「アカペラで歌う パーレフア ( Pālehua )」
「 アカペラで歌う パーレフア ( Pālehua ) : 資料編」
「ポリネシアの歌」
【はじめに】
ようやく「パーレフア」(或いは「パレフア」) を歌うことができました。最初は簡単に終わるかと思っていたのです。ところが、とても難しいのです。何故か、と考えているうちにこの曲の背景を調べ、どの様な思いで作られたのかを考えることになりました。詩を書いた エイミー ハナイアリイがとても起伏に富んだ声で美しく歌うので、勘違いしていたのです。この詩は「カヒコ」であり、祈りなのです。そう分かると、この素人カメラマンなりに歌う取り掛かりができたように思います。それらのことは、以下のようにご説明いたします。
【アカペラで歌う「パーレフア」】
【歌詞の解析】
【Amy Hanaiali'i Gilliom について (Wikipedia [4] から抜粋) 】
【 William Awihilima Kahaiali'i について (Wikipedia [6] から抜粋) 】
【アルバム『 Amy & Willie K – Hānaialiʻi 』について】
【ワイアナエ (Waianae) 山地と パーレフア という場所について】
【「Pālehua」についての若干の考察】
【歌詞と拍との関係について】
【背景動画について】
【おわりに】
【アカペラで歌う「パーレフア」】
パーレフア (Pālehua または, パレフア) はオアフ島 ワイアナエ (Waianae) 山地の南端にある高地です。この「忘れられない場所」である パーレフアを讃えながら、霧に包まれた森、そして風に乗って ユーカリ が香る情景を歌います。
Pālehua
詞 : Amy Hanaiali'i Gilliom
曲 : William 'Awihilima Kahaiali'i
1998 年発表
E kahea mai ana 呼びかけて来ています
ʻO Pālehua ē Pālehua が
Wahi lani haʻupu iaʻu 天の地が伝えます
E poina ʻole 忘れぬように
Ke kuahiwi kaulana この安らかな丘は
Wehe i ka lani 開いている 天に
ʻO ka wahi kiʻekiʻe loa ここはとても清々しい
ʻO Pālehua ē Pālehua は
E pa mai ana ka makani 優しい風が吹きます
I ka ulu nahele この深い森には
Ulupuni mākou i ke ʻala 包む込む香りは
palepiwa ユーカリの
ʻAuhea wale ana ʻoe お聞き下さい 貴方
ʻO Pālehua ē Pālehua よ
Haʻina ʻia mai いま一度歌います
Ana ka puana la お伝えしたいことを
E kahea mai ana 呼びかけて来ています
ʻO Pālehua ē Pālehua が
Ke kuahiwi kaulana この安らかな丘は
Wehe i ka lani 開いている 天に
ʻAuhea wale ana ʻoe お聞き下さい 貴方
ʻO Pālehua ē Pālehua よ
ʻAuhea wale ana ʻoe お聞き下さい 貴方
ʻO Pālehua ē Pālehua よ
その結果は以下の通りです。
【歌詞の解析】
歌詞は HUAPALA [7] からです。
Pālehua
words by Amy Hanaiali'i Gilliom,
music by William 'Awihilima Kahaiali'i
1
E kahea mai ana
ʻO Pālehua ē
Wahi lani haʻupu iaʻu
E poina ʻole
Ke kuahiwi kaulana
Wehe i ka lani
2
ʻO ka wahi kiʻekiʻe loa
ʻO Pālehua ē
E pa mai ana ka makani
I ka ulu nahele
Ulupuni mākou i ke ʻala
palepiwa
3
ʻAuhea wale ana ʻoe
ʻO Pālehua ē
4
Haʻina ʻia mai
Ana ka puana la
E kahea mai ana
ʻO Pālehua ē
Ke kuahiwi kaulana
Wehe i ka lani
3
ʻAuhea wale ana ʻoe
ʻO Pālehua ē
3
ʻAuhea wale ana ʻoe
ʻO Pālehua ē
ハワイ語の解析では、主に、辞書 [1] を使いました。また、必要に応じて オンライン辞書 [2] を用いました。項目説明が英文になっているものです。歌詞は二行ずつで一まとまりになっていますから、二行を一文として解析していきます。
最初の 1節です。
E kahea mai ana ʻo Palehua ē
kāhea 呼ぶ
e [V] ana 未完の動作
