「リラックスできることを探してみましょうか」
とクルクルパーマ先生が言った。
【アロマ】
「ボクのところのアロマなんてどうです?よかったら買ってください」
クルクルパーマ先生はなかなか商売根性たくましい。
たしかに、ここの心療内科では、いろんなアロマオイルを販売していた。
だがどれも高いので、かーちゃん、量販店でお安めのアロマオイルを買ってみた。
アロマランプとろうそくも買って、なんかいい感じ![]()
「いいにおい、癒されるわぁ~~
」と、ちょっとその気になってみた。
【パワーヨガ】
リラックスといえば、ヨガなんじゃない?
なぜか一人勝手にそう思い込み、当時ちょっと話題になっていた「ハリウッドセレブも夢中♪」という「パワーヨガ」なるものを、本とヨガマットを買ってやってみた。
【ピアノ】
結婚してから、ピアノは実家に置いたままだったので、我が家にはピアノがなかった。
とーちゃんにおねだりして、電子ピアノを買ってもらった(しかも結構いいモノ)。
以前好きだったことができなかったかーちゃんだが、
簡単~な曲をちょっと弾いてみるくらいなら、癒されるかと思って買ってみたのだ。
ビートルズとか、カーペンターズとか、癒し系の曲ならどうだろう・・・?
【読書】
心にひびく、何か格言めいたことが書いてある本を読んでみたらどうだろう?
文字を読むのがつらいので、苦痛なときは読まなかったが、読めるときには読んでみた。
「さくらももこのエッセー」
「ツレがうつになりまして」
「がばいばあちゃん」
その他諸々・・・
「深イィねぇ・・・」と感心しながら読む。
さて、結果は・・・・・
やたらと物だけ増えて終わった。
アロマセットにヨガマット(しかも2枚も)、ヨガの本に電子ピアノ、いろいろな本・・・![]()
「アロマ」
単純に飽きた。特別ハマるものでもない。
「パワーヨガ」
性に合わない。そもそもダンスでストレッチをやってきたかーちゃんからしたら、「なぜ無の境地にならなければならない?」「なぜBGMをかけない?」という感じだったのだ。
「ピアノ」
これもすぐ飽きた。簡単な曲はすぐに弾けるようになってしまう。
ところが。次の段階に進もうと思えば、気力を消耗して「練習」をしなければならない。そんなエネルギーはない。
「読書」
人の良い話を読んだところで、自分の境遇は変わらない。
考え方も参考にはなっても、参考どまりで、自分がすぐに同じ考え方ができるようになるわけでもない。そして、病気だってよくはならない。
つまり総括すると、「飽きた」ということだろう。
うつ病患者は、「何かに集中する」というエネルギーがないので、概して「飽きっぽい」状態になるのだ。
そんなわけで、かーちゃんの「リラックス法探究の旅」は終焉を告げた。
その後のかーちゃんと言えば、とにかく飽きっぽいことを割り切って、臨機応変。
これは今でもそうだが、
「今は○○するのが私のリラックスタイム♪」
と、気持ちが落ち着くことは、その時々で違う。
ある時期はそれがストレッチだったり、またある時期はテレビを見ることだったり、音楽を聴くことだったり、美味しいコーヒーをまったりと味わうことだったり(こんなことができるようになったということだ)。
リラックス法なんて、無理に探そうとしなくていい。
そのうちおのずと、時と場合に合わせて生まれてくるものだ。