バナナといえば南国の果物。沖縄や九州のような温暖な地域以外で育てるのは無理だろう…と思っている方も多いかもしれません。
でも、耐寒性の強い「アイスクリームバナナ」なら、温暖地以外でも育てることができます。
これなら私の住む地域(関東の寒冷地、冬は最低気温-7℃)でも育てられるのでは?と思い、ナムワ系アイスクリームバナナを育て始めたのが4年前。
「うまくいくかどうかわからないけど、面白そうだからやってみよう」くらいの気持ちでした。
鉢のサイズアップと地道な世話
最初は10号鉢からスタートし、翌年には13号鉢、さらにその翌年には15号鉢へと段階的にサイズアップしていきました。
2年目夏(13号鉢)
3年目夏(15号鉢)
バナナはみるみるうちに大きくなるので、それに合わせて鉢を大きくしていかないと生育が悪くなってしまいます。
(最初から15号鉢で育ててもいいのですが、20kg~30kgあるので移動が大変…)
冬になると寒さ対策のため、毎年室内に取り込み。
3年目冬(15号鉢)
重たい鉢を運びこみ、冬の寒さで枯れないよう慎重に管理…
そんな作業を繰り返しながら、3年が過ぎていきました。
咲かない花に不安を感じた3年間
葉は立派に育つものの、肝心の花がなかなか咲かない。
「このままずっと観葉植物で終わるのかも…」と不安に思ったこともあります。
でも「バナナは葉が35~45枚出た後に花が咲く」という情報を聞いていたので、「1年に10~15枚ずつ葉が出ていたとすれば、4年目くらいに咲いてもおかしくないはず!」と前向きに考えながら世話を続けていたところ、ついに今年の春。
4年目にしてようやく花序が出てきました。
4年目春(地植え)
※春先に花序が出始めているのを見て急いで地植えしてしまったため、
鉢の状態の画像がありません...orz
花は咲いたが、葉がない──試練のスタート
しかし、ここで思わぬトラブルが起きました。
冬の間、寒さでほとんどの葉が枯れてしまい、春を迎えた時点で残っていた葉はわずかに1枚だけ。
その状態で、まさかの花序が出てきてしまったのです。
じつはバナナは、花序が出てきた後はもう新しい葉を出すことがありません。
つまり、この1枚の葉だけで実を育てきらなければならないという非常に厳しい状況でした。
実がなったが、ついに枯れてしまった
花が咲いた後、しばらくして小さな実がつきはじめました。
「もしかしたらこのまま収穫できるかも」と希望を感じたのも束の間、バナナは枯れてしまいました。
約1ヵ月後
約1ヵ月半後
初めてのことなので正確な原因はわかりませんが、いくつか思い当たる節はあります。
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花序を早い段階で切り落としたこと
実を成らせすぎないように…という思いで、かなり早い段階で花序をカットしてしまいました。(早すぎるとよくないらしい) -
摘果(実を間引く作業)を行ったこと
すべての実を育てきるのは無理だと判断し、いくつかの実を摘果。
ところが、切除した部分から枯れ込みが広がってしまい、結果的にすべての実が枯れてしまったように思います。 -
そもそも葉が足りない
枯れ込みが始まる前から、実が大きくなっている気配がありませんでした。
やはり葉1枚で実を育てるのは無理だったのかもしれません。
こうして、はじめてのバナナ栽培は失敗に終わりました。
バナナ栽培の難しさと、それでも得られたもの
バナナの鉢植え栽培は、結実まで4年という、想像以上の時間がかかりました。
そしてその挑戦は惜しくも失敗に終わりました。
この4年間でいろいろと経験も積めたので、すべてが無駄になったというわけではありませんが、「あともう少しだったのに…」という悔しさは正直あります。
とはいえ、-7℃になる地域でもバナナが育てられたというのはひとつの達成です。
これからまた株を新たに育て直して、次こそは無事に実を収穫したいと思っています。
最後に:これから育ててみたい人へ
もしこれからアイスクリームバナナを育ててみたいという方がいたら、伝えたいことがあります。
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結実まで3年以上かかるつもりで育てること
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鉢は15号が限界(これより大きい鉢はもう動かせない)
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花序が出たらもう葉は出ないという前提で、冬越しは徹底して葉を守ること
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花序の切除や摘果は慎重に。
時間はかかりますが、正しく育てればちゃんと花は咲きます。
そして、思っている以上にバナナは寒冷地でも頑張ってくれます。
育てる過程そのものが、ひとつの楽しい挑戦になりますよ。