呼びかけています Palehua が
Wahi lani haʻupu iaʻu e poina ʻole
wahi 場所
lani 空, 天空; 天国の, 精霊の)
ha'upu 思い出す, (急に)思い立つ(立たせる)
ia'u ia + a'u
poina 'ole [ poina (忘れる) ]の否定
この天国が思い立たす 忘するまいと
Ke kuahiwi kaulana wehe i ka lani
kuahiwi 山、高い丘
kaulana 有名な; 安らかな
wehe 開く, 開ける, 取る
この安らかな丘が天国を開く
「Kaulana」には、「有名な」と「安らかな」と言う、日本語で考えれば全く違う意味があります。この部分は、アルバム『 Amy & Willie K – Hānaialiʻi 』では「Famous mountain」となっています。普通に考えると、「高名な山」です。後でもう一つ触れますが、このアルバムでは「kaulana」を「famous」に対応させています。これを「高名な」と考えては詩的な雰囲気は壊れてしまいます。ハワイでは英語は公用語ですから、このハワイ語と英語の対応は普通なのでしょうが、やはり変です。そこで、英語の「famous」を調べてみますと、「高名な」の意味の他に、口語的な用法として「すてきな」という意味があるのが分かります。この口語的な用法が ハワイに根付いて「kaulana → famous」となっているのであれば、日本語では「kaulana → やすらかな」となっても良いと分かります。
実は、この様な例が同じアルバムの 9番目の歌「ʻO Ke ʻAla O Nā Pua (花々の香り)」にもあります。その 1節はこの様になっています。
'O ke 'ala o nā pua
He u'i mai ho'i kāu
Kaulana mai nei 'oe ←
I ka pua pikake
その英訳として次の詞があげられています。
The fragrance of the flowers
Simply lovely to me
Famous are you ←
My pikake blossom
この三行目を「貴方は有名」としてしまっては何をか言わんやです。当然、次のように考えるべきです。
花々の香り
私にとってただただ素敵
あなたは安らぎ
私のピカケの花
歌えるかは別にして、文的には作者の心が現れているように思えます。そうすると、このアルバムでは「kaulana (→ famous) →安らかな」と考えれば良いことが想像されます。これは考えてみると自然なことです。日本には、英語は書き言葉として入って来ています。ですから、本来の意味として「famous → 高名な」となります。しかし、ハワイには英語は話す言葉として入ってきたのですから、口語的に「famous → すてきな」となっていて不思議ではありません。勿論、ハワイでも公的な文章では「famous」は日本語と同じく「高名な」という意味であることは間違いありません。それと、歌う上での感覚とは別と考えても良いと思います。
なお、「kuahiwi」をここでは「丘」としました。実際には「山」或いは「山頂」と言うべき場所らしいのですが、「安らかな丘」とすると イメージが膨らむように思いました。
次の 2節です。
ʻO ka wahi kiʻekiʻe loa ʻo Palehua ē
ki'eki'e 高いこと, 高貴な, 優れた
loa 長い, 大いに
とても清々しい所なのです Palehua は
「Ki'eki'e」には「高貴な」という意味合いが含まれています。日本で言えば、「清浄な」ということに相当するものと思われます。
E pā mai ana ka makani i ka ulu nahele
pā 触れる, 風が吹く, 輝く
makani 風, 微風, 風が吹く
ulu 成長する, 霊感を受けた, 木立
nahele 森林, 木立
優しい風が吹きます その深い森には
この行の「ulu nahele」をどう捉えるかが分かりませんでした。同じような語が並んでいるとしか思えません。辞書 [2] では、それぞれ、以下の通りです。
nahele n. Forest, grove, wilderness, bush; trees, shrubs, vegetation,
weeds. (森, 林, 原野, 茂み; 樹木, 低木, 植物, 雑草)
adj. Pertaining to a thicket or grove; lau nahele, green leaves;
herbs. (茂みや林に関する; lau nahele 緑の葉;ハーブ)
ulu n., Grove (茂み, 小さい森), ulu kanu, Ulukou, ulu kukui, ulu
lāʻau, ulu niu; assemblage, collection, or flock (集合体, 集まり,
または群れ), ulu hōkū, ulu manu, ulu moku, ulu waʻa.
