こんにちは。

 

ダンサー専門管理栄養士のフミです。

 

 

さて、摂食賞が基礎知識ラストとなる【第4弾】は、治療について。

 

 

何度も言っているとおり、摂食障害はなりたくてなる病気じゃないんです。

 

遺伝的要因があるから、いくら気を付けていても発症することだってあります。

 

その「もしも」の時のために、治療についても知っておこう。

 

摂食障害治療で一番大切なのは、正しい治療をいち早く受けること。

 

摂食障害は治るんですよ。

でもね、放っておいたらどんどん慢性化します。

慢性化したら心身共にダメージが募っていって、治りにくくなります。

 

 

だから必ず治療を受けて。

 

 

 
摂食障害の治療ー機関
摂食障害の治療は、その重症度によって受ける場所が変ってきます。
  • 重度の場合=病院(重症の場合や、自殺願望(極度の栄養失調はうつ状態や自殺願望を引き起こします)などが強い場合には入院しないといけません)
  • その他=クリニック(病院の外来、または個人の専門クリニックを受診します)
私がしているのは、後者のクリニックの方。病院からの紹介で来る人もいれば、バレエ学校の先生の紹介で来る人もいるし、グーグルで検索して来る人もいます。(紹介無しでも治療は受けられます)。
残念ながら日本では拒食症’(重度)の入院治療は受けられる場所が増えたけど、その他(特に過食症や過食障害)の専門的な治療を提供しているクリニックや病院がすごく少ない。
そのギャップを埋めるため、日本の患者さんには、ビデオ電話で治療(食事カウンセリング)を提供させていただいています。
 

 

摂食障害の治療ー種類

摂食障害の治療には、

  1. 管理栄養士による食事療法(食事のカウンセリング
  2. 臨床心理士による心のカウンセリング

この2つがあります。

どちらか1つではなく、両方必要です。

 

拒食症の場合、もしくはその他の合併症を患っている場合などでは、ドクターによる定期的な検査(血液検査や心電図など)も必要になります。

 

また、うつ状態や症状が強い場合には、精神科医による薬物療法も必要になってきます。

 

カウンセリングって具体的にどんなことをするの?

治療の目的は、栄養状態を回復することと、心身共に健康になることです。
そのためには、
  • 体重・体型に対する考えを柔軟にする
  • ボディイメージを高める
  • 食事や食べ物に対する考えを柔軟にする
  • ダイエットを止める
  • 自尊心を高める
  • コーピングスキルの種類を増やしていく
  • 過去にトラウマがある場合(ない患者さんの方が少ないですよ)、それを消化し、乗り越える
など、カウンセリングでじっくりと治していくことが沢山あります。
 
食事療法で栄養状態(拒食症の場合は体重と臓器の回復も必要)などのフィジカルな回復を得ながら、心理士と根深い問題を解決していく。
 
これが治療のゴールデンルール。
チームワークが不可欠なわけです。
 
 
大人と子供では治療は違う?
子供や思春期の拒食症の場合には、家族療法(FBT; Family Based Treatment)が行われる場合もあります。
これは、心理士や栄養士の指導の元、患者さんの両親が家で食事療法を行うというものです。
 
この場合、両親共に月1程度のカウンセリングを受けることを強くお勧めします。
摂食障害は家族の身も心もボロボロにしますから。
 
 
治療期間はどのくらい?
これはね、本当にケースバイケース。
 
早くに治療を始めれば、数か月で治るチャンスが大きい。
 
でも数年経ってから始めた場合、治療も数年かかることがほとんど。
 
だから、早期介入が大事なの。
 
「ただのダイエットだと思って放っておいた」って、指導者や家族の方からすごくよく聞く。
 
「治療を受ける勇気がなかなか出なかった」っていうのも、本人からよく聞く。
 
おかしいな、と思うことがあったら、すぐに相談するべき。
 

 

摂食障害は治る?

 

治ります。

 

信頼できるチームの元で正しい治療を受ければ、治ります。

だから放っておかないで。

 

 

 

 

 

さて、情報満載でお送りした摂食障害基礎知識シリーズも一旦ここでおしまい。

 

ダンサーは摂食障害になりやすい性質を持っていることが多く、しかもリスクの高い環境にいる。

 

だからダンサーの摂食障害率は一般の人の2-10倍にもなるんです。

 

だからって「なって当たり前」みたいな扱いをするべきではないし、

 

出来る限り予防するべきだし、

 

特に指導者やダンサーを専門とする治療家は、正しい情報をもっているべきなんです。

 

 

そしてダンサーならば、自分の身は自分で守る術を知っておくべき。

 

摂食障害になったらダンス人生だけじゃなく、普通の生活も出来なくなるんだよ。

 

だから自分の身体をケアしてあげて。

 

 

Fumi x

 

 

 

P.S. 自分の食事と身体に対する向き合い方を見直したいダンサー、そして生徒や子供に正しい食事やボディイメージについて指導する手助けを探している方はEbookを参照してくださいね。

カウンセリングについてもっと詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。