ご存知の方も多いと思いますが
アーネスト・ヘミングウェイはアメリカの文豪。
1920年代から50年代にかけて
「日はまた昇る」「誰がために鐘は鳴る」「武器よさらば」
「老人と海」などの作品を書き上げ、
1954(昭和29)年にノーベル文学賞を受賞。
1961(昭和36)年にショット・ガンによる自殺を遂げています。
4度結婚をしたヘミングウェイの上記の代表作は
それぞれ4人の妻との生活の中で生まれたという逸話があります。
世界中を旅し、
1940年代以降はキューバのハバナで過ごしたヘミングウェイは
お酒をこよなく愛したことでも知られています。
本日は、そんなヘミングウェイの愛したお酒にちなんだ
日本の歌をご紹介したいと思います。
ヘミングウェイが愛したカクテルの代表は
「フローズン・ダイキリ」。
ラム酒とライム、砂糖で作るカクテルですが、
ヘミングウェイはライムをグレープフルーツにし、
砂糖を抜いてラム酒を多めにした「パパ・ダブル」という
レシピで愛飲したそうです。
「フローズン・ダイキリ」を歌の中で
味わった最初は、「横浜ホンキートンク・ブルース」。
作曲して歌っているのはハマのブルースキング、エディ藩。
その他に作詞の藤竜也をはじめ、
松田優作、原田芳雄、ダイアモンド☆ユカイなど
数多の歌い手が歌った名曲ですが、このフレーズ…
♪ ヘミングウェイなんかにかぶれちゃってサ
フローズン・ダイキリなんかに酔いしれた~
1970年代から80年代にかけてのカクテルブームに
シャーベット状の見た目のよさもあって飛びついた記憶があります。
松田優作の「YOKOHAMA HONKY TONK BLUES」は
こちらの記事をご覧ください。
フローズン・ダイキリをもう1曲。
2017(平成29)年には、クミコwith風街レビューが
アルバム「デラシネ deracine」をリリース。
日本レコード大賞の優秀アルバム賞を受賞したこのアルバムに
「フローズン・ダイキリ」が収録されています。
作詞は松本隆、作曲はクレイジーケンバンドの横山剣。
♪ フローズン・ダイキリ
ハバナでヘミングウェイが
愛したお酒 一口いかが~
ヘミングウェイの生き方にも通じる
歌詞はとても味わい深く絶妙です。
クミコwith風街レビューの
アルバム「デラシネ deracine」の記事は
こちらで書いていました。
作詞家とヘミングウェイといえば、
秋元康という作詞家もヘミングウェイとの
関りが強くあるように感じます。
乃木坂46の「バレッタ」、「図書館の君へ」
SKE48k「焦燥がこの僕をだめにする」の歌詞の中に
ヘミングウェイが登場します。
そしてもう1曲、フローズン・ダイキリと並んで
ヘミングウェイが愛したお酒が登場するのが
堺正章の「モヒートの夜」です。
2008年(平成20)年に発売されたアルバム
「時の忘れ物」に収録された「モヒートの夜」は、
「さらば恋人」や「街の灯り」とは
まったく印象の違った平成の楽曲。
この曲の作詞を手がけたのが秋元康でした。
作曲は70年代以降のシティポップスを代表する
シンガーソングライターの南佳孝。
真夏のひと夜の恋をサルサのリズムに乗せて歌い上げる
大人っぽいおしゃれな曲に仕上がっています。
「モヒートの夜」の歌詞にも
♪ ヘミングウェイが 愛した酒
人生はいつも 飲みすぎた 甘いカクテル~
ヘミングウェイが愛した酒、「モヒート」は
ラムベースとしたカクテル。
ラムとライム、ミントの葉、砂糖、炭酸水が材料で
2003年に公開された映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」で
海賊たちが飲んでいたシーンで人気になりました。
おまけにもう1曲。
2015年にリリースした八神純子のアルバム「There you are」に
「濡れたテラス」という曲が収録されています。
♪ モヒートでも酔えないから グラス重ね
葉巻におうコロニアルを old car 過ぎてゆく~
「みずいろの雨」や「ポーラー・スター」と同じように
心地よいラテンのリズムで八神純子らしさ全開の曲です。
作曲はもちろん八神純子。
作詞のKAZUKIという方は、もともと作詞家の方ではなく、
八神さんが東北被災地支援をされているときに出会った方で、
詞をお願いしたら次々と書いていただいたという経緯があったとか。
私の好きな歌、「約束」や「1年と10秒の交換」も
この方が作詞を手がけています。
私を含めて、もう若くない方は
コロナの影響でバーもカラオケ店も
なかなか積極的に楽しむことができなくなっています。
モヒートには「心の渇きを癒して」
というカクテルの思いがあるようで、
外出自粛気味の皆さんの
心の渇きを癒す日が
一日でも早く訪れるように願っています。