「Ulu」は「林」に近いようですが、それでも、同じような語が並んでいるとしか思えません。「Ulu nahele」で検索すると、Auckland University of Technology (ニュージランド) の修士論文 [3]、「E Lohena I Ka Ulu Nahele (Listening to the Forest)」が見つかりました。著者はハワイ人のようで、要所要所にハワイ語の文章が挿入されています。とすれば、「ulu nahele」は ハワイ語で「forest」であると考えられます。正確には、「forest 」で「森」、そして「forests 」で「森林」となり、「森」は植生を指し、「森林」はそれが支える動植物の生態系全体を指すものとされます。この修士論文では生態系を議論の対象としているので、タイトルの部分は正確には「E Lohena I Ka Ulu Nahele (Listening to the Forests)」でしょう。そうすると、この歌詞の行の「ulu nahele」は、学術的には、「森林」です。そうすると、この歌では、「森」を歌いたいのに「nahele」単独ではリズムに不足なので、もう一の言い方「ulu nahele」を使用したのだと考えて良いと思います。歌では生態系には言及しませんから、「ulu nahele」は結局「森」です。日本語はハワイ語ほどにはリズム的な要素は強くありませんから、「広い森」とか「深い森」などのように リズムの変化は求めずに「森」で良しとします。
( 議論としては正しいと思います。しかし、実際に歌ってみると、やはり何かが足りないように思えましたので、「深い森」としました。)
Ulupuni mākou i ke ʻala palepiwa
ulupuni 感情で圧倒する, 強い感情を引き起こす
mākou 一人称複数(exclusive)
'ala 香気
palepiwa ユーカリの木
私達は深く包まれます、ユーカリの香気に
繰り返しフレーズの 3節です。
ʻAuhea wale ana ʻoe ʻo Palehua ē
'auhea どこに[へ,を,で], 聞きなさい
ana 命令文, 平叙文において動詞に続き, 事柄や状態を表す
貴方、よく聞いて下さい、Palehua よ
まとめとなる 4節です。
Haʻina ʻia mai ana ka puana la
ha'ina (詩歌の) 折り返し句, 折返し句を歌う
ha'ina 'ia mai ana ka puana 折返し句が告げられる
'ia 動詞の後に続き, 受け身, または命令を表す.
ana 命令文または平叙文において動詞のあとに続き, ある事柄や状態
を示す
puana 歌い始め、主題
la リズムを整え盛り上げるために(歌などで)使う
歌の主題が歌われます
(もう一度歌います、お伝えしたいことを)
E kahea mai ana ʻo Pālehua ē
呼びかけています Pālehua が
Ke kuahiwi kaulana wehe i ka lani
この安らかな丘が天国を開く
繰り返しフレーズ( 3節)の繰り返しです
ʻAuhea wale ana ʻoe ʻo Palehua ē
貴方、よく聞いて下さい、Palehua よ
【Amy Hanaiali'i Gilliom について (Wikipedia [4] から抜粋) 】
Amy Hanaiali'i Gilliom (エイミー ハナイアリイ ギリオム) は アメリカのボーカリスト兼ソングライターで、過去に グラミー賞に6回ノミネートされています。そして、ハワイの伝統的な女性ファルセット歌唱を復活させたことで良く知られています。
( ご自身の HP [5] での自己紹介では、「厳格なクラシック音楽の訓練」を受けたとあります。)
彼女のファーストアルバム『Native Child』(Mountain Apple Company MACD 2030) は1995年にリリースされ、セカンドアルバム『Hawaiian Tradition』(MACD 2040) は1997年に録音・リリースされました。彼女は、アルバム『ジェネレーション・ハワイ』で 2007年 ナ ホク ハノハノ賞の 年間最優秀アルバム賞、年間最優秀ハワイアン アルバム賞、年間最優秀女性ボーカリスト賞、最優秀エンジニアリング アルバム賞の4部門を受賞しました。また、初のヒットアルバム『ハワイアン・トラディション』のプロデューサーでもある William 'Awihilima Kahaiali'i (通称 ウィリー K) と数年間、共演、レコーディング、ツアーを行いました。彼らの最初のアルバムは 1998年に発表された『Amy* & Willie K – Hānaialiʻi 』(The Mountain Apple Company) です。これにより、ナ ホク ハノハノ賞の年間最優秀ハワイアン アルバム賞と女性ボーカリスト賞を取りました。その後、二人は活動を別にしていましたが、2014年に共演アルバム『リユニオン (Reunion) 』をリリースしました。社会的な面では、2013年に、ウィリー Kと共に、ハワイ州結婚平等法の署名式でジョン レノンの「イマジン」を歌ったことが特筆されています。
