元刑事アメンボウの赤裸々ブログ -9ページ目

元刑事アメンボウの赤裸々ブログ

ちょっと覗いてみたい刑事の世界を紹介したり、話題の事件を刑事の視点から分かりやすく解説していきます。
お楽しみに〜

皆さんおはようございます。

今市市女児殺害事件で勝又容疑者が殺人罪で起訴されました。

起訴というのは、事件を担当する検察官が、裁判にすることを宣言したという意味です。

犯行から時間が経過している事件の場合、殺人罪で起訴するのは、相当大変な捜査であったと推察できます。

何が大変なのかを解説しましょう。

事件の裁判で、もっとも強力な証拠は、物的証拠です。

最も典型的なものとしては、犯行に使用したナイフなどが、犯人の供述から発見されるなどでしょう。

しかし、今回の事件ではあまりにも時間が経過しているのでそれらの物的証拠もほとんど見つかっていません。

このような場合、状況証拠をどれだけ集められるかがポイントとなります。

例えば、犯行に使用したナイフやガムテープをどこで購入したのかを犯人から聞き出し、その店で当時、実際に販売されていたかを確認したり…

パソコンに記録されていた、被害者の画像をどのように撮影したのかを犯人に再現させて、実際の画像との矛盾点がないことを証明したり…

このようにして、犯人の供述のひとつひとつを裏付けていき、だから犯人の供述は真実だと立証していくのです。

今、犯人は殺害を認めていますが、裁判で突然否認することはよくあります。

そこで、犯人が捜査段階で供述していたことは真実だと裏付け捜査で固めておけば、裁判の段階で否認に転じても安心となるわけです。

また、起訴になった事を受けて、もう一つ注目したいのが余罪の立件です。

このような猟奇的殺人事件の特徴として、犯行が繰り返された可能性が高く、今後、別事件で勝又容疑者が再逮捕されるかは注意して見ていきましょう。