少年日和 ~ 猫や鴨との思い出は宝物のように美しくて ~ vol.19これを黙ってはいられない。何か伝えずにいられない。その後に浮かんだ光景は、あまりにも衝撃が強すぎる。まだ経験の浅い少年は、一度に複数のことを想像した。いつもは通学途中で立ち寄らない。川のほとりで、あの猫を見つける。いつもと違うのは、少年の呼吸。あまりの駆け足で息が上がっている。まずは一呼吸おく。心を落ち着かせる。ゆっくり顔を上げて、猫を見つめる。
少年日和 ~ 猫や鴨との思い出は宝物のように美しくて ~ vol.18通学途中の公園を、少年はいつものように駆け抜けた。向かうところは小川のほとり。あの猫に声を掛けなくてはならない。今の少年には夢で見たことが、どこまで現実と一致するのか分からない。しかし、いつもと違う夢の感覚。新鮮で、心地のよい、ひととき。忘れられない程の暖かな温もり。
少年日和 ~ 猫や鴨との思い出は宝物のように美しくて ~ vol.17少年は、はっとして起き上がる。カーテン越しに朝日が差し込む。父と母は、まだ眠りについている。その寝顔は穏やかである。しかし気になる出来事が、夢として訪れた。夢に見た出来事は、少年を不安な気持ちにさせた。もう成す術はないのか?それとも何か成さなければならないのか?少年は迷いながら、朝の準備をした。何も変わらないのかもしれない。それでも何かをしなければならない。不思議な感覚にとらわれた少年は、いつもより早く家を出た。なにか忙しげに動く息子を、母は声を掛けずに見守っていた。パンを口に入れ、ミルクを飲んで、いつものように家を出た。