エイミー ハナイアリイは幼少期、父(ロイド)、母(ミミ)、そして兄と共に、マウイ郡の郡都 ワイルクにある マウイ・ユース・シアター(現在のマウイ アカデミー オブ パフォーミング アーツ)に関わっており、祖母 Jennie Napua Woodd (ジェニー ナプア ウッド) の資質を受け継いでいます。1930年代、彼女の祖母はニューヨーク市の有名なレキシントン ホテルで公演を行っていました。このホテルは、元祖「ハワイアン ルーム」があった場所であり、エイミー ハナイアリイの祖母も長年ハワイアン・ルームで公演を行いました。彼女の兄エリック ギリオムもパフォーマーであり、彼女は彼とプロとして共演したことがあります。
【 William Awihilima Kahaiali'i について (Wikipedia [6] から抜粋) 】
ウィリー Kとして知られる William Awihilima Kahaiali'i (ウィリアム アウィヒリマ カハイアリイ) は 1961年に マウイ島 ラハイナで生まれ、シンガーソングライター、ミュージシャン、レコードプロデューサーとした活躍しました。彼の音楽ジャンルはブルース、ロック、ハワイアン、オペラなど多岐にわたります。
ウィリー K は、1993年に エイミー ハナイアリイと活動を開始し、その二人の活動は9年間続き、その間に 7つのナ ホク ハノハノ賞を受賞しました。その後、共演活動は解消されていましたが、 2005年に再結成アルバム『Amy & Willie Live』を出し、グラミー賞最優秀ハワイアン ミュージック アルバム賞の創設初年度にノミネートされました。ウィリー K は 2020年に 59歳で亡くなりました。
【アルバム『 Amy & Willie K – Hānaialiʻi 』について】
「Pālehua」はとても不思議な曲です。とても斬新な雰囲気を持っていながら、実際に歌ってみようとすると、歌になりませんでした。素敵な伴奏のもとで歌われていながら、メロディと言えそうなものがないのです。それで、ようやく、これは「カヒコ」であることに気が付きました。ハワイ語において情景描写に徹すると、カヒコにならざるを得ないのかも知れません。そのカヒコを巧みに歌いこなしているので、最初は普通の歌のように思えたのです。カヒコと言えば、グランドステージ「虹 ~ Mana'o Aloha」の「ナ アラ アローハ」を思い出します。情景描写という点ではよく似ています。この歌も彼女が歌うと「Pālehua」の様になるのでしょうか。しかし、何故 カヒコの形式の歌を、この方が作られたのでしょうか。それは、この詩が収められた エイミー ハナイアリイと ウィリー K の 1998年のアルバム『 Amy & Willie K – Hānaialiʻi 』にヒントがあるかも知れません。
このアルバム『 Amy & Willie K – Hānaialiʻi 』に収録されている曲は次の通りです。エイミー ハナイアリイ作詞の曲を太字にしてあります。「ハワイの伝統的な女性ファルセット歌唱」が楽しめます。
1 Pālehua, Amy Hānaialiʻi (lyrics) and Williie K (music)
2 KHBC*, Vickie Iʻi Rodrigues
3 Mālama Mau Hawaiʻi, Willie K
4 Nani Wale Iaʻu ʻo Waimea, Amy Hānaialiʻi (lyrics) and Willie K (music)
5 Wahikuli, Willie K
6 Pua ʻAlani, Emma Alexandria K de Fries
7 Ma Mua Paha, Amy Hānaialiʻi (lyrics) and Williie K (music)
8 Ala Moana Annie, Jennie Napua Woodd**
9 ʻO Ke ʻAla O Nā Pua, Amy Hānaialiʻi
10 Kuʻu Pilikua, Amy Hānaialiʻi (lyrics) and Williie K (music)
11 Wailana, traditional
12 E Liliʻu Ē, John Kaulia
13 ʻO Koʻolau Kū I Ka Lani, Amy Hānaialiʻi (lyrics) and Williie K (music)
( * ホノルル放送会社 [Honolulu Broadcasting Company] ,「K」は米国ラジオ局の記号 )
( * * エイミー ハナイアリイの祖母 )
