再び会社に行けなくなったかーちゃん。
その事実は、ダンスの先生にも伝えた。
そして、ある晴れた2月のお昼。
かーちゃんは、ファミレスで先生と食事をしながら、
「会社を辞めようと思います」と、諦めたようにポツリと言った。
完全に決断できたわけではない。
「辞めたくない」
「でももう無理かもしれない」
「どうしていいわからない」
と、ある程度迷いながらの宣言だった。
迷いよりも諦めの気持ちが強かったのだろう。
先生は、そんなかーちゃんの心を見透かしたのだろう。
じっとかーちゃんの目を見つめると
おもむろに傍らのペーパースタンドからペーパーナプキンを1枚取り、ボールペンで3重の円を描きだした。
「Rayちゃん、ここにね、あなたの生活があるとする。」
と先生は説明しだした。
先生 :
「真ん中に一番大事なもの
その外側に二番目に大事なもの
一番外側に三番目に大事なもの
があるとする。
Rayちゃん、あなたにとって一番大事なものはなに?これだけは失いたくないってものは?」
かーちゃん : 「家族です」
先生 : 「じゃあ次に大事なものは?」
かーちゃん : 「ダンスが好きだという自分です」
先生 : 「じゃあその次に大事なものは?」
かーちゃん : 「仕事・キャリア・持家です」
先生 : 「じゃあRayちゃん、自分が何を捨てたらいいのか、答えは出るじゃない。」
先生は、下の絵のような円を、グルグルとボールペンで何度もなぞりながら描いた。
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・・・・・・・・・・・・@@!!
かーちゃんの中で、何かがポンッとはじけたようだった。
先生は続ける。
「Rayちゃん、あれもこれも、何もかも手放したくないと欲張ったら、全部失うよ。」
先生は、3重の円の上に、大きなバツを描いた。
「でも、円の中心だけを残そうとしたら、それを残すためには外側の円を捨てればいいでしょう」
と続けた。
そうか・・・・そう考えればいいのか@@
かーちゃんは、きっぱりと言った。
「先生、仕事やめようと思います」
と。
さんさんと陽の光がまぶしいぐらいに窓から挿していたのを今でも覚えている。
「会社辞めよう。辞めて今までのキャリアも収入もなくなって、家を手放すことになっても、もういい。
今のままで病状が回復せずに、自分が死を選んだり、離婚することになったり、はたまた子供に手をかけたりして、この家族を失うぐらいなら、キャリアも収入も家もいらない」
かーちゃん、強くそう思った瞬間だった。
この円の考え方は、今でもかーちゃんの生活の中でかなり役立っている。
この取捨選択の極意を覚えると、うつ病を患いながらどうやって生活して行ったらいいか、見極めがしやすくなる。
友人から何か相談を受けたときにも使っている。
今現在、何をどう選択したらいいのか悩んでいる方は、ぜひこの「円の取捨選択図」を描いてみてほしい。
自分が何を捨てたらいいのか、おのずと見えてくるだろう。
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