うつ病ではない人と関わろう | ママのうつ病、家族の奮闘記~かーちゃん、うつ病と闘う

ママのうつ病、家族の奮闘記~かーちゃん、うつ病と闘う

第2子出産半年後にうつ病の診断を受けてからはや15年。病と共存しながら健康体を取り戻すべく、試行錯誤で暮らしてきました。
今では通院も服薬もありません。
そんな私の経験が少しでも参考になれば……。

とーちゃんの知り合いで、男性のうつ病患者がいた。

もちろんかーちゃんとも顔見知りだ。


この男、ひどい言い方をするようだが、まさしく「根暗」を地で行くような男だった。

かーちゃんとは、性格も価値観もまっっったく合わない男。


あるとき、この男、かーちゃんがうつ病と知って、同じ穴のムジナを発見したと思ったのか、


「Rayさんも同じ病気なんですねー!わかりあえることがきっとありますよね!」

と嬉しそうにメールを送ってきた。






「はぁ・・・・・」



かーちゃんは、適当にソイツとメールを交わしていた。



だがだんだんそのメールのやりとりが苦痛になってきた。






ソイツのメールときたら、とにかく日々の愚痴をグチグチグチグチ書き連ね、


すべて悪いのは誰かのせい、環境のせい、不運のせい・・・


自分が悪いこともあるとは、一つも思っていない。




うつ病患者としては、珍しいタイプかもしれぬ。

普通うつ病患者は、自分を責めることが多いものだからだ。




とにかく、ソイツのメールを開くたびに、






ド~~~~~っと@@




ずーーーーっと下までスクロールするまで、

ひたすら愚痴とうらみつらみが綴ってあるのだ。




こんな奴とは、関わってはいられない。

ただでさえ、自分自身が沈まずに浮いているのが精いっぱいなのだ。

同じ病の「負」の要素満載のヤツの相手など、できるわけがない。




当然、その後かーちゃんはだんだんとメールを返さなくなった。

それでもソイツからは、


「同じうつ病どうし、励まし合いましょう!」

とメールが届いていた。




「励まし合う?」

冗談じゃない、アンタがやってることは、


「僕の愚痴を聞いて

僕は悪くないよね

僕を励まして」



の甘ちゃんづくしだ。

とにかくもう無視するしかない。

とーちゃんもそれは納得した。




その後彼とは、日を置かずして、町でバッタリ出会ったのだが、

このときも延々と、愚痴話につき合わされてぐったり疲れた。




この彼の場合は、ちょっと例としては極端かもしれないが、

うつ病患者は、ただでさえブラックホールのように負のパワーを発している。

本人自身もそれに落ち込みそうで必死なときに、


似た境遇同士で、悩みを打ち明けあうだけの友人関係を築くのは、かーちゃんはオススメしない。


同じ境遇同士というのは安心感が持てるかもしれないが、

互いに負のエネルギーで巻き込み合う危険性が高い。

同じレベルで落ちたまま、浮上することが難しいと思われる。


かーちゃんは、誰に言われるまでもなく、

できるだけうつ病とは関係のない人と関わるようにした。

打ち解け合うことができれば、病気のカミングアウトもしながら、

なるべくプラスの要素が多い人と一緒にいるようにした。

その方が、相手の力を借りて、精神的な浮上ができるからだ。



どうしても苦しい思いの吐露や愚痴は、


「家族」

「互いにリアルでは害のないSNS」

「カウンセラー」


の3者ぐらいに留めておいたほうがよさそうだ。




ちなみにこの彼、先日数年ぶりにとーちゃんが会ったそうだが、

相変わらず病状は続いたまま、相変わらずグチグチと愚痴にまみれ、

周りを恨む生活を送っているようだ。

気の毒だが、「同じ穴のムジナ」で傷をなめ合うような暮らしをしてこなくて、本当によかったと思う。