エイミー ハナイアリイが作詞した歌 (「Pālehua」を除き) の第一節を歌詞カードから抜き出し、歌詞カードにある英文歌詞の グーグル翻訳で歌われている内容を見てみましょう。最初の曲にある ワイメア (Waimea) という名称は、ハワイ島内陸部にある都市とカウアイ島南西部海岸の町、そしてオアフ島北部の ワイメア湾とにあります。歌の内容から、オアフ島のワイメアを歌ったものと思われます。そこには夕日の沈む浜辺と ワイメア植物園があります。ハワイの花・植物・野鳥図鑑 [8] によれば、「pua kenikeni 」は南ポリネシア原産の花で、ハワイでは自生していません。花は時間がたつにつれてクリーム色からオレンジ色に近い濃い黄色まで変化し、良い香りがするそうです。コオラウ (Koʻolau) は オアフ島北東を走る山脈です。( 結局、アルバムに出てくる場所は、全て、オアフ島にある場所です。また、グーグル AI の言うには、歌われている地名が複数の島にある場合、郷土愛が強いハワイでは、作者の出身島のもので「100%間違いない」のだそうです。また、件の AI が言うには、ハワイ島の高原にあるワイメアを歌うときには必ず霧雨が出てくるのだそうです。資料編の「付録 : B 」参照)
4 Nani Wale Iaʻu ʻo Waimea (ワイメアは私にとってただただ美しい)
Kaulana e ka lā ma ke kai o Waimea
E kolo ana ka hanu o Pele i ka lewa moe
Ka malu o ka lani me he pua kenikeni
Nani wale ia'u 'o Waimea
ワイメアの海に夕日が沈む
低い空にはペレの息吹が漂う
その空はケニケニの花の色をしている
私にとってワイメアはただただ美しい
( ペレはハワイ島に常住するまでは各島を訪れたと言われ、オアフ島にも伝説が
残されているようです。夕日が ワイメア湾に沈む時、雲は ペレの息吹のように
赤く色づき、空は ケニケニの花のように変わると歌います。)
7 Ma Mua Paha (もしかしたら以前)
He mea nui ku'u
Aloha iā 'oe
Ma mua paha
Aloha wale kāna
私のあなたへの愛は大きい
永遠の愛
もしかしたら、私たちは以前
恋人同士だったのかもしれません
9 ʻO Ke ʻAla O Nā Pua (花々の香り)
'O ke 'ala o nā pua
He u'i mai ho'i kāu
Kaulana mai nei 'oe
I ka pua pikake
花々の香り
私にとってただただ素敵
あなたは安らぎ
私のピカケの花
10 Kuʻu Pilikua (私の巨人)
'O 'oe i ku'u mana'o
Kali 'ana ma kahakai
Ka makani e walea ai
Ka mana'o e hā'upu nei
よくあなたのことを思い出します
海辺に座っていると
心地よいそよ風が
心に深く残る思い出
13 ʻO Koʻolau Kū I Ka Lani (コオラウは天に立っている)
Kāhela mālie ma ka mokupuni
I ka pali nihoa
'O ka ua kulu waimaka
Kālai 'ia e Kānehekili
島に静かに横たわる
カヌーが背に乗った崖の上
雨は涙のように流れる
カネヘキリ、雷のアクアによって洞窟が作られた
最初と最後の歌を除き、それぞれの歌詞の主題は同じです。最後の曲は エイミー ハナイアリイと ウィリー K の デュエットですから、他の曲と同じに見ても良いでしょう。しかし、最初の歌にしても、よく考えると、大きな街があるわけではない ワイメアで夕日まで見るのですから、誰かに エスコートされて訪れたはずです。そうすると、エスコートした人との関係が歌詞に反映されていると考えるのが自然です。さて、その主題を、アルバムの歌詞カードにおいて、エイミー ハナイアリイ自身が語っていますので、 グーグル翻訳で引用します。
「Mahalo Nui (本当にありがとう)
まず何よりも、美しいハワイ語を書き歌う力、勇気、そして決意を与えて下さっ
た神に感謝いたします。次に、ハワイアンミュージックのレジェンドたちに感謝申
し上げます。ジェノア ケアヴェおばさん、レナ マチャド、エディ カマエとサンズ
オブ ハワイ、ジェシー カリマ、そしてジェニー ナプア ウッドの皆様ありがとうご
ざいます。おかげさまで、私たちは皆様の足跡を辿ることができました。
プロデューサーのウィリアム アウィヒリマ カハイアリイへの感謝の気持ちは、
言葉では言い表せません。マウイ出身の地元の女の子を助けるためだけに、自分の
人生を捧げてくれた男性に、一体何と言えばいいのでしょう。彼は、全ての音符、
全ての「ハイ (ha'i)」の歌い方を教えてくれ、自信に満ちた若いハワイアン女性歌手
へと育ててくれました。彼に恋をしたという事実を抜きにして――どうして恋に落
ちずにいられるでしょう――彼は聡明で才能にあふれ、とても予測不可能ですが、
本当に良い人です。彼は世界の何物にも代えられません。
( 注釈 : ha'i は「ha'ina 'ia mai」などで始まる繰り返しのこと )
ハワイ出身の人なら誰でも、家族がどれほど大切か、どんな辛いことがあっても、
家族はいつも無条件に傍にいてくれることを知っています。お母さん、お父さん、
ティム、エリック、そして祖母のジェニー、愛しています。信念を貫き、素晴らし
い母親であり、教授であり、ハワイアンであるリリカラ カメエレヒワ叔母さんに、
心から敬意を表します。ありがとう。
