē 」でなければなりません。[と、思います。] )
Alia mai, alia mai
alia 待つ, 止まる, 通常は命令形で使う
待って、待って
Maliu mai ʻoe
maliu 心に留める, (注意などを)〜に向ける
'oe あなた
注意を向けて、あなた
I kaʻu e hea nei
ka'u 私の, 私のもの
hea 呼ぶ, 名付ける, (名前歌)を朗唱する
e (マーカー)命令, 「e (動詞) nei」で関係詞節の現在形動詞句
私の言うことに
(ここは難しいのですが、関係詞節であろうと考えました。つまり、
Maliu mai 'oe i ka'u e hea nei (au).
で、「 au 」が省略されたものだろうと考えました。日本文としては「私が言うこと
に貴方の注意を向けてください]となるかと思います。目的語「 ka'u 」が従属節と
主節とで共有されていると考えました。)
E kali mai ʻoe
kali 待つ, 手間取る
待って、あなた
Iaʻu nei, iaʻu nei
ia'u 私を, 私のために
nei ここ, 例の, この前の, 「e (動詞) nei」で関係詞節の現在形動詞
私のために、私のために
ʻO wau iho nō
wau 「au」に同じ, しばしば「'o」が先につく
iho 再帰的マーカー
nō 強めるマーカー, とても, 全く
私は私自身よ
(ここは英文では「私は貴方の」となっているのですが、ハワイ語のとおりにしまし
た。或は、ハワイ語でも「貴方の」という隠れた意味があったのかも知れません。)
Me ke aloha
me とともに, と同じく
ke 定冠詞
この愛とともに
Wehe mai ke alaula
wehe 開ける, 解く
alaula 夜明けの陽光, 夕焼け
夜明けの陽光が射してくる
ʻOliliko nei līhau
'oliliko 「'oliko」と「'ōliko」の重複形 きらめき, 輝き
'oliko 輝く, きらめく
'ōliko 発芽する, 蕾を持つ
nei (名詞, 代名詞の後)ここ, この
līhau 湿って生き生きとしている, 涼しい, すがすがしい
nvi., Gentle cool rain that was considered lucky for fishermen;
moist and fresh, as plants in the dew or rain;
cool, fresh, as dew-laden air.
露に濡れた花のように生き生きとしたこの輝き
(ここでは「 'Oliliko 」を名詞「輝き」としました。そうすると、名詞の後の「
nei 」は「この」として、「 līhau 」は英文の2つ目から「露に濡れた植物のように
生き生きとした」と形容詞的にしました。あと、植物はここでは花としました。)
E hoʻohehelo ana
ho'ohehelo To be proud; to be proud of one's appearance or
dress; to be deceitful.
e (v) ana 関係詞節の動詞句(未来, 現在進行)
美しさを誇っている
(ここでも、前の行と後の行とで関係詞の構文を作っていると考えました。
'Oliliko nei līhau e ho'ohehelo ana i neia papālina.
日本文としては「頬の上で美しさを誇っている露に濡れた花のように生き生きとした
この輝き」となるかと思います。)
I neia papālina
neia この, ここの (「kēia」と類似, 主に聖書)
papālina 頬
この頬の上で
I uka o Mānā
uka 内陸の, 高地の, 山の方にある, 高地
o の
Mānā 地名
マナの高地で
I ka ʻiu uhiwai
'iu 高尚な, 神聖な, 神聖な場所
uhiwai 濃い霧 (愛を意味する)
神聖な霧の中で
Ma laila nō kāua
ma (所格の前)で, の上に, を通って;(名詞の前)のために, に従って
laila そこで, あそこに,(種々のマーカーの後に続く)malaila あそこで
nō 強めのマーカー
kāua 1人称双数, 貴方と私
あそこであなたとわたし
E pili mau ai
e 命令または義務, 受け身の動作主
pili 共にいる
mau 常に, 止まった, 複数を表すマーカー
ai 誰, 誰の; そこに; 同棲する;
ずっと一緒に
Ma laila nō kāua
あそこであなたとわたし
E pili mau ai
ずっと一緒に
以上より、ハワイ語歌詞、英文歌詞、日本語適当歌詞を合わせて書いてみると以下の
ようになりました。英文と比較して、それほど離れていないので字幕は基本的にこれ
でいきます。
E Kuʻu Morning Dew
Ē kuʻu morning dew My morning dewq 私の朝露よ Alia mai, alia mai Wait a moment 待って、待って Maliu mai ʻoe Pay attention 注意を向けて、あなた I kaʻu e hea nei To what I call out 私の言うことに E kali mai ʻoe Wait 待って、あなた Iaʻu nei, iaʻu nei For me, for me 私のために、私のために ʻO wau iho nō I remain yours 私は私自身 Me ke aloha With love この愛とともに Wehe mai ke alaula Dawn breaks 夜明けの陽光が射してくる ʻOliliko nei līhau And the wet dew sparkles 露に濡れた花のように 生き生きとしたこの輝き E hoʻohehelo ana Causing a rosy color 美しさを誇っている I neia papālina On these cheeks この頬の上で I uka o Mānā Up at Mānā マナの高地で I ka ʻiu uhiwai In the mist-shrouded highland 神聖な霧の中で Ma laila nō kāua There, you and I そこであなたとわたし E pili mau ai Will remain forever ずっと一緒に Ma laila nō kāua There, you and I そこであなたとわたし E pili mau ai Will remain forever ずっと一緒に
[1] 西沢佑、「ハワイ語の手引き」千倉書房、2021