インターロックとは、体幹の反復運動である。
この場合に体幹とは首・胸・腰の三点を指し、
首の前後、胸の前後左右、腰の前後左右の運動がある。
その運動の部位や方向で七種類に分類されており、
動物の動きにちなんだ名前がつけられている。
首を前に動かすものを「BIRD(バード)」
胸を前に動かすものを「SWAN(スワン)」
胸を後ろに動かすものを「BAT(バット)」
胸を横に動かすものを「PANTHER(パンサー)」
腰を前に動かすものを「DUCK(ダック)」
腰を後ろに動かすものを「SHRIMP(シュリンプ)」
腰を横に動かすものを「ALLIGATOR(アリゲーター)」
と呼ぶ。
これらは反復運動となるため、首を前に動かしたらその反動でアフタービートでは後ろに引くことになる。
私の見解では、インターロックは体内にメトロノームを備えるための運動である。
他にも様々な効果が期待されているが、少なくともリズムダンスにおいては
これが一番の目的となるだろう。
トニー・ティーはこの「身体の中にメトロノームを備えた状態」のことを
絶対ビート感
と呼んでいる7)。
体幹を振り子のように反復運動させるわけである。
振り子は周期も振れ幅も一定。
メトロノームも振り子の一種である。
インターロックが連続的なリズムを感じるのに優れているのは
物理的に立証される。
連続的なリズムの原理としては、
振り子やメトロノームだが、
インターロックで感じるのはリズムだけではなくビートであり、
そこにはアクセントがある。
インターロックで感じるビートの感覚は、振り子を利用した装置に置き換えることができる。
ニュートンのゆりかごという装置である。
衝突球、バランスボール、カチカチ玉といった呼び名もあり、
運動量保存則と力学的エネルギー保存の法則の実演のために作られたものらしい。
複数の球体が接するように糸でつるされており、端の球体を持ち上げて離すと、
その球体は当然振り子と同様の運動をし、残りの球体に衝突する。
この瞬間がアクセントとなる。
衝突した際の運動はそのまま跳ね返り、力学的エネルギー保存によって反対側の球体を同じ高さまで弾き飛ばす。
こうして、連続的なビートを感じることができる。
インターロックにおいても同様である。
バードを例に説明しよう。
バードでは、ダウンビートで首を前に出したときがアクセントとなる。
つまり、この瞬間が球体が衝突した地点にあたる。
その準備として、球体を上に持ちあげなければならない。
つまり、ダウンビートの準備として
アフタービートで首を後ろに引かなければならない。
いざ首を前に出すと、その衝撃は運動量保存の感覚で跳ね返ってくるだろう。
そうすると、無駄な力を使わずに動き続けることができる。
これを教えると、子どもは楽しくて仕方がない。
これはこれで問題だが、
体育が終わってもバード!
廊下に並ぶときもバード!
動き自体は地味で、正直かっこよくはない。
首を公園のハトのように前後させるだけの動きである。
それでも、子どもたちの楽しくて仕方がない様子がみられた。
インターロックとは、このように、
リズムに乗る楽しさを味わわせることができる
学習指導要領におけるリズムダンスの目標を達成させるためにあるような運動なのだ。