エネルギッシュなウリウリをありがとう、ケアリイ ゴラ。あなたは本当に刺激的
です。そして最後に、アン イノウエ、ウィリー、そして私のエージェント、ずっと
支えてくれてありがとう。ローランド カジメロ、ありがとう。ロバート、このアル
バムに参加してくれてありがとう。ボビーとジョン、何と言えばいいかな … 貴方た
ちは最高だ。ミラン、ありがとう。貴方の意見はいつも大切にしています。
I Ka 'Ārina Kaulana! ジョンとマウンテン アップル カンパニーの皆、私を信じてく
れてありがとう。」
最後に、エイミーの ホームページ (HP) [5] において、「Pālehua」25周年記念事業の前書きに書かれている文章を、やはり グーグル翻訳で、引用します。
「 ヒルトン グランド バケーションズと ハワイアン航空が贈る
エイミー ハナイアリイの「パレフア」25周年記念
オアフ島にそびえる美しい山、パレフアは、25年前、エイミー ハナイアリイと故
アンクル ウィリー Kがハワイで最も愛される楽曲の数々を作曲した際に、創作の
魔法を掻き立てました。この魔法のような場所へのオマージュとして書かれた楽曲
「パレフア」は、瞬く間に名曲となりました。ホノルル・マガジンは「史上最高の
50曲」にこの曲を選出しています。
( 後段省略) 」
【ワイアナエ (Waianae) 山地と パーレフア という場所について】
パーレフアは、オアフ島の南西部の ワイアナエ 山地の南の端で標高の高い所にある場所です。オアフ島は雨が有名ですが、南西部は風が山を超えてくるために、ワイアナエ山地の南側斜面は乾燥して温暖な気候になります。そのため、この地域には外来種の ユーカリが非常に多く繁殖しています。その中で、パーレフアは標高の高い山頂付近であるため、霧に包まれることが多く、その湿度の高い雰囲気は ユーカリの香りが辺り一面に漂う別世界をつくり出していると AI は言います。(資料編の付録 A 参照) この山頂付近に Mountain Apple Company の山小屋兼音楽スタジオがあり、そこで作詞作曲があり、同時に収録されたらしいです。その様子が「Pālehua」公式ビデオに残されています。
歌の中の「天国のような所 (wahi lani) 」というのは辺り一面が霧に包まれたさまを表す様に思えます。しかし、それがカラッとした天候のイメージの強い ユーカリと両立しないので不思議だと思っていましたが、音楽スタジオの場所を知ってなるほどと思いました。深い森の中にありながら優しい風が吹くのも、山頂付近であれば納得します。この公式ビデオの説明欄に、「エイミーとウィリーが1997年から1998年にかけて、オアフ島のパレフアにあるマウンテンアップルカンパニーのスタジオで行ったレコーディングセッション」とありますから、このアルバムはこの様な雰囲気の中で作成されたのでしょう。
なお、AI との対話は面白かったので、記録として付録 (資料編「付録 A」) に乗せておきます。AI の情景描写が歌とよくあっているので驚いたのですが、逆に、AI が「Pālehua」の歌詞からその様な説明をした可能性もあることは注意したほうが良いでしょう。
【「Pālehua」についての若干の考察】
エイミー ハナイアリイの書いた歌詞と アルバム『 Amy & Willie K – Hānaialiʻi 』の歌詞カードの文章には2つの「愛」が感じられます。「 ウィリー K への愛」と「神への愛もしくは感謝」です。アルバムの レコーディングが行われた場所であるパーレフアの雰囲気は神の臨在を特に強く感じさせたと想像します。「パーレフア」の歌詞がいつ書かれたのかは分かりません。しかし、間違いなく、その歌詞は レコーディングでこの場所を訪れた時に作られたもので、このアルバムを象徴する歌として最初に置かれたのでしょう。先にこの歌は「カヒコ」ではないかと申し上げました。それはおそらく、二つの愛への感謝と祈りがそうさせたのでしょう。そしてそれが、この歌を「カヒコ」でありながら感傷的で色彩感のあるものにしているのだと思います。パーレフアはいにしえの聖地 (ヘイアウ) でもあったそうです。(付録 A 参照) だからというわけではありませんが、ここにある「神の愛」はとても ハワイ的で、日本の世界にも通ずるもののように思われます。
【歌詞と拍との関係について】
何時もの様に、歌詞と拍の関係について、理解した限りで、書かせていただきます。
まず、原歌詞からです。一行が「強(❍) 弱(●) 強(❍) 弱(●)」の四拍の様ですが、強拍のみの二拍と考えた方が歌いやすいかも知れません。以下の拍の位置は厳密ではなく、該当する場所の音節の一まとまりに拍が置かれると考えてください。例えば、一行目の「kahea」は、「ka」と「hea」に便宜上分けて、「hea」に拍が置かれるという意味で考えてください。拍記号の上にある「↗ 」や「 ↘ 」は音程の上げ下げを感覚的に表したものです。上がり気味、下がり気味程度に取ってくださればよいです。まとめ節の 4節に置いて、特に強く発声すると良さそうなところには「⇩」を付けました。「一回目」と「二回目」というのは、原曲 では 4節が二回歌われていて、強調する所が異なるためです。ハワイアンズでは一回目が相当します。歌の流れは、「 1 2 3 4 3 3 」で、最初の 3節の後に 8拍の間奏があります。
