ぴのこは、またもや、海の近くの砂浜に座っていた。
海を見ながら思った。
ぴのこが、東京に来たばかりの田舎っぺだった頃に
東京で、初めて、付き合っていた彼。
その彼は、ぴのこと同じ歳だったが、
早くに東京に出てきたせいだろうか、大人な男だった。
そして、何かとバイクで、海まで連れて行ってくれた人だった。
彼は言った。
「 僕はね、自分に疲れた時、一人で、海を見にバイクで来ていたんだよ。」
その時の、田舎っぺ・ぴのこは、ふ~んみたいな。
「東京が辛いな~とか、故郷が恋しいな~っていう時は、一人できていたよ。」
は~・・・・・・・ってな、若いぴのこがいた。
それが、今、ぴのこ、その彼と別れた後、すごい年月が立った今、
一人で、ここに座っているんですけど・・・・・・ぶつぶつ
そんな、心ある男と付き合っていた頃の事をも思い出して、
海を見ていた。
すると。
デカイ犬を、二頭連れて散歩している、おじさん、いや、おじいさんに声をかけられた。
「 お前さん、大丈夫かい?」
突然の声かけに、え!!!みたいな。
ぴのこ、固まった。
え???大丈夫ですけど。
というか、海を満喫していた最中なんですけど・・・・ってさ。
スポーツウエアを着て、犬と一緒に、ザ・健康目指してますみたいなおじいさん。
サングラスをかけていたのもあって、一瞬、サイボーグ・健康オタクに見えたのさ。
だが、サングラスを取ると、優しい目をした、オッサン、いや、おじいさんだった。
服装のせいもあるかもしれないが、年齢不詳に見える。
この目は、ただのナンパ・エロじじいじゃないなと思った訳さ。
「 お前さんが、あまりにも悲壮な顔をしていたもんでね。」
「 声かけるのも、悩んだよ。」
え!!!
そんな感じに見えました???
ぴのこ、恋愛・回想劇、繰り広げていただけなんすけど。
もし、良かったら、一緒に散歩の後、ワシの家に来るかい?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
げ!
どうしよ・・・・・・・
だが、直感的に、こいつは大丈夫だと、長年の感かな、思った、ぴのこは、
一緒に砂浜を歩いたのさ。
犬も一緒にいたせいか、楽しい砂浜・散歩を繰り広げた訳さ。
そして、知らない町を歩いて、歩いて、やっと!おじいさんの家に着いた。
見るからに、金持ちそうな家。
門をくぐると、広い緑の庭があって、玄関も、大理石みたいな。
お城みたいな家だった。
そこに、案内された、ぴのこは、目ん玉、ギョー!!!ですよ。
何これ?すごい金持ちじゃん!!!
やっぱり、この辺りは、金持ちの住む場所か~・・・・・ぶつぶつ
ぴのこは、大きな犬をなでながら、言った。
すごい家ですね。
「 だけど、ここに住んでいるのは、ワシ一人だよ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・
どうやら、離婚して、今は一人で住んでいるようだ。
一人にしては、広すぎない???ってね。
ぴのこも、ここに住まわせてくれよって思ったわさ。
おじいさんは言った。
「 もし、良かったら、ゲストルームもあるから、泊まって行ってもいいよ。」
久しぶりの来客だからね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぴのこは、思った、永遠にここに住みたいとさ。
だが、それは、言えましぇ~ん・・・・・・・ぶつぶつ
その夜、おじいさんにお寿司屋さんに連れて行ってもらった。
ぴのこは、上機嫌で、ビール、焼酎を飲んだのさ。
おじいさんは糖尿病らしく、食べられる物が、限られているそうだ。
お酒を飲んで、喜んでいる、ぴのこに、いいな~ワシも飲めたらな~と言った。
すんませ~んと思いつつ、ぴのこ・ぶらり旅、我の好き放題するってやつですよ。
そして、家に帰って、次の日の朝はムリでも、お昼ご飯、
ぴのこ作りますと言ったが、断られた。
何故なら、糖尿ゆえの、おじいさんこだわりのメニューがあるそうで。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
あ~そうだよね・・・・・・みたいな。
そして、酔った勢いもあって、ぴのこ、ペラペラ、自分の事を話しまくった。
おじいさんは聞きやく。
「 ぴのこちゃんは強いね~だけど、相当、悩んで苦労したんだね。」
ぴのこ的には、苦労とは、思ってないですよ。
ただ、頭の中で、混乱が起きて、どうしていいかわからなくて、
そして、海まで来たんです。
「だけど、ぴのこちゃん、人生はこれからだよ。」
「 ぴのこちゃんは、まだまだ、若い、いろんな事に挑戦できるんだよ。」
そう?なの?
「 ワシも家族がいたけど、仕事ばかりで、気が付くと、離婚して、この通り、一人さ。」
一瞬、寂しそうだった。
「 それでも、今はこの犬達がいるからね、楽しく暮らしているよ。」
健康あってこそだよ。
ぴのこちゃんに病気があるなら、その病気と仲良く暮らす事だよ。
悲観する事はない。
そして、ぴのこは、病気が発病して以来の、混乱と、
今、元気になってきてからの、昔の自分が甦っている事を話した。
おじいさんの家に帰ってから、ぴのこは、すごい物を渡された。
目ん玉、またギョー!!!!!
ギョ!!!!ギョ~!!!!
何それ?ってなもん。
おじいさんは、書斎から、ぴのこに、強烈な物を渡したのさ。
それは、帯が付いた、ピン札の百万円だったのさ。
それを手に取り、ぴのこは、断った。
こんな大金、頂けません。
「 これで、君がいた東京を旅すればいい。」
答えは、見つかるかもしれないよ。
旅するにも、金がいるだろうという、おじいさんの気持ちだったのか?
ぴのこ、ビビりながら、受け取ったのさ。
そして、内心、こんな事ってあるの?と思いつつ、
ぴのこは、腹まきくれ~って思ったのさ。
腹にくくり付けておかないと怖いよ~ってさ。
フィーリングの旅って、何があるか、わからないっす。