Pālehua
words by Amy Hanaiali'i Gilliom,
music by William 'Awihilima Kahaiali'i
次に日本語歌詞です。下線はアクセント辞典[9] によるアクセントの場所です。ただし、アクセントの終わりで強調から弱調に変化させることを示す付加情報は入っていません。また、複数の言葉が結合した場合のアクセント法則も調べていません。繰り返しは省略しました。
【背景動画について】
背景動画は グランドステージ「 翔~To the new world~」2025年 1月 6日の動画からとりました。この日ははじめから「パーレフア」の演目動画を作成する心づもりでしたので、最後のフィナーレまで近寄ったアングルで撮り、この日の グランドステージのサムネイルにも使用しています。
ウアケアさんは群舞の ハーモニーをとても大事にされる方です。そのことは共演の方々にも伝わっているのでしょう。最後に拝見した、 6月 23日の「川の流れのように」に十二分に現れていますし、前年 2024年 1月 23日の「サンゴ礁の彼方」でそれが達成されたときには、とても喜んで居られたようでした。実は、他の演目と違って舞台の大きな「川の流れのように」では、当初は、それほど ハーモニーには気をお配りになっていなかったようなのです。たぶん、戸惑いを持たれていたのでしょう。ところが、この年の 3月 3日の舞台で ウアケアさんの動きが飛び抜けていて素晴らしいと ブログに書きましたら、次に訪問させていただいたときには、すっかり、踊り方を変えておしまいになっていました。多分、これではいけないと、ソリストの方々の間で踊り方をお合わせになったのでしょう。以後は、ハーモニー重視になっていました。ですから、この「パーレフア」でも ハーモニーを大切にしておられることはよく分かります。
プロローグ
<ʻO ka wahi kiʻekiʻe loa とても良い所、ʻO Pālehua ē Pālehua は>
<Haʻina ʻia mai いま一度歌います、 Ana ka puana la お伝えしたいことを>
<ʻAuhea wale ana ʻoe お聞き下さい 貴方、 ʻO Pālehua ē Pālehua よ>
エピローグ
個別に拝見すれば、ウアケアさんの踊りの バランスの良さと動きの大きさには特筆すべきものがあります。でも、ウアケアさんは常に群舞の中でのご自分をお考えになっていらしていて、群舞の中に見事に溶け込んでしまわれます。
ところが、この踊りでは エピローグの付近で皆さんの表情が揃っていない気がしていたのです。一般に、この踊りでは、プロローグで皆さんの表情がバラバラで、踊りの進行と共に揃ってくる傾向がありましたので、拝見した時は、最後に気持ちが抜けてしまったのだろうと思っていました。上の スナップ ショットで見る限りは、この日の「パーレフア」はとても良かったように思いました。ですから、これまで気に留めておりませんでした。しかし、今回、サムネイルをつけるために場面を細かく検討しましたら出て参りました。エピローグの直前の本当に短い時間ですので、動画では見落としてしまいます。
位置的に厳しい左端の方を除き、皆さんはこの短い時間間隔の中でそれぞれにガンをお付けになっておられます。
実は、この日、 1月 6日は訪問する予定ではなかったのです。なぜこの日の訪問を急遽決めたかと言いますと、1月 1日には ウアケアさんの 「タネ イ ムア」が拝見できませんでしたし、次の予定の 1月 14日付近でも ウアケアさんは「タネ イ ムア」をお踊りにならないのです。落胆していた所、天に導かれたようにこの日の訪問が決まったのです。似た出来事は 2024年にもあって、その時は ウアケアさんは随分と歓迎してくださったように記憶します。ですから、素人カメラマンは、ここで発見した違和感については戸惑いました。考えたのですが、この様なことがあったのではないかと思います。確か 1月末から、グランドステージのシリーズが、それまでの「翔~To the new world~」から、ハワイアンズ 60周年を記念した「Emau~100年へ、つなぐ笑顔~」に変わり、同時に、「タネ イ ムア」も従来のものから、「倒れ込み」のあるものに変わったのです。皆さんは実際に倒れ込まれるのですが、ところが、ウアケア さんは「飛翔」されるのです。暫くたった 3月 3日に拝見して、素人カメラマンが驚いた経緯については 前項 に書かせていただきました。この日の違和感はどうもこの変更と関係がありそうです。
グランドステージの ソロ演目は、ずっと、「タネ イ ムア」です。その リズムのとり方や踊り方は ソリストの方々それぞれに少しずつ違います。また、踊られるたびに少しずつ修正もされます。それらを拝見していて感じるのは、奥舞台から主舞台へ降りてこられるときから フィニッシュまで、全てのステップをきっちりと定めて居られることです。特に、本質的でない演技を避ける ウアケアさんにはその印象が強くあり、ドラムに合わせて細かく決めて居られる様に思われます。ステップが決まると、踊りもほとんど定まります。同じ「タネ イ ムア」とは言っても、「倒れ込み」がある場合には時間配分も伴奏も変わり、全てのステップを決め直さなければなりません。前後に起きたことを勘案すると、この「倒れ込みタネ イ ムア」を推されたのは、どうも、ウアケアさんらしく思われます。そうすると、 1月の末から 2月にかけては、新しい「タネ イ ムア」のための推敲と練習とで人一倍に気を入れて居られた時期であったようです。ウアケアさんは常に最善を求めて居られるように思います。そうすると、それまでの「タネ イ ムア」に振り向けた練習は少なめになります。その完璧でない「タネ イ ムア」をお見せになりたくなかったのが 1月の頃の ウアケアさんだったのでしょう。素人カメラマンが予定外の 1月 6日に訪問すると宣言したので、完璧な「タネ イ ムア」を踊らなければならないとお考えになった ウアケアさんは練習スケジュールが狂って困って居られたでしょうし、それは周囲の方々、同じ演目を踊られる方々には分かります。特に、「タネ イ ムア」に関しては同じ立場に居られたであろう ウイラニさんには。そう思って上の スナップ ショットを拝見すると納得できる思いがします。この「アクシデント」が、2月に ウアケアさんの「タネ イ ムア」を拝見できなかった原因でもあったかも知れません。この方は常に最高の「タネ イ ムア」を素人カメラマンにお見せになりたかったのだと思います。それだけに、3月3日の「タネ イ ムア」 の美しさには素晴らしいものがあり、同時に、見事に踊りきったこの方の達成感は目にも明らかでした。それだけに、その愛する舞踏家ウアケア佳奈子を批判せざるを得なかった素人カメラマンには忸怩たるものがあります。しかし、同じ状況であれば、同じことを繰り返さざるを得ません。
この 1月 6日の「パーレフア」にはこのような事情があるように思われます。ですから、「パーレフア」としては他にもっと良いものを探しても良かったのですが、それはせずに、この日のものをあえて使わせていただくことにしました。愛すべきウアケアさんが如何程に素人カメラマンに最高の踊りをお見せになろうとお考えであったかの記念になる様な気がするからです。常に最高であることを目指すところには真実、つまり愛があります。ですから、この方の踊りには愛があるように思うのです。今現在、私達一般人の生活はますます苦しくなっています。このような世界を変えていくには何が必要なのでしょうか。色々あると思いますが、この素人カメラマンは愛だと思うのです。正確に言えば、私達の互いへの愛です。昔日のごと、互いに愛されていると信じられるなら、私達は前向きに生きていくことができます。ウアケアさんの踊りは私達のその愛を思い出させてくださるのではと思います。その先には、私達のための世界が開いているでしょう。「パーレフア」が歌う様に。ですから、ウアケアさんが再び私達の前で踊られるときをお待ちするのです。
【おわりに】
この歌も前回の「ブルーレイ」と同様に思いの外時間がかかってしまいました。「ブルーレイ」の場合には単に歌唱力が足りなかったのが主原因でした。「パーレフア」の場合、どの様な方向性で歌えばよいのかが、最初は思い当たらなかったのです。この歌だけを聞けば、簡単に歌えそうで、後は歌唱力の問題のように思えます。しかし、「はじめに」に書かせていただいたように、そうではなかったのです。ウアケアさんが気持ちよく踊られる歌は奥があります。今回も、色々と勉強させていただきました。そして、愛する舞踏家ウアケア佳奈子への思いをまた新たにさせていただきました。
「アカペラで歌う パーレフア ( Pālehua ) : 資料編 」
[1] 西沢佑,「ハワイ語の手引き」, 千倉書房, 2021.
[2] Wehewehe Wikiwiki: Hawaiian language dictionaries. University of Hawaii
System, University of Hawaii at Hilo.
[3] Bishop, Sarah Kapuhealani, E Lohena I Ka Ulu Nahele (Listening to the Forest):
Developing tohu (environmental indicators) for forest monitoring in Te Wao
Nui ā Tiriwa in collaboration with Te Kawerau ā Maki. Thesis for the Master of
Science (Research), Auckland University of Technology, 2025.
[4] Amy Hānaialiʻi Gilliom , Wikipedia.
[5] Amy Hānaiali‘i , HP of amyhanaialii.com.
[6] Willie K , Wikipedia.
[7] Pālehua , HUAPALA.
[8] プア・ケニケニ , アヌヘア:ハワイの花・植物・野鳥図鑑.
[9] 金田一晴彦[監], 秋永一枝[編], 新明解 日本語アクセント辞典, 第 2版. 三省堂 2024.















